説法石安置の経緯、詳しく紹介 向日市文化資料館

2013-05-16 16:23:36 | 歴 history
 向日市文化資料館(京都府向日市寺戸町)でラウンジ展示「日像説法石の顕彰」が開かれている。向日神社(向日町)の鳥居脇にある説法石が現在のように西国街道沿いに安置された経緯を、市内の寺院から新たに寄託された記録に基づいて紹介している。

 説法石は、鎌倉時代末期、伝統教団などから迫害を受けた日蓮宗宗祖・日蓮の孫弟子の日像が鶏冠井の人びとへ説法をする際に腰掛けた石と伝えられている。その教えに歓喜したことを表現する京都府無形民俗文化財「鶏冠井題目踊り」のように、日蓮・法華信仰が今でも根強く受け継がれている。

 同神社参道に置かれていた説法石は、日蓮の生誕700年にあたる1921(大正10)年に玉垣や台座が整備され、現在地に安置された。整備事業の詳しい経緯はこれまで不明だったが、上植野町の法華寺が保管していた記録類に事業の全容が記されていた。

 今春、記録類が法華寺から市文化資料館に寄託されたのを受け、展示を企画した。

 事業に関係した寺社や経過などが書かれた巻物をはじめ、当時の府乙訓郡長と向日町警察署長、向陽尋常小(現・向陽小)校長が除幕式で読んだ祝辞の文書、記念写真などを並べた。舞鶴鎮守府司令長官だった旧日本海軍の佐藤鉄太郎中将による説法石由来書の原文も飾っている。

 市文化資料館は「記録類は法華寺が中心となり、石塔寺や南・北真経寺も合わせた市内の日蓮宗4カ寺が向日神社の協力も得て行った事業だったことを示している。日像説法石や整備事業について広く知ってもらえれば」としている。

 6月30日まで。無料。

【 2013年05月16日 10時52分 】


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