
今回は今公開している映画「わたしを離さないで」について。
この映画、けっこう話題だとおもうのですが、僕の住んでいる地域ではすごく小さな映画館でしかやってなくて(笑)。でも、どうしても観たかったので、行ってきました。そしたら、レイトショーということもあってなんですが、5人くらいしかいなくて(笑)。
原作はカズオイシグロ。5歳でイギリスに親の都合で行ってから、イギリス人として作家になった日本人?(笑)。代表作に「日の名残」があります。僕は彼のことをこの日の名残の映画で知りました。その人が原作だし、予告編を見るとなんだか不思議な世界観だし、期待して観にいきました。
ここで内容を・・・
外界から隔絶された寄宿学校ヘールシャムで、幼いころから共に日々を過ごしてきたキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)。普通の人とは違う“特別な存在”として生を受けたキャシーたちは、18歳のときにヘールシャムを出て、農場のコテージで共同生活を始める。
となっています(笑)。これだけだとあんまり意味わからないですよね。でも、予告編からも大体の予想がつくと思います。たぶんみなさんの予想はあたっています(笑)。
この映画は「生きる」という意味、「死」という意味を静かにしかも、力強く示している映画だと感じました。キャリーマリガンの演技もうまいし、僕は最後に静かな涙が出ました。「オーケストラ」の時のような感動の涙ではなく、静寂の涙というか、気持ちがすごく揺さぶられる訳は無いのに、すぅーっと出てくる涙というか。
でも、この世界観にうまく入り込めないと、なかなか難しい映画かもしれません。多くの人が楽しめるタイプの映画ではないと思うのです。僕は、年齢からいっても(笑)、こういう話が良いと思うのですが、場合によっては退屈と感じたりするかもしれません。
でも、日本語訳が戸田奈津子さんですからね(笑)。彼女は最近作品を選んでいますから、彼女が選んだ作品ということでも観る価値は有るかもしれませんよ。
僕はオススメする映画です。ごらんになってみてください。
ここからはネタバレですから、ごらんになっていない方は読まないでくださいね。
このお話し、実はSFなんですよね。年代は1990年代の話になるのですが、クローンの技術がすすんで、「臓器提供用」の人が誕生して、この人達は臓器の提供を行うと、自動的に「終了」つまり死ぬということになるんです。それをこの臓器提供用の人達が淡々と(でも、そこには死にたくないっていう葛藤もあるのですが)その運命を受け入れていて、従っているところが、このお話しの重要な部分。こう書くと「アイランド」と設定は似ていますよね(笑)。あっちは自分達がクローンと知らずにいて、そのご知ってしまったら、なんとか自分達が生き残るために戦う話でした。ここがなんともジェリーブラッカイマーだし、ハリウッド的(笑)。でも、カズオイシグロはそういう世界ではなく、静かな中にこういったSF的な要素をいれているのがすごいし、それを映像化したマークロマネクという監督もすごいと思いました。昔の日本映画のテイストを入れていると、言っていますから、日本人にはなんとなくなじみが深いような映像なんですね。
最後にキャシーにも臓器提供の連絡が来るのですが、そのときのシーンがとても印象深くて、好きです。あと、トミーが提供の猶予ができなかった(話の中で、本当に愛し合っているのであれば、臓器の提供が4年くらい猶予されるという噂が出てくるのですが、これがウソだったとわかります)時のあの叫び。ここは子供時代に自分がうまく表現できない時にも出てくるのですが、その伏線の張り方もうまくて、ここも切なくて、良いシーンだと思います。
こんな時代が来るとは思いません。死ぬということは誰にでもくることだし、それは避けられない。だからこそ、生きているときに何をするかが大切なんだと、感じました。
この映画、けっこう話題だとおもうのですが、僕の住んでいる地域ではすごく小さな映画館でしかやってなくて(笑)。でも、どうしても観たかったので、行ってきました。そしたら、レイトショーということもあってなんですが、5人くらいしかいなくて(笑)。
原作はカズオイシグロ。5歳でイギリスに親の都合で行ってから、イギリス人として作家になった日本人?(笑)。代表作に「日の名残」があります。僕は彼のことをこの日の名残の映画で知りました。その人が原作だし、予告編を見るとなんだか不思議な世界観だし、期待して観にいきました。
ここで内容を・・・
外界から隔絶された寄宿学校ヘールシャムで、幼いころから共に日々を過ごしてきたキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)。普通の人とは違う“特別な存在”として生を受けたキャシーたちは、18歳のときにヘールシャムを出て、農場のコテージで共同生活を始める。
となっています(笑)。これだけだとあんまり意味わからないですよね。でも、予告編からも大体の予想がつくと思います。たぶんみなさんの予想はあたっています(笑)。
この映画は「生きる」という意味、「死」という意味を静かにしかも、力強く示している映画だと感じました。キャリーマリガンの演技もうまいし、僕は最後に静かな涙が出ました。「オーケストラ」の時のような感動の涙ではなく、静寂の涙というか、気持ちがすごく揺さぶられる訳は無いのに、すぅーっと出てくる涙というか。
でも、この世界観にうまく入り込めないと、なかなか難しい映画かもしれません。多くの人が楽しめるタイプの映画ではないと思うのです。僕は、年齢からいっても(笑)、こういう話が良いと思うのですが、場合によっては退屈と感じたりするかもしれません。
でも、日本語訳が戸田奈津子さんですからね(笑)。彼女は最近作品を選んでいますから、彼女が選んだ作品ということでも観る価値は有るかもしれませんよ。
僕はオススメする映画です。ごらんになってみてください。
ここからはネタバレですから、ごらんになっていない方は読まないでくださいね。
このお話し、実はSFなんですよね。年代は1990年代の話になるのですが、クローンの技術がすすんで、「臓器提供用」の人が誕生して、この人達は臓器の提供を行うと、自動的に「終了」つまり死ぬということになるんです。それをこの臓器提供用の人達が淡々と(でも、そこには死にたくないっていう葛藤もあるのですが)その運命を受け入れていて、従っているところが、このお話しの重要な部分。こう書くと「アイランド」と設定は似ていますよね(笑)。あっちは自分達がクローンと知らずにいて、そのご知ってしまったら、なんとか自分達が生き残るために戦う話でした。ここがなんともジェリーブラッカイマーだし、ハリウッド的(笑)。でも、カズオイシグロはそういう世界ではなく、静かな中にこういったSF的な要素をいれているのがすごいし、それを映像化したマークロマネクという監督もすごいと思いました。昔の日本映画のテイストを入れていると、言っていますから、日本人にはなんとなくなじみが深いような映像なんですね。
最後にキャシーにも臓器提供の連絡が来るのですが、そのときのシーンがとても印象深くて、好きです。あと、トミーが提供の猶予ができなかった(話の中で、本当に愛し合っているのであれば、臓器の提供が4年くらい猶予されるという噂が出てくるのですが、これがウソだったとわかります)時のあの叫び。ここは子供時代に自分がうまく表現できない時にも出てくるのですが、その伏線の張り方もうまくて、ここも切なくて、良いシーンだと思います。
こんな時代が来るとは思いません。死ぬということは誰にでもくることだし、それは避けられない。だからこそ、生きているときに何をするかが大切なんだと、感じました。
確かに、アクションと派手さで言えばやはりアイランドの方が楽しめますよね。
フキンさんも、けっこう映画をご覧になっていらっしゃるようですが、最近の映画では何がよかったですか?よかったら教えてください。
またいつでも遊びにいらしてください。
蓋をすることなく、こんな映画がこれからも我々の教訓になるべく、公開されることを願ってます。
僕もこういうことが現実には起きてほしくないと思っています。だからこそ、こういった映画がtdmasyaさんのおっしゃるとおり、公開されていくべきなんだと思います。
また、いつでも遊びにいらしてくださいね。
そして、ルースが本当は猶予などないのを知っていて、教えていたりしたら余計残酷ですね。
心中しないところが、なんとも切ないです。自分の運命を受け入れるっていうところが、この小説の鍵のような気がしています。
また、遊びにいらしてくださいね。