浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

指揮者の洋琴 ロジェストヴェンスキー ヒンデミットの珍曲を弾く

2007年02月06日 | もう一つの顔
ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー、ヴィクトリア・ポストニコワ夫妻がヒンデミットの4手の為の洋琴ソナタを弾いたレコヲドがある。

曲の珍しさもさることながら、ロジェストヴェンスキーの洋琴もなかなかのものである。ヒンデミット独特の付点リズムに乗って独逸近代の重苦しい響きも若干緩和されて聴きやすい。終楽章のフーガは、正しく独逸の音楽が持つ構築美を愉しめる。

ヒンデミットの作品に対しては、「中身が無い」とか「深みが無い」などの悪評を聞く。しかし、そのお蔭で僕は得をしてゐる。以前にも書いたやうに、僕はヒンデミットを好んで聴く。特に「低俗」といふ評価のある「金管楽器と絃樂のための演奏会用音楽(OP.50)」は一番のお気に入りだ。「ウェーバーの主題による交響的変容」と「画家マチス」は有名だが、あとの作品は何かの余白に収められたりするために、ヒンデミットのコーナーといふのは、よほどの店でなければ用意してゐない。

ヒンデミットを探すには廉価盤コーナーや処分コーナーを見るのが手っ取り早い。

盤は、露西亜MelodiaのLP盤 33CM(a)。


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