地域の歴史や風土をまちづくりに生かす「歴史まちづくり法」に基づく京都府向日市の計画が国の認定を受けた。かつて都だった長岡京の中心地・長岡宮があるにもかかわらず、隣りに「長岡京市」があるため、古都であったことを認知されにくい同市。認定による国の「お墨付き」を活用して、歴史や魅力をPRする考えだ。
「3年掛けて、ようやくこぎ着けた。長岡京遷都1300年に向けた礎になる」。先月24日に行われた記念式典で久嶋務市長は感慨深げだった。市では、2010年の天皇、皇后両陛下の大極殿跡ご訪問をきっかけに、長岡宮を中心とした「歴史まちづくり」の機運が盛り上がった。国や府の助言を受け、市民意見を募るなどして認定に取り組んできた。
計画区域は市域全体の約8割に及ぶ。まち全体が各時代の息づかいを感じさせるのが向日市の特徴だ。国からの補助は5年間で総額10億円を見込む。しかし、京都市や宇治市にあるような、誰もが知っている歴史的建造物が乏しく、観光地としての認知度は高くない。市は認知が進まなかった要因として、長岡宮跡が原形をとどめていないため実態を把握しづらい点や、情報発信が不足していた点を挙げている。
認定による具体的な事業計画には、▽約400年前の古文書にも記載がある須田家住宅(府指定有形文化財)の一般公開に向けた改修事業▽約400年前からあるとされる旅籠(はたご)富永屋の観光情報発信拠点化▽西国街道の石畳化▽重要文化財の本殿がある向日神社境内の休憩施設設置▽阪急西向日駅から史跡長岡宮、向日神社へのルート整備▽案内板設置▽回遊ルートなどを記した観光マップの作成-などが挙がっている。
今月4日には補助を活用して、JR向日町駅前広場にある光明寺(長岡京市)への道しるべとなっている石碑を、近くに整備中の憩いの場「ポケットパーク」へ移設するための作業を開始した。
市は「各史跡や文化財を保存するだけではなく、『まちづくり』の中で向日市の歴史的な魅力を知ってもらい、市民が誇りを持って住めるようにしていきたい」としている。
住民にも、訪れた人にも、「かつてここに都があった」と感じられるようなまちづくりが求められているのではないだろうか。
【 2015年03月10日 11時27分 】
「3年掛けて、ようやくこぎ着けた。長岡京遷都1300年に向けた礎になる」。先月24日に行われた記念式典で久嶋務市長は感慨深げだった。市では、2010年の天皇、皇后両陛下の大極殿跡ご訪問をきっかけに、長岡宮を中心とした「歴史まちづくり」の機運が盛り上がった。国や府の助言を受け、市民意見を募るなどして認定に取り組んできた。
計画区域は市域全体の約8割に及ぶ。まち全体が各時代の息づかいを感じさせるのが向日市の特徴だ。国からの補助は5年間で総額10億円を見込む。しかし、京都市や宇治市にあるような、誰もが知っている歴史的建造物が乏しく、観光地としての認知度は高くない。市は認知が進まなかった要因として、長岡宮跡が原形をとどめていないため実態を把握しづらい点や、情報発信が不足していた点を挙げている。
認定による具体的な事業計画には、▽約400年前の古文書にも記載がある須田家住宅(府指定有形文化財)の一般公開に向けた改修事業▽約400年前からあるとされる旅籠(はたご)富永屋の観光情報発信拠点化▽西国街道の石畳化▽重要文化財の本殿がある向日神社境内の休憩施設設置▽阪急西向日駅から史跡長岡宮、向日神社へのルート整備▽案内板設置▽回遊ルートなどを記した観光マップの作成-などが挙がっている。
今月4日には補助を活用して、JR向日町駅前広場にある光明寺(長岡京市)への道しるべとなっている石碑を、近くに整備中の憩いの場「ポケットパーク」へ移設するための作業を開始した。
市は「各史跡や文化財を保存するだけではなく、『まちづくり』の中で向日市の歴史的な魅力を知ってもらい、市民が誇りを持って住めるようにしていきたい」としている。
住民にも、訪れた人にも、「かつてここに都があった」と感じられるようなまちづくりが求められているのではないだろうか。
【 2015年03月10日 11時27分 】
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