浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

今年も「第九」を聴き1年を振り返る ベームの来日公演ライブ

2008年12月23日 | 指揮者
僕が子供の頃、カール・ベームが伯林独逸歌劇場と来朝したことがあった。1963年といえば、ベームは69歳の活躍ざかりで、まして独逸歌劇場の引越し公演など、当時の僕たちには夢のやうなお話であった。その中の一日、豪華な顔ぶれの独唱陣と最高の合唱團とともにベームが「第九」を指揮した。 . . . 本文を読む
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ヘルマン・シェルヘン ハイドン放屁交響曲

2008年12月22日 | 指揮者
驚愕に代表されるやうに、ハイドンは、気持ちよく眠ってゐる聴衆の安眠妨害をするのが好きだったやうだ。ピグモンセット(ガラモンセットだったかもしれない)と云われるハイドン晩年の交響曲の第1番に登場するのが交響曲第93番、放屁交響楽である。 . . . 本文を読む
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盲目の鍵盤奏者ヘルムート・ヴァルヒャ「目覚めよと呼ぶ声が」

2008年12月21日 | 器楽奏者
ヴァルヒャは盲目の作曲家であり、鍵盤奏者だったが、1991年に亡くなった。今日、ヴァルヒャを聴こうと思ったのには理由がある。嫁さんが突然、失明したからである。失明と云ふのは「明るさを失ふ」の意味である。 . . . 本文を読む
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こりゃひどい!ワルターの洋琴レコヲド ショパンのワルツ 嬰ハ短調

2008年12月20日 | もう一つの顔
ちんちん電車の走る田舎街への出張から帰ってきた。利口な顔はあまり見当たらないが、田舎にもこんなに人間が住んでるかと驚いたくらいうじゃうじゃしてゐて会場の空き席を探すのに苦労した。やうやく座ると、アトラクションと称して妙な踊りが始まった。漱石の小説に「歌はすこぶる悠長なもので、夏分の水飴のやうにだらしがない」とあった「妙な謡をうたいながら、太鼓をぽこぽん」の踊りは、さすがに現代風のハイテンポに変わり、「本物の抜き身を数十人が同時に振り回す」踊りはおもちゃを振り回すやうに変わってゐて、実につまらないものだったが、満席の会場からは拍手が鳴り止まなかった。今日は、漱石が見た「高知のなんとか踊り」が「太刀踊り」であることが判明し勉強になった。 . . . 本文を読む
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レオニード・クロイツァー ショパンのワルツ嬰ハ短調

2008年12月19日 | 洋琴弾き
クロイツァーが来朝し、永住を決めたのは戦前のことだ。数多くの演奏會を開いて活躍してゐたのは、ちょうど僕たちの親の世代の青春時代に重なる。クロイツァーの手ほどきを受けた世代も80歳台以上となり、演奏を生で聴いた人たちも70歳を超えてゐるはずだ。 . . . 本文を読む
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プンクステップが弾くシューベルトの奏鳴曲第11番

2008年12月18日 | 洋琴弾き
露西亜の洋琴弾きにプンクステップが居た。僕は何度もプンクステップのチケットを入手する機会があったが、結局一度も聴きに行かなかった。桐朋で洋琴を勉強した妹に「お前が聴いた方が値打ちがあるやろ」とチケットをやったのが最後の来朝だった。 . . . 本文を読む
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スタニスラフ・シュピナルスキによるショパンのワルツ作品42

2008年12月18日 | 洋琴弾き
学生時代、友人たちと当時でも既に忘れ去られた洋琴弾きの名演奏を開拓しては、新たな発見に沸きかえった日々を懐かしく思い出す。Diw ClassicsのCDを聴いてゐてシュピナルスキといふ懐かしい名前を見つけた。 . . . 本文を読む
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ミュンシュのモーツァルト35番「ハフナー」

2008年12月17日 | 指揮者
ミュンシュのモーツァルトはあまり正規のレコヲドには残されてゐなかったと思ふ。以前に第40番の快速演奏をご紹介したことがあったが、あれも名演だった。今朝は、巨大なヒンデンブルグ号が裏山に墜落してきて大火災の中逃げ惑うといふ悪夢に魘されてのお目覚めだ(一体自分は何時の時代の人間なのだ!)。気分転換にモーツァルトを聴こうと思った。 . . . 本文を読む
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クナパーツブッシュのヘンデル さすがモンスター

2008年12月15日 | 指揮者
今までにさまざまな表現を聴いてきた音楽通でも、このヘンデルの第1楽章を聴いたらたちまち普通の状態ではいられなくなる。ときには、眩暈がして会議中に居眠りをするツチヤ氏病が悪化したり、急に腹の調子が悪くなって新鮮な刺身と霜降りの牛肉しか食べられなくなったりするなどの症状が出ることがある。 . . . 本文を読む
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パウル・シュラムによるショパンの夜想曲

2008年12月14日 | 洋琴弾き
「ショパンの演奏の秘かな愉しみ」第2弾を聴いてゐるが、多くの洋琴家の中に一人、パウル・シュラムといふどこかで聴いたことのあるやうな、ないやうな名前があった。演奏を聴くのは今日が初めてである。レシェテツキ門下で音色が美しい人だ。何度も何度も聴き返したが、実に素晴らしい演奏だと思ふ。 . . . 本文を読む
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チェリビダッケ シュツットガルト放送響とのベートーヴェン交響曲第8番

2008年12月13日 | 指揮者
今週末はバイクで山道のツーリングを愉しんでみた。奥へ入ると急に気温が下がってきて体が冷えてくる。しかし、そこで出逢う人たちは皆笑顔で接してくれる。中には取れたての椎茸をくださるおばさんも居て心は逆に暖まって帰路についた。帰宅して穏やかな気持ちで取り出したのはベートーヴェンの第8番のシンフォニーだ。 . . . 本文を読む
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レフ・オボーリンのバラード第3番 塩パンの味

2008年12月12日 | 洋琴弾き
塩パンといふ食べ物をご存知だらうか。塩味といふだけではなく、砂糖、チーズ、ミルク、ベーコンなど、塩をベースに様々な味のあるパンが売られてゐる。これらを総称して、或いはなんの関係もなくただ思いつきで命名されたパンが僕の知る塩パンだ。オボーリンのバラード第3番はそのベースとなる単純な塩味のついたパンのやうな味わいだ。 . . . 本文を読む
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天才作曲家、サンソン・フランソワの洋琴協奏曲

2008年12月11日 | もう一つの顔
フルトヴェングラーも評価してゐた仏蘭西の洋琴家、サンソン・フランソワの作品が存在することは以前から知ってゐたが、先日、三田藩主の友人Yと会った際に、こんなの聴いてみるかと借りることができた。フランソワの演奏自体が面白いので、録音さえもう少し古ければ、もっと聴いてゐただらうが、僕のコレクションにSTEREOといふ文字はあまり似合わないため聴く機会が少なかったのだらう。 . . . 本文を読む
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諾威のノスタルジックな名旋律「羊飼いの娘の日曜日」と「憂鬱」

2008年12月10日 | 忘れられた作品作曲家
「この美しさを知らない人は幸せが一つ足りない」の第2弾、諾威編だ。クリスマスを迎える時期に仕事を失い、途方に暮れる人々が大勢居るといふのに、僕は独り音楽を聴いて寛いでゐる。罰が当たりそうだが、それだけ今までに辛抱を重ねてきた貯金と幸運があったのだと考えることにしよう。 . . . 本文を読む
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クナパーツブッシュ なんとおおらかでおおまかな軍隊交響曲!

2008年12月08日 | 指揮者
1933年4月10日、クナッパーツブッシュはベルリンでスタジオ録音を行い、ハイドンの軍隊交響曲やロルツィングなどのレコヲドを残してゐる。晩年のライブでおかしくなったと思っておられる方は間違いに気付いてゐない。多分、元々かなりけったいな指揮者だったやうで、具体的に言ふと、パンツ喰ってゐるパン屋のおじさんぐらい変わってゐる。 . . . 本文を読む
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