浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

シューベルト弦楽三重奏曲第1番(メンデルスゾーン補筆完成版)世界初演

2012年12月06日 | 忘れられた作品作曲家
シューベルトには未完成の作品がいくつかあるが、この三重奏曲も第2楽章途中までしか残されてゐない。これをメンデルスゾーンの子孫、ウラディミール・メンデルスゾーンが補筆完成させたのが、今日聴いてゐる演奏である。 . . . 本文を読む

カロル・ミクリの洋琴作品の数々 世界初録音

2011年07月10日 | 忘れられた作品作曲家
カロル・ミクリの名は洋琴を嗜む方の多くが知ってゐる。ショパンの助手として最も近いところに居た洋琴家であり、ショパンの楽譜の校訂や直伝の演奏解釈に関するコメントなどを残してくれた歴史上の大恩人なのである。今日はミクリの作曲家としての遺産を愉しんでゐる。 . . . 本文を読む

アンリ・ラボーの「カイロの靴直しマルーフ」

2010年08月29日 | 忘れられた作品作曲家
ラボーといふ巴里音楽院長の手による異国情緒に満ちた謎めいた管絃作品がある。カイロの靴直しマルーフとはたれのことぞ。最近になって此の歌劇の全曲版CDが発売されたと聞く。購入して聞いてみようとは思はないが、其の人の事は気に掛かってしょうがない。 . . . 本文を読む

古風な旋律に幻惑される現代人の妄想 チャーターハウス組曲

2010年08月23日 | 忘れられた作品作曲家
ヴォーン・ウィリアムズといふ英國の作家が居て、古謡をもとに現代人に癒しの空間を与えてくれる。今日取り上げる「チャーターハウス組曲」は、前奏曲に始まり、遅い舞曲、速い舞曲、遅いアリアと続くが、中でもロンドは忘れかけた記憶を妄想とともに甦らせてくれる。 . . . 本文を読む

ホルストの美しいアリア (ブルック・グリーン組曲より)

2009年12月12日 | 忘れられた作品作曲家
冬の訪れとともに乾燥した日が多くなる。気温が下がるのは構わないが、空気が乾燥すると風邪が流行ったり、ウイルスが活発に活動し始めると言ふ。今日は、嫁さんとボージョレーを買いに出たついでに、パソコンをウイルスから守る為に加湿器を買って来た。快適な環境でイギリスの弦楽作品集のCDをトレーに入れた。 . . . 本文を読む

サティ ガルガンチュアとパンタグリュエルから3つの小品

2009年12月06日 | 忘れられた作品作曲家
日曜日の朝、爽やかな曇天のもと、サティの「組み立てられた3つの小品」を聴いてゐる。僕が始めて買ったCDである。CDには馴染めずに相変わらずLPばかり聴いて、此の1枚のまま数年間CDは買わなかった。そんな昔のことを思い出しながら聴いてゐたが、暇なのでブログのお勉強でもしやうと思ひついた。 . . . 本文を読む

デュパルクの交響詩「星たちに」

2009年10月11日 | 忘れられた作品作曲家
ミュンシュの息のかかった指揮者であり、ラザール・レヴィの弟子でもあるミシェル・プラッソンのCDには以前から注目してきた。きっかけはサンサーンスの「死の舞踏」の演奏であったが、これが極めて個性的で、しかも徹底した楽曲分析を根拠とした解釈だと直感したからだ(此の直感が正しいといふ保証は何ひとつない)。この指揮者が発掘してくる仏蘭西近代の秘曲の数々は、今では一つのジャンルを築くまでになった(ただし、僕のCDの棚で)。 . . . 本文を読む

アンリ・ラボーによる「露西亜民謡による喜遊曲」

2009年10月04日 | 忘れられた作品作曲家
フォーレの後を受けて巴里音楽院の院長に就任したのがアンリ・ラボーである。サンサーンスと同様、近代音楽への反発からより古い音楽への回帰を試みたが、当時、時流を作りつつあったドビュッシーやラヴェルらの新しい動きには勝てず、暫くして完全に忘れ去られた作曲家である。 . . . 本文を読む