浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

矢野 滋 ベルリン時代の録音を愉しむ

2014年03月02日 | 歌もの
神戸が生んだ我が國初のコロラトゥーラ・ソプラノ、矢野 滋は神戸市民にとってはなじみ深い存在である。久々にその美声を聴いて昔のことなど懐かしんでゐる。春はそういふ季節である。 . . . 本文を読む

アルバート・コーツによるチャイコフスキーの第三交響曲

2014年02月15日 | 指揮者
チャイコフスキーの交響曲は後期の3曲以外は最近(といっても二十年ほど前)まであまり聴かなかったため、特にお気に入りの演奏があるといふわけでもない。特にコーツの演奏に何かを期待して聴こうと思ったのではなく、この時代の響きに浸りたくCDを取り出した。1932年の録音である。 . . . 本文を読む

ライナーによるファリャ

2013年12月29日 | 指揮者
久々に日本國に戻ってきて、数ヶ月ぶりの投稿となる。その間、多くの方々に来訪いただいてゐたことを知り大変困惑してゐる。このやうな勝手気ままなブログにお付き合い頂いてゐることを恥ずかしく思ふが、今後も時間を見つけて綴っていこうと思ってゐる。 . . . 本文を読む

ゲイ術家 ノエル・ミュートン=ウッドといふ洋琴弾き

2013年08月18日 | 洋琴弾き
英國音楽と現代作品の佳き理解者として活躍した濠太剌利出身のゲイ・ピアニスト、ノエル・ミュートン=ウッドのレコヲドを初めて聴いてみた。曲はウェーバーの二つの奏鳴曲と、僕が昔よく弾いて楽しんだショパンのタランテラの三曲だ。 . . . 本文を読む

マイラ・ヘス グリーグの協奏曲を聴く

2013年08月08日 | 洋琴弾き
1937年3月7日に米國で放送用に録られた音源からグリーグの協奏曲第壱楽章を聴いてゐる。貧しい録音ではあるが、ヘスのデモーニッシュな演奏を垣間見ることができて本当に嬉しい。写真は見てのとおりヘスにあらず、伴奏指揮を務めるヴィクトール・コラーといふ作曲家である。 . . . 本文を読む

ボルヒャルトによる戦後の伯林事情

2013年06月02日 | 指揮者
第弐次大戦末期、独逸國が降伏して僅か二十日ほどの後、レオ・ボルヒャルトがフルトヴェングラーに代わり指揮台に立った。戦時中のフルトヴェングラーのメロディア盤でよく耳に馴染んだあのティタニアパラストが其の舞台だったと言ふ。 . . . 本文を読む

露西亜型特大ちんどん

2013年04月08日 | 自作自演
ハチャトゥリアン作曲「レスギンカ舞曲」の自作自演でも聴いて景気づけをしやうと「ライヴ・クラシック100」を取り出した。30年ほど昔、中学校ぐらいの学生たちがよく演奏してゐた曲だが、一般的にはあまり聴かれることはない。 . . . 本文を読む

リスト/ブゾーニによるフィガロの結婚幻想曲をギレリスの演奏で

2013年04月05日 | 洋琴弾き
リストのオペラファンタジーは、当時のサロン音楽の華であったのだらう。超絶技巧の中にオペラの有名なモチーフが流れる。豪快なオーケストラのやうな響きと繊細な洋琴のささやきがまったく気まぐれな進行によって紡がれていく。愉しいファンタジーの世界なのである。 . . . 本文を読む

リトルフの交響的協奏曲 チェルカスキの演奏で聴く

2013年03月28日 | 忘れられた作品作曲家
以前、シャラーの演奏で取りあげた此の作品を久々にチェルカスキの名演で聴いてゐる。リトルフの交響的協奏曲第四番からスケルツォ楽章のみが録音されてゐて、伴奏はサージェント指揮BBC響である。 . . . 本文を読む

クーセヴィツキによるラフマニノフの「ヴォカリーゼ」

2013年03月27日 | 指揮者
世界大戦が終末を迎える頃、露西亜から米國に渡った大指揮者クーセヴィツキが母国の音楽を録音してゐる。ラフマニノフのヴォカリーゼである。 . . . 本文を読む

メリークリスマス! 維納少年合唱團の歌声に怒りを鎮める春

2013年03月19日 | 歌もの
別れの春、毎年毎年、此の春といふ季節を恨む。人生の中で何度体験するのかは知らないが、以前にも書いたやうに春の無い常夏の南国か凍てつく極地に生まれれば良かったと、この時期にはいつも思ふ。春であることを否定したいときにはクリスマスの音楽を聴くのが一番だと思ひつきCDを取り出した。 . . . 本文を読む

マリー・テレーズ・フルノーと云ふ女流洋琴家

2013年02月23日 | 洋琴弾き
マリー・テレーズ・フルノーといふ洋琴家のフォーレを初めて聴いた。全く知らない人だが1944年に録音された舟唄第参番は彼女が17歳のときの録音である。期待が膨らむ。 . . . 本文を読む

あっ軽い脳みそ! 明るい脳みそ? 鋼琴狂装曲「黄河」

2013年01月08日 | 芸能
支那四千年の歴史上、最高傑作と云はれてゐる洋琴と水素爆弾の為の狂装曲「黄河」。どのくらい傑作かといふと、腹の皮がよじれてもとに戻らず入院するくらいけっさくである。此の世界一の駄作を、今年も修行のために取り出した。 . . . 本文を読む

イザベル・ヤルコフスキーの唯一のレコヲド?

2013年01月05日 | 洋琴弾き
新春といふことでメストのニューイヤーコンサートを愉しんだ。其の余韻といふか、維納の香ほりを嗅ぎたくなり、ゴドウスキの組曲「トリアコンタメロン」の中の1曲、「古き維納」といふ名曲を探した。此の三十の小品から成る「トリアコンタメロン」組曲は、ゴドウスキがメロンを味わった際、其の感激で一気に書き上げたと云はれてゐる。 . . . 本文を読む

シューベルト弦楽三重奏曲第1番(メンデルスゾーン補筆完成版)世界初演

2012年12月06日 | 忘れられた作品作曲家
シューベルトには未完成の作品がいくつかあるが、この三重奏曲も第2楽章途中までしか残されてゐない。これをメンデルスゾーンの子孫、ウラディミール・メンデルスゾーンが補筆完成させたのが、今日聴いてゐる演奏である。 . . . 本文を読む