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Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

ドラゴンタトゥーの女(ネタバレ注意)

2012-02-20 15:03:28 | 映画


今回は、今公開している映画「ドラゴンタトゥーの女」について。

これ、なんといってもデビッドフィンチャー監督の作品なので、期待していました。僕は彼の作品のファンなので、彼の作品はとにかく無条件に観にいくことにしています(笑)。あと、主演がダニエルクレイグだし。彼は年齢を重ねていってもかっこいいですよね。あと、僕は原作を読んでいたこともあって、あの長い話をどうやって映画にしているのかも気になっていました。スウェーデン版が公開されたときに、行こうかと思っていたのですが、なんだかんだといけなくなって、そうこうしている内にデビッドフィンチャーが撮ると聞き、そちらを待つことにしたという訳です(笑)。


ここで、内容を・・・


月刊誌「ミレニアム」で大物実業家の不正行為を暴いたジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)。そんな彼のもとに、ある大財閥会長から40年前に起こった兄の孫娘失踪(しっそう)事件の調査依頼が舞い込む。連続猟奇殺人事件が失踪(しっそう)にかかわっていると察知したミカエルは、天才ハッカー、リスベット(ルーニー・マーラ)にリサーチ協力を求める。


と書いてあります(笑)。


ハリウッドでリメイクすると、なんだか大味の大作になってしまうこと多いのですが、フィンチャー監督は北欧のあの冬景色にこだわったということで、彼の得意とするスタイリッシュで、色彩を抑えた画面がこれでもかと登場します。やはり、彼は天才だなと(笑)。そして、彼の作品では久しぶりのオープニングタイトルのカッコよさ(笑)。セブンの時はカイルクーパーという人が担当していましたが、今回は違のですけど、すごくカッコイイです。ここから、映画に対する期待がどんどん膨らむオープニング。

主人公のミカエルを演じるダニエルクレイグは原作にすごく近い雰囲気でよかったです。にしても、スタイルも良くてカッコいいですねぇ(笑)。真冬ということなので、007の時みたいな露出は無いものの、ローライズのボクサーブリーフ姿を披露してくれています。あと、なんといってもリスベットを演じているルーニーマーラのすごさ(笑)。彼女はソーシャルネットワークでもフィンチャー監督と組んでいますが、今回は原作のリスベットそのままっていう感じで、すごく良かったです。この作品でアカデミーにもノミネートされていますね。

原作はとても長いのですが(でも映画も2時間35分と長いです)、とてもうまく映像化されています。ハリエットを殺したのが誰なのかという謎解きがおもしろいですよ。にしても、スウェーデンって女性のレイプや性的暴行、DVなんかが多いんですね。そして、それをほとんどの人が警察にとどけたりしないという事実があるようですよ。これってヒントですかね(笑)。

劇場でごらんになることをオススメします。原作を読んでいたとしても、十分楽しめるし、少し違うところもありますから(笑)。むしろ、読んでからごらんになるっていう方がおもしろいかもしれません。

ここからはネタバレですから、ごらんになっていない方は、絶対に読まないでくださいね。
















で、ハリエットが姿を消した理由は殺人ではなくて、逃げていたということがラストでわかります。そう、自分の身に危険がせまるから。というのも彼女の兄マルティンと父ゴットフリードからレイプされ、知らない女性を殺害することを強要されるというおぞましい過去から逃げるために失踪という形をとることにしたのが、この映画のオチ。これをおじのヘンリック(かれはハリエットのことをとても心配しています)が殺人と思い、40年捜査をしてきているのです。ここで、重要なのが、この地域がハリエット失踪の日に密室になることなんです。本土との唯一の橋の上で、大きな事故があってその橋がふさがってしまっていたのがまたおもしろくさせる仕組み。そんな状況で忽然と姿を消したから、殺人に違いないと。ここで、このゴットフリードとマルティンの狂った父子。ナチに傾倒していた父親と父から女性を恐怖で従わせる楽しさを教えられた子供という、ちょっと意外とも言えるこの背景。日本人にはさすがに理解しがたい事実ですが、大戦中のヨーロッパでは当然のようにユダヤ人にたいする迫害や、弱い女性に対する暴力は「あたりまえ」のようだったんですよね。単に、狂人というだけではすまないところ、歴史的にも深いです。一見関係のない未解決の女性殺害事件が実はゴットフリードとマルティンによって行われていたのがわかるのも、謎解きの面白さ。金田一耕介シリーズにも狂った金持ち出てきますが、それとは違いますよね(笑)。

原作では、ハリエットはオーストラリアで生きていて、大きな農場を経営していることになっていますが、この映画では映画ならではのオチがあって、ハリエットを逃がしたアニタ(ハリエットのいとこ)として、イギリスで生きていることになってました。原作では、アニタは現存してイギリスに暮らしているのす。ミカエルがアニタのものを訪れて、マルティンが死んだことを告げる場面があります。原作では、ここからアニタはオーストラリアにすぐ電話をかけるのです(リスベット達が盗聴しています)そして、ハリエットがオーストラリアにいることがわかるのですが、映画では盗聴しても全く変化が無いんです。ということはアニタは「ハリエット」だと気付く。ここら辺、なかなかおもしろいです。原作よりもいいかもって思いました。

ミカエルとリスベットが同じ事件に関わっていくのに、時間がかかるっていうのは原作を読んでいても、映画でも同じでした。原作だと上巻のラストでようやく二人が出会うのですから(笑)。

ミカエルと同僚のエリカとの関係。エリカにも旦那がいるのですが、愛人のような関係(エリカの旦那はミカエルとのことを知っています)になっています。ここが原作だとどうしてそうなっているのかが、よくわかるのですが、映画ではイマイチはっきりしないです。

そうそう、映画を観ていて気がついたのですが、設定では橋は1本しかないのですけど、橋が映る場面で奥にもう一つ橋が映っているところがあります(笑)。CGで消さなかったのかなと思ったり、気がつかなかったのかと思ったり(笑)。

このほかにも原作とは違ったり、はしょられたりしていますが、そこは原作でもいらないかもって思ったところだったので、本当にとてもうまく映画化されています。

次回作もぜひ、映像化してもらいたいです。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
クリステル・マルムはどこいったのよ!w (通りすがり)
2012-03-19 16:06:18
先日見てきました。
うまくまとまってたし、映画版ならではのオチの変化も楽しめました。
ただ、ひとつだけ不満なのは・・・

クリステル・マルムはどうしたのよ!
どこ行っちゃったのよ!あのヒゲ!?あのヒゲがそうなの!?って、ミレニアム編集部に場面が移るたび、キョロキョロしてしまいましたw

スウェーデン版では、しっかりゲイゲイしくて良かったのに!と。とても残念でなりませんw
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たしかに(笑) (tauntaun43)
2012-03-20 23:30:27
通りすがりさん。
はじめまして。たしかに、ゲイのクリステルはいなかったですね~。僕はスウェーデン版を観てないので、わからないですが原作のゲイ特有の言い回しとか、態度はおもしろかったし、キャラもよかったですよね。あのヒゲの人なのかなぁ(笑)。そう、橋が二つあったのお気づきになりました?
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Unknown (Unknown)
2012-03-24 04:43:57
2つ橋が映ってるのが
どのシーンか知りたい!
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Unknown (tauntaun43)
2012-05-07 09:57:51
こんにちは。橋が二つに見えるのは車が橋を渡っていくシーンでカメラが上に動いてくのですが、左上に木があってその隙間から、もう一つの橋が見えます。
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