浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ルイス・カウフマンのSPレコヲド サンサーンスの協奏曲第三番

2012年10月05日 | 提琴弾き
いまでは思ひ出せないが、昔なにかのFM番組のテーマ曲になってゐたサンサーンスの提琴協奏曲第三番をルイス・カウフマンの演奏で聴いてゐる。オランダフィルハーモニーとの協演が市販されてゐるが、聴いてゐるのは1945年のSP録音の瑞々しい演奏である。

伴奏を務めるのはバーナード、ハーマン指揮するサンタモニカ交響樂團で、此の樂團が今年で創立70周年を迎えることから結成後間もない頃の録音のやうである。金管樂器の薄っぺらな響きを除き、演奏水準に不確かさは感じられず、いったいどのやうなメンバーが集まってできた団体なのか不思議に思ふ。

ルイス・カウフマンの登場は2度目となるが、バロックから近代まで幅広くレパートリーを持つ提琴家である。特にバーバー、プーランク、ミヨー、コープランドの演奏には定評があったやうである。現代の提琴弾きに通じる正確でサバサバした印象もあるが、伸びのある少しくぐもった響きは丁度良い加減のポルタメントを伴って古き佳き時代の風情も感じさせてくれるため、一概に「現代の提琴弾き」といふ風に簡単に分類できない.ただし、鮮明な録音で聴くよりも数少ないマイクロフォンで録音する昔のレコヲドの方がカウフマンのちりめん状ビブラートが気にならないのは事実だ。特にSP録音は提琴だけを強調して録音するやうなことはなく、其の場のアトモスフェアを録音する記録媒体なので尚よろしい。

カウフマンは提琴家として日本國での評価はあまり良くない。フィルム音楽やポピュラー音楽の世界でもスターだった彼の生きざまはいかにもヤンキーの國らしいものであり、國民の93%が真面目な日本國ではホセ・イトゥルビやストコフスキーと同様、芸人扱いされてしまふのであらう(僕も実は其の内の一人だ)。実力よりも経歴を重視する所謂「学歴社会」は音楽の世界でも顕著なのかも知れない。

録音はおそらく現在は存在しないレコヲド会社 Disc Company of AmericaのSPレコヲドの復刻CD 英國Biddulph LAB-079。 


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1 コメント

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確か (とほりすがり)
2012-11-28 19:52:52
カウフマンのサンタモニカの録音はジャック・ラフミロヴィチの指揮だと思ふのですが如何に?

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