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Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

マクベス(2015)

2016-06-19 12:50:19 | 映画
今回は映画「マクベス」について。



原作はシェークスピア、主演はマイケルファスベンダーとマリオンコティアール。監督はオーストラリア人のジャスティンカーゼル。

僕はきちんとシェークスピアを読んだことが無かったので、ぜひ、観てみたかった作品でした。


ここで内容を・・・




中世のスコットランド。マクベス将軍(マイケル・ファスベンダー)は、ダンカン王(デヴィッド・シューリス)に仕えていたが、戦いで勝利を収めた際に「マクベスは領主になり、王になるだろう」という魔女の予言を聞く。そのときコーダーの領主が死亡し、マクベスを領主にする勅命が下る。王座への欲望が少しずつ心に広がっていくマクベスに、妻(マリオン・コティヤール)は……。


と書いてあります。

イギリスのみならず、全世界で読まれているシェークスピアのマクベス。ネタなんてみんな知っているお話しをあえて、映像化してみせるという勇気がすごいと思ったのと、スコットランドの本当に荒涼とした風景、11世紀の雰囲気を出す衣装やセットなど、僕はかなり圧倒されました。いろんなサイトなどでは、あまり評価が高くないこの作品ですが、僕は観て良かったと感じています。


イギリスの文学、特に、シェークスピアの戯曲はセリフというだけではなく、そのリズム、押韻、があり、これを楽しむことができないと、なかなか理解が難しいのではないかと感じました。


もともと、この作品は王様の前で公演されるために長かった作品をシェークスピア自らが短くしたのではないかとも言われているようです。今のように、照明や効果音、音楽なども限られている時代に、セリフのもつ重要性というものは、現代よりも大きかったのではないかなと感じます。




僕は、この映画を観終ってから、原作の戯曲を読んでいます。そこには、やはり、言葉の選び方、リズム、などが考えられているなぁと改めて感じております。映画はいろんな扉を開いてくれるものだと、感じますねぇ。


演技でいえば、マイケルファスベンダーはうまいと思いました。王になってからの、権力にしがみつくが故にますます悪事に手を染めていく狂気にみちた演技は良かったです。マリオンコティヤールはフランスの女優さんですが、英語も堪能なのです。でも、今回は本格的なイギリス英語じゃないといけないので、かなり頑張っておりましたが、やはり、イギリス英語がなかなかむずかしいのだろうとかんじさせる演技でした。ただ、夫を王にすべく、ダンカン王を殺害するようにしむけるあたりの演技はすごいですし、しだいに精神を病んでいくすがたも良かったです。


ちなみに、本当のマクベス王は17年間も国を治めたということから、そこまでの暴君ではなかったみたいです。そして、その頃は下剋上なんか当たりまえだったようなので、このお話しのようにマクベスだけが権力に固執して、王を殺してまで手に入れたいと思っていたわけではなさそうです。


確かに、映画的なことで言えば、淡々と進む感じがありますが、原作を大事にして、その雰囲気を壊さず、現代の人たちにも共感できるように作られたこの作品は、良作と思います。


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