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ぎんぐの紅茶

紅茶初心者の奮闘記

エスクァイア12月号

2007年02月17日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー
東京堂書店(@神保町)の窓に「Esquire(エスクァイア日本版)」という雑誌のポスターが貼られていた。
エスクァイアの12月号の特集は「お茶の快楽」。
これは買わなくては!

そんなわけでエスクァイア日本版の12月号を購入。
初めて購入した雑誌だけど、この雑誌は字がそこそこあって嬉しい。
広告もなかなか楽しい。
だって別世界を覗くようなんだもの。

250台限定発売のプジョー。
1つ1つ手染めのネクタイ(2万円)。
さりげなく壁にかかっている革ジャケット(30万円)。
特に心惹かれたのは、FREDERIQUE CONSTANTの機械式腕時計。
表の一部と裏前面がシースルーで中のムーブメントが見える。
美しい~。でも、男物だし約50万だしで手が出ない!
こういう時計は50万でも普通の価格(多分)なところが、別世界というかなんというか。

それはさておき、肝心のお茶特集はちょっと物足りなかった。
茶葉の種類や、産地、入れ方をさらっと流しただけ。
でも、有名人のお茶の飲み方や、老舗の名店特集(世界最古の薬屋サンタ・マリア・ノヴェッラのハーブティーが飲める、ティサネリア銀座に行きたい!)、東京&関西のお茶店ガイドは結構面白かった。

別の意味で面白かったのが、「ティーブレイクの時間割」と称したおしゃれな写真ページ(どんな感じかわかるでしょうか)。
お茶のある生活をおしゃれに描いているけど、時間割通り飲んだら茶酔いする人って結構いるような…。
ちなみに時間割によると、

7:00にダージリン。
10:00に煎茶。
12:00に鳳凰単欉。
15:00に西湖竜井茶。
23:00に千日紅。

私なら12:00で胃がおかしくなりそうだ。
何はともあれ色々と楽しい雑誌だった。

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雨柳堂夢咄(波津彬子)

2007年02月11日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー
ここ数週間はハードだったので、ブログの更新ができずにいたorz
ハードな日々が終わり、カーディガンを買おうと久しぶりにデパートに行ったら、きれいな色のものがたくさんで「春が来たー!」と感動!
紅茶の方ももう少ししたらファーストフラッシュかな?とちょっと楽しみに。
今年もマカイバリからクリスタルフラッシュが出たら、絶対に買うぞ!

またぼちぼちと更新を再開します。

この話は出版社によると「美少年・蓮が商う骨董屋に集まるいわくつきの品々が映し出す、切なく美しい人の世の不思議と感動を描きだす幻想譚。」だそうだが、要は「古いものには精霊が宿る」話。
どれも素敵な話だが、中でも私のツボなのは51話の「午後の清香」。

イギリス人が骨董屋で購入した中国の茶壺。
この茶壺には精霊(姿は弁髪の子ども)がついていた。
イギリス人は茶壺にあまり質の良くない日本茶や、二度沸かししたお湯を入れて、そのたびに精霊から「武夷山の茶を入れろ」「お湯は二度沸かしするな」「牛乳や砂糖を入れるな」と怒られる。
ある日精霊からひどく怒られたイギリス人は、何とか精霊の言うとおりのお茶を入れようとして…(以下略)

私の文では話の良さが伝わらないが、お茶好きが一度は夢見るであろう「こうだったらいいなあ」なお話なのだ。
機会があったら是非。
ああ、私もお気に入りのポットや茶壺に出会いたいー。
コメント (2)
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ダ・ヴィンチ・コード(ダン・ブラウン)

2006年04月24日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー


上の絵はレオナルド・ダ・ヴィンチ作の「最後の晩餐」。
(この小説には欠かせない絵)

これは現在、どこの本屋でも平積みで置いてあると思われるすさまじい売れ行きの本。
文庫本になったこの機会に読んでみた。
紅茶好きとして「来た!」と思ったのは以下のシーン。


被害者の孫娘ソフィー(フランス人)と事件に巻き込まれたラングドン(アメリカ人)が、友人のティービング(イギリス人)に助けを求めて彼の家まで行く。
ティービングは2人を入れる前に、3つの質問を投げかける。

「第一の質問だ」ヘラクレスさながら、ティービングは重々しく言った。「コーヒーと紅茶、わたしはどちらを君に出すだろうか」
アメリカ人のコーヒー三昧をティービングがどう思っているか、ラングドンは知っていた。「紅茶。アール・グレイだ。」
「すばらしい。第二の質問だ。ミルクと砂糖は?」
ラングドンはことばに詰まった。
「ミルクよ」ソフィーが耳打ちした。「イギリス人はミルクを入れるはずだわ」
「ミルク」ラングドンは言った。
無言。
「砂糖?」
反応はなかった。
待てよ。前回ティービングを訪ねたときに、酸味の強い飲み物が出されたのを思い出し、この質問が引っかけであると悟った。「レモンだ!レモン入りのアール・グレイ」
「ご名答」
(ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード(中)』越前敏也訳 角川文庫 113~114ページ)


3つの質問に答えた2人はティービングの家に入れてもらい、温かい紅茶とスコーンを振る舞われ、「カフェインと食べ物がもたらす心地よい効果に浸りつつ」ティービングの話を聞くのだ。
いいなあ~。

ちなみに紅茶好きとして気になったのは以下の2つ。
1.レモン入りのアールグレイとはどんな味なのか(柑橘系フレーバーティーにレモン…)。
2.ティービングにアメリカ人のコーヒー好きをどう思っているのか、存分に語ってもらいたい。
コメント (4)
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賭博破戒録カイジ(福本伸行)

2006年03月16日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー
ギャンブル漫画(麻雀ではない)の金字塔。
カテゴリーは「お茶が出てくる物語」だが、この本にはお茶は出てこない。
主人公たちが飲むのはビールだ。
だが、これほどおいしそうに飲み物を飲む話はない(言い切る)。
ビール嫌いの私が、この漫画を読むとキンキンに冷えたビールが飲みたくなるくらいだ。

この漫画では、随所にビールが効果的に使われる。
特に印象的なのは、地下就労施設に閉じこめられて完全管理&禁欲生活を送ってきたカイジ(主人公)に、わずか135mlの冷えたビール(一番小さいサイズ)がおごられるシーンだ。
ビールを前にして葛藤し、飲み、味わう。
それだけで8ページ。
ページを浪費している感は全くなく、読んでいるとこちらにもビールのおいしさがしみこんでくるようだ。

他にも違反行為にビールを使用したり、金を貸したがらない金貸しに「二人とも地下就労施設に落ちてしまったら、俺が毎日ビールをおごろう…!(地下就労施設の環境を考えると、何ともすごい申し出なのだ)」というシーンとか、名シーンがたくさんある。
ビールと紅茶では性質が違うけれど、これくらい骨太に紅茶を使った話があるといいのに。
これに匹敵する紅茶の話は、「深夜特急」(沢木耕太郎)のインド編くらいしか知らない。

とにかくこの漫画は名作だ。
単純で独自のゲームルール(だから誰にでもわかる)、話の展開、名セリフと名シーンの数々。
知能戦という意味では、デスノートに似ているところがある。
賭博黙示録カイジ(特に1~5巻の限定ジャンケン編の完成度が高い)と合わせて読むと楽しい。

ちなみに、私がカイジを知ったのは以下のサイト。
こちらも傑作。

僕の見た秩序。から、輪郭奇怪録 カイジ

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ねじまき鳥クロニクル(村上春樹)

2005年12月02日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー
「ねじまき鳥クロニクル」の日常から少しずれた雰囲気が好きだ。
先日、ホテルパシフィック東京のティー&カクテルラウンジに行ったのは、ここが「ねじまき鳥クロニクル」で出てくるからだ。
どんな所だろう。わくわく。

「わかりました。それでどちらに伺えばいいんですか?」と僕は訊いた。
「岡田様は品川の駅前にあるパシフィック・ホテルはご存じでいらっしゃいますでしょうか?」と彼女は言った。
「知ってます」
「一階にコーヒールームがあります。そこで四時にお待ちしております。よろしいでしょうか?」
(「ねじまき鳥クロニクル」新潮文庫 第1部68ページより)

そこで「僕」は彼女に指定された品川のパシフィック・ホテルの1階のコーヒールームに向かう。
実際にはコーヒールームは1階にはなく3階にある。
片側全面が窓のため、とても明るい。
また、「ねじまき鳥クロニクル」に出てくる通り、とても広い。
席と席の間がたっぷりあり、それがまた広さを感じさせる。

女は忙しそうに歩き回っているウェイターをよびとめて、ペリエを注文した。ペリエはない、とウェイターは言った。トニック・ウォーターならありますが。女はそれについてちょっと考えていたが、それでいい、と言った。
<中略>その名刺の意味についてあれこれと考えているうちに、ウェイターがやってきて、彼女の前に氷の入ったグラスを置いて、トニック・ウォーターを半分だけ注いだ。
(「ねじまき鳥クロニクル」新潮文庫 第1部74~76ページより)

実際、私はトニック・ウォーターではなくアフタヌーンティーを頼んだが、折角なので出された水の写真を撮ってきた。


好きな小説の世界に少しだけ入れたみたいで楽しかった。
写真を撮るのはかなり勇気がいったけど。

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ハウルの動く城

2005年11月19日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー
DVDが届いたので、つい見入ってしまった。
私には分からないところが結構あるが、それでも好きな作品だ。

一番好きなのは出だしのシーン。
荒れ地の魔女に追いつめられたハウルとソフィーが空中に飛び上がる所だ。
ジェットコースターで一番高いところに来た時のような爽快感を覚えるのは、私だけではないと思う。
また(私にとっては)、ものすごくうまく紅茶を入れられたときの爽快感を凝縮したようなシーンだ。
こじつけではなく、本当にそう思っていたりして(照)。
私が紅茶をうまく入れられたときは、それまでの試行錯誤や苦労もあるせいか、ほんっとうに感動するので…。

舞台が外国だからか、ヒロインのソフィーにとって紅茶は日常のものらしい。
食事を用意するときはいつも(多分)当たり前にポットを取り、茶わんに紅茶(これも多分)を入れる。
ソフィーの性格を考えると、手順が恐ろしく合理化された(?)紅茶を入れそうだ。
入れ方はとても簡単だけど味はそこそこおいしい、普段ささっと飲めるような紅茶。
ああ、ソフィーに紅茶の入れ方を教えてもらいたい…。

この休みに、あと一回はこのDVDを見ることになりそうだ。
話や各場面の美しさもさることながら、登場人物に味がある。
ちなみに私はカルシファー、夫は荒れ地の魔女(物語の後の方のやつが好き)がお気に入りだ。

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五番街を歩こう(岩館真理子)

2005年11月14日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー

五番街でのささやかな?出来事を描いた短編集。

どの話でも五番街のオープンカフェが出てくるのだが、このオープンカフェがとてもいい雰囲気なのだ。
広くて落ち着けて店の人の目も気にしなくて良さそう。
私にとって理想の喫茶店の1つだ。

またこの五番街は日本の筈なのに、外国のような雰囲気がある。
こんな町が日本にあるなら是非住みたい。

これを読むと何故かカフェで一息入れた気分になる。
それはオープンカフェや五番街の雰囲気によるところも大きいのかもしれない。
(雰囲気で読ませる漫画?)

かつて煮詰まっている時にこれを読み、カフェで一息入れた気分になっていた。
そんな数年前の思い出の漫画。


※画像はhare's photoさんからお借りしています。

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モモ(ミヒャエル・エンデ)

2005年05月26日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー
シュールレアリズム(例えばキリコのような?)の絵画のような風景がところどころ出てくる、不思議なファンタジー。
愛蔵版のモモの232ページの風景は、この話で一番好きなイラスト(?)だ。

お茶好きとして注目すべきは、文中でマイスター・ホラが主人公のモモに朝ご飯を振る舞うシーンだろう(言い切る)。

「テーブルの上には、ずんぐりした形のポットと、二つの小さな茶碗とおさら、それにスプーンとナイフがならんでいました。どれもこれも、ピカピカの金でできています。金褐色にパリッと焼けた巻パンが小さなかごにならんでいて、金色のバターの入った小鉢と、まるで液体の金のように見えるはちみつの入ったつぼもあります。(「モモ」(岩波書店・大島かおり訳)203ページより」

これらが、無機質なモモの世界にあって、殊更においしそうにみえる。
ちなみに「ずんぐりした形のポット」に入っているのは飲めるチョコレートだ。
シンプルでこってりした朝ご飯だけど、ものすごくおいしそうで食べてみたくなる。
それは訳者の力と、モモが文中でものすごくおいしそうにこれらのご飯を食べるからだろう。

飲むチョコレート・・・。
今度、作ってみよう。
ああ、また作りたいお茶レシピが増えてしまった。

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未来少年コナン

2005年05月02日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー
宮崎駿監督の有名アニメ。
私は見たことがなかったのだが、夫はリアルタイムで見ておりしきりに薦める。
だが、ビデオで見るにはあまりにも長編過ぎて躊躇していた。

だが先日、夫が 「『Yahoo!テレビ 名作アニメクラブ』 で『未来少年コナン』を購入したから見てごらん。」と言ってきた。
会員になってアニメを視聴する権利を購入すると、40話未満の場合は月2079円、40話以上の場合は3129円で一ヶ月見放題らしい。
未来少年コナンは全26話なので2079円だ。
ビデオを借りるよりはかなりお得かも。

そんなわけで、暇なときにちびちびと見たがこれが面白い。
夫によると当時は週に一度1話が放映されていたそうだが、続きが恐ろしく気になる終わり方をするのだ。
私は全部まとめて見ることができて本当によかった。

物語の舞台は「磁力兵器を使った最終戦争が起こり、地球の地軸は狂い、地震や大津波が襲ってきて、長い間栄えてきた文明はいっぺんに崩れ、世界中のほとんどの人間は死んでしまった」世界だ。
詳しいストーリーは他のところで見てもらうこととして、この世界の食料は基本的に石油で作られている。
大地が地球上にほとんど残っていないからだ(多分)。
だから自然にできた小麦粉などは、ものすごくおいしく価値のあるものなのだ。
お茶好きとして注目したのは次のシーン。

モンスリー隊長に部下が紅茶を入れて持ってくる。
隊長はそれに口をつけて言う。
「これ、おいしいわね。石油ではなくて自然のものでしょう(台詞はうろ覚え)」

この世界では、石油でできた紅茶が当たり前なのか(嫌だな)。
だが、どうやって紅茶を栽培したのだろうか。相当環境を選ぶ作物だろうに・・・。
いやいや、この無骨そうな部下がきちんと紅茶を入れたことが驚きだ。
入れ方を知っていたのか。どうやって知ったのか。
一瞬のシーンだが、疑問がぱぱぱぱっと浮かんで楽しくなってしまった。

長いが、見ごたえのある名作だ。
機会があったらぜひぜひ。

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旅の短編集(原田宗典)

2005年03月10日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー
世界各国のありそうでなさそうな話が、たくさん収められている。
お茶が出てくるのは次の話だろうか。

・このスプーンで紅茶をかき混ぜて飲むと幸運を呼ぶといわれる、スリランカはスリジャワルダナプラコッテの「幸せのスプーン」。
・エスプレッソコーヒーの表面に浮いた泡がおしゃべりをする、イタリアはミラノのカフェ。
・百杯飲めば小説家になれるかも。フランスはパリのカフェにある「バルザック・ブレンドコーヒー」。

他にも魅力的な話(品物?)がたくさん詰まっている。

・ロンドンのクロムウェル・ロードにあるおしゃべりをする恐竜の骨格標本の話。
・耳に当てるとその日のコート・ダジュールの海の様子がわかる、コート・ダジュールの浜辺で拾った貝殻(欲しい!)。
・息をひそめて見上げると星の声が聞こえる、エアーズロックに近いマウントオルガの美しい夜空。

一つの話は見開き2ページで完結しており、どの話も旅の気分が味わえる楽しいものだ。
わずか1~2分の世界旅行。
気が向くとこの本を開いては、一瞬別世界に飛ばされるのを楽しんでいる。

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