メンゲルベルクのベートーヴェンの交響曲は第五番を聴いたのが最初だった。フォンタナの廉価盤LPで裏面には未完成交響樂が入ってゐた。中学校の帰り道に長崎屋のLPコーナーで買ったのを憶えてゐる。 . . . 本文を読む
ラボーといふ巴里音楽院長の手による異国情緒に満ちた謎めいた管絃作品がある。カイロの靴直しマルーフとはたれのことぞ。最近になって此の歌劇の全曲版CDが発売されたと聞く。購入して聞いてみようとは思はないが、其の人の事は気に掛かってしょうがない。
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大学時代に構内で一際光彩を放つ禿頭がゆらゆらと揺れながら動いて行くのを何度か見た。此れこそが名曲「平城山」を生み出した禿頭なのだ。久々に日本の調べが聴きたくなり、CD棚の一番下に隠れてゐたNAXOSの"Japanese Melodies"といふハープ伴奏の歌曲集を取り出し、平井康三郎の名旋律を何度も聴き返した。 . . . 本文を読む
ロベール・カサドッシュはディエメに学んだ仏蘭西の提琴家として知られてゐるが、立派な作曲家でもある。最初の作品は17歳のときに書いた10の洋琴小品「架空の旅」で、その後69の作品を残してゐる。今日は、彼の最初の交響曲を聴いてゐる。 . . . 本文を読む
ヴォーン・ウィリアムズといふ英國の作家が居て、古謡をもとに現代人に癒しの空間を与えてくれる。今日取り上げる「チャーターハウス組曲」は、前奏曲に始まり、遅い舞曲、速い舞曲、遅いアリアと続くが、中でもロンドは忘れかけた記憶を妄想とともに甦らせてくれる。 . . . 本文を読む
昔、ショパンの一風変わった作品を集めたアルバム(楽譜)を手にして、先ずフーガの存在に驚いた。其のレコヲドが在る事に更に驚いたものだ。ショパンの手書き譜を譲り受けたといふヤノータによる録音のことである。其のアルバムの中で最も気に入って我流で弾いて愉しんだ曲が「タランテラ」である。 . . . 本文を読む
英國で親父がイダ・ヘンデルを聴いたときの様子を語ってくれたことがあった。以前にも書いたが、派手ないでたちでステージに上がると其処には華があったといふ。今宵は久々にブラームスの哀愁を帯びた第壱番の提琴奏鳴曲をヘンデルの演奏で聴いてゐる。 . . . 本文を読む