浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ヒンデミット ハープと木管の為の協奏曲

2008年03月02日 | 忘れられた作品作曲家
ハープと木管の為の協奏曲といふヒンデミットが54歳のときの作品をご存知だらうか。ハープの幻想的な音楽と木管の温もりが見事に融和して独特の世界をつくりあげてゐる。性格の異なる3つの楽章から成る。

ヒンデミット自身の結婚記念のために書かれた作品といふことからメンデルスゾーンの結婚行進曲が第3楽章に原型のまま登場する。それも何度も現れ、フレーズも長いのでからかわれてゐるやうな気がしてくる。

今日、聴いてゐるのは、カール・ベーム指揮維納フィルハーモニーによる1970年ルツェルン音楽祭でのライブ録音である。この曲は維納フィルの木管の美しさを十分に引き出せるつくりになってゐる。終止音に向かうときのヒンデミットはいつもどおりだ。この「無理やり終わり」といふ強引さは結構好きな世界観だ。

盤は、国籍不明IMDによる放送録音のリマスタリングCD KB-402。


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