浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

マイラ・ヘス グリーグの協奏曲を聴く

2013年08月08日 | 洋琴弾き
1937年3月7日に米國で放送用に録られた音源からグリーグの協奏曲第壱楽章を聴いてゐる。貧しい録音ではあるが、ヘスのデモーニッシュな演奏を垣間見ることができて本当に嬉しい。写真は見てのとおりヘスにあらず、伴奏指揮を務めるヴィクトール・コラーといふ作曲家である。 . . . 本文を読む

リスト/ブゾーニによるフィガロの結婚幻想曲をギレリスの演奏で

2013年04月05日 | 洋琴弾き
リストのオペラファンタジーは、当時のサロン音楽の華であったのだらう。超絶技巧の中にオペラの有名なモチーフが流れる。豪快なオーケストラのやうな響きと繊細な洋琴のささやきがまったく気まぐれな進行によって紡がれていく。愉しいファンタジーの世界なのである。 . . . 本文を読む

イザベル・ヤルコフスキーの唯一のレコヲド?

2013年01月05日 | 洋琴弾き
新春といふことでメストのニューイヤーコンサートを愉しんだ。其の余韻といふか、維納の香ほりを嗅ぎたくなり、ゴドウスキの組曲「トリアコンタメロン」の中の1曲、「古き維納」といふ名曲を探した。此の三十の小品から成る「トリアコンタメロン」組曲は、ゴドウスキがメロンを味わった際、其の感激で一気に書き上げたと云はれてゐる。 . . . 本文を読む

ベンノ・モイセイヴィッチによるメトネルのおとぎ話

2012年10月07日 | 洋琴弾き
久しぶりにティアックのカセットデッキの具合をみるためカセットテープの棚を覗いていてモイセイヴィッチのテープを見つけた。セルとやった「皇帝」がA面に、そしてリストのハンガリアン幻想曲やメトネル、プロコフィエフ、ゴドフスキなど1920~1930年代の録音が集められたものだ。墺太利KOCH社のSP復刻。 . . . 本文を読む

ホルヘ・ボレ&イッセルシュテットによるリスト洋琴協奏曲第壱番

2012年09月29日 | 洋琴弾き
ホルヘ・ボレはライブで本領を発揮するタイプの洋琴弾きだと云はれてゐるが、イッセルシュテットとの協演による珍しいライブ録音を聴こうと思ひ棚から取り出してきた。CD盤では、先ずアンコールとして演奏されたブラームスの洪牙利舞曲第壱番から始まるが、急緩の繋ぎ目を連続的に繋いで演奏する変わった表現に驚かされるのだ。最終音の前にイッセルシュテットが指揮台を蹴る足音も入っていて臨場感がある。 . . . 本文を読む

天才シューベルトの遺作 洋琴奏鳴曲D959

2012年08月29日 | 洋琴弾き
シューベルトの調性崩壊は洋琴作品にしばしばみられるが、其の展開に耳がなじむにはかなり時間がかかった。いったい何事が起こっているのかが分からなくなり、楽譜を譜面台に置いて何度も書かれた音符を弾いては自分なりに音楽として再構築してはみたが、どうもうまく構築できなくてもやもやが募ったことを想い出す。久々にエルドマンの戦時中の録音を取り出して聴いてゐる。 . . . 本文を読む

ホフマンのモシュコフスキ「西班牙奇想曲」

2012年08月22日 | 洋琴弾き
モシュコフスキの西班牙奇想曲には機械吹き込みとライブ録音の2種類が手元にある。コロムビアへのレコーディングに熱心だったホフマンが1916年10月16日に残した古い方の録音だが、このとき10タイトルの録音を義務付けられてゐたやうで、ホフマンはこの契約をハードに感じていたやうだ。此の翌年は理由は不明だが録音を行ってゐない。丁度、人気絶頂期でコンサートの出演で多忙を極めてゐたのだらうと推察する。其の絶頂期の録音と約20年後のライブ録音を聴いてゐる。 . . . 本文を読む

モリッツ・ローゼンタールのライブ録音

2012年06月04日 | 洋琴弾き
久々にわくわくしながらCDをトレーに乗せた。それは音楽史上の大作曲家たちを唸らせた稀代の大洋琴家のライブ録音が手に入ったからである。松田晃演氏がご自宅で「水の反映」をお気に入りのレコヲドとして聞かせてくださった、あのモリッツ・ローゼンタールである。彼の75歳の誕生日に開かれた祝賀会での演奏で、曲はワイスマン指揮伯林國立歌劇場管絃團のSPレコヲドで聴き親しんだショパンの協奏曲第壱番である。 . . . 本文を読む

ブルショルリのベートーヴェン協奏曲第三番 ライブ音源

2012年04月08日 | 洋琴弾き
イシドール・フィリップ、コルトー、コチャルスキ、ザウアーに学んだブルショルリが1966年に来朝した。サンサーンスの協奏曲を披露してくれたが、其の時の演奏はCD化されてゐるのだらうか。今宵は、同じ年の8カ月前にハンブルクで行われたコンサートの模様を聴いてゐる。 . . . 本文を読む

カペルのプロコフィエフ 奏鳴曲第七番 ライブ音源

2012年03月20日 | 洋琴弾き
ウィリアム・カペル、濠太剌利の演奏旅行からの帰路、乗ってゐた飛行機が山に激突したのが1953年10月末だったが、頻繁に濠太剌利に行ってゐたやうで、3か月前の1953年7月25日のメルボルン・タウンホールでのライブからプロコフィエフの第7番奏鳴曲を聴いてゐる。 . . . 本文を読む

バベス・レオネによるフォーレの夜想曲を独り聴く夜

2012年02月18日 | 洋琴弾き
久々にCDを買った。仏蘭西女流洋琴弾きによるフォーレ歴史的録音と題したCDである。一つ目のトラックで釘づけになってしまった。その洋琴弾きの名はバベス・レオネ。聞き覚えのある名だと思ったら、フルニエのシューマン「幻想小曲集」の伴奏者として見た名であることが分かった。 . . . 本文を読む