前方後円墳の特徴に政治背景 京都・向日、寺戸大塚古墳例に

2015-09-28 19:52:22 | 歴 history
 古墳時代について学ぶ講演会「寺戸大塚古墳と大和政権」が23日、イオンモール京都桂川(向日市、京都市南区)のイオンホールで開かれた。国立歴史民俗博物館名誉教授の広瀬和雄さんが、寺戸大塚古墳(向日市寺戸町)の副葬品などを例に、前方後円墳の特徴と政治的背景を解説した。

 同古墳は全長98メートルの前方後円墳。4世紀前半の築造とみられ、大和政権と強い関係を持った有力首長の墓と推定されている。

 広瀬さんは、国内に5200ある前方後円墳の構造上の共通点を指摘した上で、「(被葬者である)政治的リーダーが全国規模で仲間意識を持ち、それを表すために同じような古墳をつくったのでは」と話した。古墳の規模の違いについては「より大きな古墳をつくることで、『うちのボスはここより勝っている』といった階層性も見せている」と説明した。

 寺戸大塚古墳の副葬品に武器や農具が多く含まれている特徴を挙げ、「政治的リーダーが集団を統治するために使っていた道具を副葬することで、『死後にもうひと働きさせる』という観念があったのではないか」と持論を強調した。

 講演会は市教育委員会と市埋蔵文化財センターが主催し、約150人が参加した。

【 2015年09月24日 10時22分 】


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