浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

フィリップ・ゴーベール指揮シャブリエの「愉しい行進曲」

2007年02月27日 | 指揮者
ゴーベールって何する人だらうか?一瞬戸惑う方も居るだらう。フルートを嗜む方はフルート吹きの大家として、或いは作曲家として、一方、僕のやうなSPレコヲド好きは昔の巴里音楽院管絃團の指揮者として、それぞれがイメージを持ってゐるはずだ。これらはみな同一人物の仕業だ。 . . . 本文を読む

フルトヴェングラー 「フィンガルの洞窟」ザルツブルグ・ライブ

2007年02月24日 | 指揮者
1951年8月19日ザルツブルグ音楽祭での録音では、フルトヴェングラー指揮維納フィルハーモニーによるマーラーの「さすらう若人の歌」とブルックナーの第5交響曲は既にLP時代からレコヲド化され、僕のコレクションにも聴き馴染んだレコヲドがあった。その同日のオープニングプログラムに「フィンガルの洞窟」が演奏されたが、この演奏はどういふわけか最近まで聴く機会がなかった。 . . . 本文を読む

エドアルド・エルドマン自作の「フォックストロット」

2007年02月24日 | もう一つの顔
ベートーヴェンの洋琴協奏曲第3番をアルトゥール・ローター指揮伯林フィルハーモニーとSPに入れてゐるが、この演奏などはオーソドックスな独逸的演奏で、伯林フィル全盛期の響きとエルドマンの美しい音色を楽しめる。しかし、SP盤のスタジオ録音にはエルドマンの本当の魅力が収められてゐないやうな気がする。 . . . 本文を読む

モントゥーとクーセヴィツキ 「イタリアのハロルド」聴き比べ

2007年02月20日 | 指揮者
ピエール・モントゥーの1963年11月24日のライブ録音とクーセヴィツキ1944年11月28日のスタジオ録音を聴き比べて楽しんでゐる。モントゥーとクーセヴィツキは共にボストン響の黄金時代を築き上げたといふ点で共通項を持った20世紀前半の重要な指揮者である。 . . . 本文を読む

ストラヴィンスキー「兵士の物語」の自作自演

2007年02月20日 | 自作自演
【前回のあらすじ】 ストラヴィンスキーは、西洋音楽の先行きに行き詰まりを感じ、画家ピカンとともに、伝統芸術を破壊しようと一大決心をした。ピカン(ピカリだったかも知れない)の「青の時代」は有名であるが、「青」には「青臭い」「青息吐息」「青あざ」などの意味がある。「春の祭典」などの斬新な作品では「青あざ」ではすまず、多くの血が流されたのだった。その後、新古典主義と呼ばれる作風を見出し、図書館で過去の無名作品を盗み取っては自作品として発表し、ジャスラックに訴えられた。 . . . 本文を読む

ストラヴィンスキーの自作自演とリハーサル

2007年02月18日 | 自作自演
ストラヴィンスキーには○○の時代といふ区分がいくつかあって、その時代によってそれぞれ作風が大きく異なるのが特徴だ。ちょうど、絵画の世界でピカンが青の時代を持ってゐるのと似てゐる(ピカリだったかも知れない)。交響曲ハ長調は新古典主義の時代に属するものと思ふが、先ずこれをハ長調だと理解するには最低でも13回は聴かねばならない。 . . . 本文を読む