浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ホセ・イトゥルビ グラナドスの西班牙舞曲

2006年12月30日 | 洋琴弾き
映画俳優、指揮者、ピアノ弾きと幅広く活躍したホセ・イトゥルビが得意の西班牙作品を弾いてゐるレコヲドがある。1956年に発売されたLP盤だ。魅惑的なおとぎの国の気分にさせるグラナドスのスペイン舞曲ハ短調とロペス・カヴァッリのOld Moorish Castleの好奇心をそそるリズムはピアニスティックな宝石のやうだ。 . . . 本文を読む

シャルル・ミュンシュ 仏蘭西国立管絃團によるライブ シューマン4番・ブラームス2番

2006年12月26日 | 指揮者
ボストンは米國には珍しく歴史と文化の香りのする美しい街だ。ここのホールは響きの良いことで知られている。その街で、ムックやクーセヴィツキに育てられ、ミュンシュ、モントゥーらとともに1960年代に全盛期を築き上げたのがボストン響だ。ミュンシュの名演の殆どがボストン響とのものだったが、仏蘭西国立管絃團とのライブも実に素晴らしい。 . . . 本文を読む

アンドレ・コステラネッツ We Wish You a Merry Christmas

2006年12月24日 | 芸能
クリスマス・イヴは我が家では特別な一日。それは正月よりもずっと大切な日だ。 毎年、1年間の平和に感謝し、その1年を振り返る日だ。イヴの晩は、必ず鳥をまるごと焼いてグレイビーソースをかけていただく。最近はツリーを飾ったりモールで部屋をデコレートしたりしなくなったが、料理だけは欠かしたことはない。鶏がらや野菜を煮込んでソース作りに取り掛かると、我が家は1960年12月23日にタイムスリップするのだ。所は米國ロチェスターのアパート2階の一室。 . . . 本文を読む

ヨーゼフ・シゲティとベラ・バルトーク 世紀の競演

2006年12月24日 | 提琴弾き
1940年4月13日、ワシントンの国立図書館にて世紀の演奏会が開催された。洪牙利・独逸の同盟締結を契機にシゲティ、バルトークの2人が米国への脱出を決意。シゲティは困窮するバルトークに何度も救いの手を差し伸べた。この日のコンサートもその一つであったのだらう。クーセヴィツキがオケコンを依頼したのも、ベニー・グッドマンが「コントラスト」を依頼したのも、すべてシゲティの心配りであったといふ。 . . . 本文を読む

ヨーゼフ・シゲティとジョージ・セル 不思議な競演

2006年12月24日 | 提琴弾き
指揮者で洋琴を弾いてレコヲドを残してゐる人は枚挙にいとまが無い。フルトヴェングラー、ワルター、ニキッシュ、ザイドラー=ウィンクラー、ロナルド、ミトロプーロスなど、最近では、カラヤン、ショルティ、バーンスタインなどがそうだった。ジョージ・セルはシゲティと同じブダペストの生まれで、セルは5歳年下になる。 . . . 本文を読む

メンゲルベルク 伯林放送響とのベートーヴェン

2006年12月23日 | 指揮者
メンゲルベルクと伯林放送響の録音がある。1939年、ヒトラーの悪政に歯止めがかからなくなってゐた時期、メンゲルベルクは独逸をたびたび訪れ、伯林フィルや放送響を振ってゐたやうだ。曲はベートーヴェンの第7交響曲。コンセルトヘボウとの名演もあるが、伯林放送響との組み合わせは非常に珍しい。新しい表現が聴けて面白い。 . . . 本文を読む

指揮者の力 フルトヴェングラーとトリノ放送響のワーグナー

2006年12月20日 | 指揮者
フルトヴェングラーの言葉の中に「下手なオーケストラといふものは無い」といふ迷言があったが、偉大な指揮者の存在があれば技術を超えた何かが伝わるといふことだらう。久しぶりにワーグナーを聴きたくなり、伯林フィルではなく、あへて伊太利亜のオケの演奏を選んだのは、その辺りをもう一度確かめたくなったからだ。 . . . 本文を読む