ANANDA・Cafe

独善的偏向偏執的毒舌紅茶&カフェのブログ 真実は香り高く甘くそして…渋い 良い紅茶のようにね

三宮阪急英国展―俗に言う生存報告的なアレ―

2022年04月16日 | 茶話
 生きてます。何年振りの投稿だろうか…
 gooブログは何年も放ったらかすと、背景のテンプレートを破棄されるのだが、とうとううちもその憂き目に遭った。
しかも記事を投稿せねば元には戻らないのだ。

 そのためと言っちゃなんだが、先ほど三宮阪急英国展でゲットした狩りの獲物を晒す。心して見るが良い。
リントンズのビスケットと、スコットランドの老舗メルローズからMBO(management buy out=経営陣による企業買収のこと)で独立した
エディンバラTea&Coffeeのスコティッシュブレックファストである。
なので、メルローズはメルローズで残っている…らしい。通販で売ってるからね!

 知っての通りスコットランドは軟水地域で日本の水質に似ている。
スコティッシュティはイングランドの硬水で淹れなきゃ美味しくならないハロッズやトワイニングやPGtipsと訳が違う。
日本在住ならスコットランドの茶を飲め、と言いたい(佐久周辺の浅間水系[硬度150mg/L~200mg/L]の人以外)。
ブレックファストは大変smoothで当然ミルクティ用。滑らかで癖がなく美味しい。
とはいえ案外繊細なかんじもある。ストレートでもイケるんじゃないか?

 

 でも、リントンズのブレックファストと似ているところはある。が、ミルクティーなら価格でリントンズに軍配。

 昨年10月10日、阪神百貨店のリニューアルオープンでリントンズ店舗に行き、
ゴールドとトラディショナルとジンジャービスケットを購入。
その後、仕事先のクライアントさんからお歳暮でブレックファストとショートブレッドを頂く。
凄まじい量のリントンズ紅茶がまだ我が家にあるので、今回はリントンズ紅茶の購入は無い。
リントンズも北部イングランドからスコットランドの紅茶メーカーさんなので、軟水地域だ。
日本で淹れても美味しいお茶なのだ。




UKの誇りを見せればいいと思うよ…テイラーズ・オブ・ハロゲイト《デカフェ・ブレックファスト・ティ》

2015年01月09日 | 紅茶・デカフェ
あけましておめでとうございます(すごい付け足し感)。

全国の(最近は全世界の)紅茶ファンの皆様、こんにちは!
最近、忘れた頃にやってくる、怠け者の偏向紅茶ブロガーのNirvana・cafeです♪
忘れられた頃にやってくるの間違いだった…orz
いえいえ、とんでもない、潜在殺人鬼サイコパスと死にたがり少年のエログロ猟奇愛小説を執筆してたなど、
口が裂けても言いませんよ(裂けたな、それも簡単に)。

昨年の6月に休止してしまってたテイラーズ・オブ・ハロゲイトの日本総代理店ことTRC JAPANのオンラインストア
それがこの度、12月5日から再開という嬉しいお知らせがありました。福袋は買ったかね諸君?

というわけで、この機に乗じてモジベーションをあげーの、あげたら書きーの、ということで、
しかも、デカフェでだ! そうだ、超臨界二酸化炭素法・ノンフレーバー・デカフェ・シリーズ第4弾は…

テイラーズ・オブ・ハロゲイト《Decaffenated breakfast Tea》でございます。

私がほったらかしてたんで、もうお忘れかも知れませんが、
夏だからって塩素の効いたプールに突き落とされたディルマ・デカフェに続き、
子猫山教授と共同戦線に明け暮れた、ロンネフェルト・デカフェTB…ドイツの高級品、を経て、
その次に試したのが、実はこのテイラーズ・オブ・ハロゲイト・デカフェだったのであーる。
もっとも、一番最初は忘れもしないクリッパー・アッサム・デカフェですがね…ふぁっく魚市場。

一昨年だね。ほったらかしにしてたけど、おととしだね2013年か、飲んでたの。
それはそう、2013年の多分6月とかじゃなかったかなぁ(いい加減)。
まだ開いていたTRC JAPANの通販サイトに「アウトレット」部門があってですね。
つまり凹んだ箱のものとか、賞味期限間近のものを安くご提供してくれるっていうアレですよ。
それで、2013年11月の賞味期限のデカフェがアウトレットにあったのが出会いだったのです。
ドイツの高級デカフェを頂いた私は、その風味のクセのようなものをデータ化したいのやら、
いや、まだ決定打があるはずだ、もっと美味しいはずだ、塩素臭はなんなんだ、などなど、
高級茶葉のCO2デカフェを突き詰めたい一心で悶えていたんですが(嘘っぽいぞお前)
おととしの6月、TRC JAPANのおかげで高級でアウトレットという大変な好条件に見まわれまして、

▼テイラーズ・オブ・ハロゲイト Decaffenated breakfast Tea
通常価格(税込): 1,944 円
アウトレット価格(税込): 1,000 円

形 体:ポット用ティーバッグ紙箱入り (内容量 2.5g×50袋=125g)
原材料:茶葉
原産国:ケニア
製 法:CTC
グレード:PF
抽 出:5-6 分
おすすめの飲み方:ストレート◯、ミルク◯、レモン◯

※ポットに入れていただくタイプのティーバックです。ひもは付いておりません。
個包装されていない為、粉漏れしている場合がございますが、品質には問題ありません。

特殊な二酸化炭素工法で自然にカフェインを取り除いた茶葉を使っています。
最高品質のアフリカ産茶葉のブレンドティーで、口当たり軽く爽快な紅茶です。


アウトレット価格1000円!! これを買わない手はないだろ。
ヨークシャー・ティー(赤・250g)1600円、
ハンドレッドのフルーツティ(80g)500円
などと合わせてアウトレットのみで購入。
送料は500円だが、合計量455gで、合計額3780円。100gあたり830円のコスパは上出来。
クリッパーに次ぐ、UK高級茶葉のCO2法でのデカフェ紅茶をまんまと手に入れるに至る。

 

このシリーズはダージリンを貰って飲んだことがあるが、さすがにTBの紙は漁港臭なしであった。
(この値段でヤラれたらお前の店にナンプラーぶちまけるぞおい、という勢いですがなにか?)
問題は中身である。ケニアオンリーの濃い目に出そうなイングリッシュブレックファスト。
それなりのUK風ミルクティが飲めれば上出来。

では、ビジュアルである。

  

高級ティでも基本UKはパッカーさんのお茶は、大概が紙箱に直接TBがINしてます。
外のフィルムと外箱の間に茶葉の粉が漏れだしてるのは通常運転。
(先日久々にPGtipsを成城石井で買って思い出したね、このデフォを)
もちろんテイラーズ・オブ・ハロゲイトだとしても同じ仕様。
それに引き換え、UK大手スーパーのPB系(M&Sとかセインズベリーとか)はちゃんとアルミパックにIN。
こういうとこ紅茶パッカーさん系も見習って欲しい。やってるのはタイフーとクリッパーくらいじゃないか?

ということで、早速UK高級デカフェを試してみようではないか!

袋は匂いはないが、やはり破って中身出してティーポットで淹れたいのでいつものように中身画像。
  

湯を沸かし攻略に入る。湯量160ml、分数…
おお、公式で5〜6分と書いてある。これはなかなかの実践的分数。
どうせミルクティーがデフォなんだ。濃く入れなければお話にならない。

というわけで待つこと6分。こんな抽出液が採取出来ました。
 

実際はもう少し濃真紅。赤味加えて脳内補正しといて下せぇ。濃さはいい。

さて、レビューです。

・香り
紅茶の香り、ではない。恐れていたことが起きた。塩素臭がする。
いやぁ…ディルマを思い出せる。思い出したくねぇ。
これってもしかして、茶葉をCO2で臨界抽出するとこうなるの?
それともケニアだからだろうか。いや、セイロンでもなる。
同じこの匂いがするということは、CO2法がこうなのか、という心の準備が出来ようというもの。
いや、まだ2ケースだ。統計学的に充分とは言えない。慎重に行こう…だがふぁっく。

・味(ストレート)
紅茶の味、ではない。恐れていたことが起こった。味が≒ディルマだ…
≒の意味は、濃いのと渋みがあるということ。だが、ディルマを濃くしていったという同系統臭は確実。
そして、高級ケニアという割に、例の低級ニルギリに見られる“紙の味”すらする。
しかしここで気をつけなければならないのは、UKティはミルクティが前提。
ストレートでこの茶葉を語ってはいけない。ではミルクへ。

・味(ミルクティ)
薄い。だが、まったく飲めないレベルではない…かろうじて。
ミルクの味しかしないわけではない。多分渋みが紅茶らしさをかろうじて保っている原因だろう。
1.8gの茶葉を200mlのマグでミルク入れて飲んじゃったてへぺろ、な感じ。
「カフェインは取れないわ、でも、紅茶は飲みたいわ。もう飲みたいから味にはこだわらない。ミルクティーの色してたらいいわ…クスリが切れたの、お願い私にアレをちょーらい!」
…という重篤なジャンキーだったらイケる。あ、画像上げとく。もう少し濃い目に脳内補正請う。

 

ただ、塩素臭はかなり紛れる。それだけはディルマと違うが、ここに例の低級紙ニルギリ風味が喉の奥で香る。
ケニアだよね。ケニアってニルギリだっけ(朦朧とはしてない)。

だがくれぐれも言っておく。紅茶のデカフェなどを飲む奴は確実にTeaジャンキーだ。
ノンカフェインがいいならルイボスとか麦茶とかオルゾとかいくらでも飲むものはある。しかも安い。
しかし、その味覚ではその人々は明らかに満足できなかった。
カフェインの離脱症状は逃れたが、ティータイム依存症は厳然として心身を支配している。
もう一度言おう。

「お願い…ティータイムにあの色したあの液体が必要なの…ケーキの隣にゴールデンブラウンなアレを置かないとケーキを買った意味がなくなっちゃうの…だから味とか香りとかもう我儘言わないから飲ませてぇぇぇ!」

…という貴方には飲める。もし、アールグレイでも全く問題ないなら、アールグレイ系を絶賛おすすめしておく。
上記のような救いようのないUK風ジャンキー様で、アールグレイが大嫌いなら、
そしてティークリッパーの漁港臭を厭わないなら、ティークリッパーのアッサムデカフェをおすすめしておく。
つまり、
①紅茶以外のノンカフェイン系では満足できない。
②アールグレイが嫌い。
③ミルクティーが至上。
④UKのTBのいりこだしパックはノーサンキュー
というあなたなら、これを買っても…多分…大丈夫…かな。
100g=1500円出す気があるならね。

一応ゲージを示しておくと…
ロンネ>>テイラーズ・オブ・ハロゲイト>クリッパー>>>>ディルマ
となる。だが、クリッパーとテイラーズは好みで前後するかも知れぬ。飲んでみて好きな方を選べ的な。
ロンネ独走だが、これはなかなか手に入らないぞ。
クリッパーはamazonなんかで100g=1600円(50g=860円)くらいで売っている。
まぁ、同価格帯と言えよう。

さて、半年前(2014年6月頃)に書きなぐった記事の端切れが出てきたので、これを活用して今回の締めとする。
上げようと思って忘れていた。リサイクルして憂さを晴らそう。結構書くのに時間掛かった気もする。

『最近気になってるのだが、2013年の9月頃から今年にかけて、
急に不妊や妊活系のサイトに、カフェインと不妊の相関性の記事が増えている。
1日に5杯以上のコーヒー、もしくは、カフェイン500mg以上を飲むと不妊症リスクを45%も高め、
妊娠中に1日200mg~300mgのカフェインを摂ると流産しやすくなるとの報告もある。

調べてみると、これらの研究は2004年には学会で発表されてはいたが、
これが一般のブログやニュースサイトに流出するまでに、これくらいの月日が掛かったという事だ。
だいたいにおいて、専門家の研究発表とそれが一般化されるまでには5年とかの結構なタイムラグがある。
炎症系サイトカインとオメガ3の関係とかもかなり前から聞いてはいたが、
それが厚生労働省の指標になるまでには、これまた随分時間がかかっている。

ヨーロッパ生殖医学会でも、1日200から300mg以上のカフェインを摂取した場合、
卵巣で作られる卵の質が低下する、という発表が2012年の7月にあったそうで、
このようなカフェインと妊娠の相関性についてのデータが数が揃い始めたってことかも知れない。
女性だけでなく、男性不妊にもカフェインは関わっている。
カフェイン入りのコーヒーを大量に摂取すると、精子に影響が出る可能性があるらしい。
しかし1日3杯程度までなら心配はないとされている。
逆に男性がカフェインを摂ると精子の動きが活発になるとされるので、ほどほどが良いという事だ。

女子男子ともにカフェイン中毒は多い。
そこに、安心なカフェインレスの紅茶があれば、ストレスを少なくして妊活に取り組めることにもなろう。
とはいえ、紅茶は1杯がせいぜい30mgのカフェイン量なんで、3杯飲んでも100mgには満たない。
だが、そんな量でも私には目眩を引き起こすような作用があるのだから、
人それぞれ薬物の上限量には個体差がある。慎重にいきたければ、毎日ノンカフェインという選択となる。

だから、やはり社会的なニーズにおいても、デカフェの研究や情報はあって悪くない。
デカフェに関わってここしばらくでわかったが、この分野、それほど詳しい情報が世の中に出回ってるわけでも実は無い。
ここで、俺様のような紅茶ストーカーが粘着してこうやってクソ記事書いてるのも、
迷惑半分、公共利益半分位のことにはなるかも知れぬ。』


結局俺は、レーゾンデートルを求めてる、って言いたかったみたいですよ。
回りくどすぎて恍惚とするわ。

ではまた…











子猫山准教授との共同戦線『ロンネフェルト・デカフェTB』 アトランティック・ウォールを越えろ!

2014年04月18日 | 紅茶・デカフェ
 
※アトランティック・ウォール:大西洋の壁(たいせいようのかべ、Atlantic Wall)は、
            第二次世界大戦中にイギリス本土からの連合国軍の侵攻に備えて、
            ナチス・ドイツによってヨーロッパ西部の海岸に構築された、2685kmに及ぶ広範囲な海岸防衛線。




子猫山准教授…と、そのブログ。
それは紅茶ブログにおいてのひとつの突き詰めた方法論への挑戦ともいえる。
私がその研究に出会ったのは、去年の4月であった。
今も4月である…1年後の4月である。

うおおおおおおお~!!
半年以上ブログ更新してねーじゃん!!
なにこの前回の記事の右上の2013年8月の文字?
俺、そんなに長いこと気を失ってたのか?(←急展開のアニメの常套句)
地下牢にどんだけ監禁されてたのか?(←ベルセルクのトラウマ)

みなさんすいません。ご無沙汰しております。
去年の7月から、薬局仕事の傍ら、以前からやってた自分の仕事を再開することになりました。
今も2足のわらじを履いて仕事中。さてその仕事とは? 候補は5つ。
①国境なき医師団
②ロシアのスパイ
③海外青年協力隊
④イギリスのスパイ
⑤その他

いや~気を失うにも地下牢に監禁されるにも、いろいろ事情があるんです。ええ、このとおり。

さて、月1~3で上げてた紅茶ゴシップ記事、実はこんなに体力と気力と暇が必要だったとは。
(↑知ってたよ。知ってたけどさ。これほどとは思わなかったのorz)
ストレス解消にR-18の駄文は書けても、紅茶ゴシップは書く気力がない。
つまりこれ一記事入魂の証…要するに、去年の7月までものすごくヒマだったんだよ。
やっぱよゆーの産物だよね、ストーカーって。
ノーブル且つ変態の私には優雅で閑じゃないと紅茶の記事なんて書けなかったのです。
気づくのおせーよ。

だが、このシリーズだけは完成させなければならない、という気がかりがひとつだけありまして、
それが、デカフェ・シリーズ“超臨界二酸化炭素抽出法の光と影”なのだ!!
すでにもう、キャストも落とし所も全部手中に掌握しているにもかかわらず、
気力という決定的なピースの欠落によって未完成のまま放置されてしまっていたこのデカフェ・メソッド研究。
去年の7月、夏だから♪っていうだけの理由でプールに突き落とされたディルマのデカフェ紅茶TB(クソ)。
その記事はこんな風に〆ている。

CO2法ではチェンバーに茶葉を入れる前に、蒸気で蒸して茶葉を柔らかくしてからカフェインを抽出するらしい。
そのときに浄水でなく、塩素殺菌された水道水を使ったのか?
それで果たして塩素臭がこんなふうに残留するものなんだろうか?
そして、この前評判の嘘っぷりはなんなんだ。
CO2法ってこんなもんなのか?
謎は深まるばかりである。

この現象が他でも起きているかどうか、またしても検証を続けなければならないな。
塩素臭・風味の抜けっぷり、の検証てか。なんか食指が動かねー。
美味さの検証じゃねーのな。不味さの検証って、もうやだなぁ。
しかもCO2法のデカフェはコスパ悪いんだよ。


だが、そのコスパ最悪のCO2法の検証に持って来いの、まさにどストライクなでカフェ紅茶を持って
我が闘争に駆けつけてくれた勇者が存在する。
その方こそが、今回も無駄に長いタイトルのトップと記事の文頭を飾る“子猫山准教授”、
そしてそのどストライクなデカフェ紅茶とは

ロンネフェルトである。

それは私があのいい加減な独善ジャッジで決定した『独断と偏見で語る美味い茶葉ランキング』の第3位。
『とうとう上位3位 どうせまともな記事にはなるまいと? ふふふ・・・油断は禁物だ君たち』
詳しくはググってくれ(←ウィキとかのリンクも貼らない横暴さ)。

事の起こりは、このブログに興味をもって下さった子猫山准教授の訪問から始まった。
更に、或る(人には言えない)某(悪魔的・黒歴史)論文についての討論で我々は直接の交流を持ったのだが、
子猫山准教授も紅茶のブログをお書きになられているとの情報に閲覧を試みる。
しかし私はそのブログを読んで驚愕した。
ロンネフェルトの詳細な解説ブログ…いや、これは詳細なデータ付きのカタログではないか!
それも日本では手に入らないレア物件の宝庫と言っても過言ではない。
どうやら准教授は、なんと個人輸入を行われているということが判明。これはスゴい。
それについて興味があり、質問をしてお答えいただきながらその中のデカフェの文字に気がついた。
以下、その子猫山氏のメールの一部抜粋である。

『ロンネフェルトの個人輸入ですが、某掲示板のラプサンスーチョンスレにて、その方法を知りました。
昨年中頃まで、日本で販売されているロンネフェルトの種類があまりにも少なかったので、
ロンネフェルトのファンの方の間では、個人で輸入することが一般的になっているようでした。
私はイギリスの会社
http://www.cupoftea.uk.com/
http://www.tee-kontor.net/ (ドイツ語)
に、英語でオーダーしていました。
円高時代は送料入れてもなんとか国内価格の半額程度に抑えられていましたが、
現在ポンドもユーロも円に対して高騰しておりますので、個人輸入のうまみはそれほどないというのが現状です。
日本では手に入らない、ロンネフェルトのシルバーパール、茶園ものアッサム、工夫茶、ハーブティーなどの
「珍ティー」を輸入する程度です。
ロンネフェルトにも、Ceylon Light & Lateというデカフェインティーがあります。
ただ、100g/2100円と品質の割に高価なため、おすすめはできません。
(本来、5ポンドとか6ユーロ程度で売られているものですから……)』


そこで私は思わぬ自らの穴に気がついた。
「ロンネフェルトのデカフェ事情はどうなっているんだろう?」という穴に。

なぜこのような穴が生じたのかは、私の類まれなる分析能力ですぐさま判明。さすが私。
それは“コスパが悪い高級紅茶パッカーを近年無視してたから”…orz…である。さすが私。

そう、あのドイツのパッカーなんだから当たり前にあろうはずのロンネフェルトのデカフェ。
既出の氏のメールにもあるように、《Ceylon Light & Late》というものがある。
これはUKデカフェの調査時にネット上でたまに目にしていたと後から思い出した。
そう、子猫山氏もご指摘の通り、コスパが圧倒的に悪い。
100g/650円~700円とかいうレベルをシノギを削って勝負してる私に100g/2100円は目に入らないです。
目に入れたら痛いわ(笑)。そんで爆走スルー。
で、以下ワタクシの返信。

『ロンネフェルトの個人輸入の件、ご紹介頂きありがとうございます。
5~6年前より、だんだんと通販で扱う種類が少なくなってきてましたよね。
私の好きなイングリッシュブレックファストもリーフの扱いがなくなってしまいましたが。
>現在ポンドもユーロも円に対して高騰しておりますので、個人輸入のうまみはそれほどないというのが現状です。
うむむむ。確かに安倍政権になってから急激な円安ですもんね。
しばらく国内パッカーの商品を開拓しますか…。内需拡大のために。
ただし、ロンネのデカフェは盲点でした!ご指摘いただきありがたいです。
これだけは、デカフェ道の追求上いかせていただきます。』


超臨界CO2法の問題を追求しなくてはならないこの時期において、この情報は貴重である。
そのメソッドは美味しいのか、それとも根本的にダメなのか?
それともパッカーに差があるのか?
ディルマの記事をお読みいただいた読者諸氏にはこの気持ちお分かりいただけると思う。
よし、このコスパの荒波をかぶりながら、このロンネのレビューをしてみるしかないな…と、
珍しく経費を掛けようとほんのり思い始めた時に、その奇跡は起きた。

ある春の日の午後、コスパのいいクソアッサムを飲みながらのほほんとしていると、
急電が入ったと秘書(←マイPCの中古富士通FM-V君)が連絡してきた。
以下急電内容である。

お久しぶりです。 子猫山です。
先日ロンネフェルトの個人輸入をしたときにデカフェのティーバッグを入手しましたので、
デカフェ研究の一環にと思い、今回メールを差し上げた次第です。
前回お話しした「セイロン ライト・アンド・レイト」は、私の購入した店では扱いはありませんでした。
海外製紅茶の中ではわりと飲める品物を出しているロンネフェルトですが、
数百種類ある中には、思わず壁に叩きつけたくなるような味のお茶というのも存在しておりまして、
今回のティーバッグも、もしかしたら漁港臭漂う恐怖のお品物かもしれません。
では郵便にて送ります。


ぐあーーー!! なんということだ!
奇特にも程がありますぞ子猫山准教授!!
すぐさま返信を打つ。

ロンネフェルトのデカフェTB…たぶん今、わたし的に研究対象として最もホットなデカフェ。
デカフェの聖地ドイツの本格的超臨界二酸化炭素抽出デカフェを飲める日がとうとう…
ありがとうございます。感謝にたえません。感慨無量です。
実は、超臨界二酸化炭素抽出法のデカフェで美味しいのは全部アールグレイだった
ということにふと気づきまして。
美味しいノンフレーバーのCO2法デカフェは存在しないのか?
CO2メソッドは、紅茶の風味を残すのに最も適してるというのはガセネタなのか?
…という疑問と只今格闘中なのです。
それを検証するのにこのロンネフェルト・デカフェは最高のキャスト。
もうドハマリ過ぎて、子猫山様がテレパシーでこの状況をキャッチして下さった気すらします。
黒歴史バンザイ!(←最後はイミフ)


そして、すぐさま郵便が届いた。早かった。こんな仕事できるんだ日本郵便。
そして、すぐさま開封…その中身が凄まじかった。

 

これが緩衝材って、どういうことでしょう?
ロンネフェルトのアソートTB。20個以上あった。全種類違うんですよ! これが!
紅茶、緑茶、ハーブティ、ルイボスなどとにかくTB全種じゃないんですかね。
そしてその中から現れたのが本体のデカフェ。

 

もうそのままさっそく箱を開けてみた。

  

ドイツのTBの箱って紅茶もハーブティもこういうギミック多いよね。
箱のまま置いておいて、下から抜くっていう「タワー型」パッケージ。
湿度高い日本に住む日本人としては、箱は密閉しておきたいんだけど…いいなぁ、乾いた欧州。
でも一個一個ポリ系の袋(香りを逃さない特殊フィルムらしい)にパックされているからその心配はないんですが。
このデカフェTB、ドイツの通販サイトでは25P(37.5g)4,55ユーロ(=640円)で販売。
この価格なら毎日飲んでもそんなに懐は痛まない。だが輸入されたら3倍~5倍と思われる。
(ちなみに日本のロンネフェルトの通販サイトでは、同じ25PのダージリンTBが税込1616円也)

早速もう飲んでみる。開封したら試飲一択だぜ。
期待と不安に胸踊らせて試す、初ドイツCO2法デカフェ紅茶。

箱書きには1.5gとある。葉っぱはこれ。

そしてTBの浸出時間にはあるまじき4分の文字。
本気だロンネフェルト。CO2法は風味が抜けているので、パンチを出すにはこれくらい掛けないと。
しかし1.5gってのは控えめな数字だ。でも他のアソートも全部1.5gだからこれがTBのデフォ。
1.5gだから150mlぐらいで勘弁してやるか。
というわけで、TB付き、TBなしを同時に2カップ、150ml・4分で浸出する。
さあ、ディルマの二の轍を踏むか、それともクオリティーと企業努力で持ちこたえるか?

4分を待ち、蓋を開ける。思ったよりかなり水色が濃い。ぶらっく。まるでUKご庶民紅茶。
 
さて、匂いを嗅ぐ。弱いが、紅茶の香りがある。やはりほんの少し塩素の香りがする。
これは…まさかCO2の匂いなのか?(←CO2に匂いがあるなら、自分の呼気が塩素臭いわ)
まぁ、調べても無臭とか炭酸ぽいくらししかない。塩素臭いのは塩素の匂いだろう。
だが、気になる程ではない。プールに連れていかれた気にはならない。せいぜい水道水程度。
おお、自宅の洗面所くらいなら移動してやらんこともないぞ。
まずい喫茶店の浄水器通してないお冷の方が臭い。
さて、ストレートで一口飲んでみる。

いままで飲んだノンフレーバーのCO2法のデカフェでは一番美味しい。飲みやすい。
ジクロメデカフェには味も風味も及ばないが、香りが残っているし、風味はそれなりに温存され、
温度が下がり始めると良い渋みと甘味が出てくる。
飲んでしばらくすると、後口がやけに甘い。良い葉っぱだと思う。
TB有りも無しもさほど変わらないのが嬉しい。
ほんの少しだけTB無しの方が甘さと風味が1割強になってる程度。
ドイツ人良い紙使ってるな。日本の紙クオリティ。
さすがロンネフェルト。ドイツ人の会社だねぇ。

多分セイロンとアフリカ系のブレンドだと思う。マイルドさにケニヤ臭さが若干漂う。
濃い目に淹れたらミルクティーもいけそう。でもTBは確実に2個要るな。2個で200ml。
硬水で淹れたらもっと味が変わるように思う。

ロンネ>>クリッパー>>>>ディルマ

だが、CO2法に共通する傾向は確実にある。塩素臭。これは多かれ少なかれある。
そして、茶葉の質、茶葉の種類にも問題の所在があるようだ。
というのがロンネフェルト・デカフェを飲んでわかったような。


さて、そんなこんなで、浮かれていたところ、子猫山准教授から思わぬ情報が入った。
以下、メールの抜き書きである。

私の注文するドイツの店には、日本に入ってきている「セイロン・ライト・アンド・レイト」がなかったものですから、
(その代わりイギリスの店にはあるのです……)
ティーバッグのデカフェをお送りすることとなりました。
ロンネフェルトの特徴としまして、名前が一緒のもの
(レッドベリーズ、ウインタードリーム、イングリッシュブレックファストなど)でない限りは、
ティーバッグと紙袋売りの品物の中身が違うものだそうです。
アールグレイも、紙袋売りとティーバッグでは内容が違います。
なので、デカフェのティーバッグが日本に入ってきてないこと、日本のアソートから外されていることを考えると、
もしかしたらティーバッグの方は、溶剤抽出法をとっている可能性があります。
webで検索した限りですと、セイロン・ライト・アンド・レイトの方は確実にCO2法だと言えるのですが……。
でも、Nirvana・Cafe様がCO2法に共通する問題を抱えている、とおっしゃるのだから、
おそらく今回お送りしたデカフェもCO2法であろうと思います。


…な、なんと。
もしかしたらこれ溶剤抽出かも知れぬ?
うおー、また早とちりかよ! 希望的観測が現実と混同されている例のヤツ?
それにしてはCO2メソッド臭がハンパないんだが。
ジクロメでは無いと思う。あれだけジクロメ抽出を飲みまくったら、違うことぐらいはわかる。
するとこれ…まだ見ぬ「酢酸エチル」なのか?

日本語・英語・ドイツ語のグーグルサイトをかなりの濃度で検索したが、
このTB、カフェイン抽出法についてヒットしやがらねぇ。
そして、このTBデカフェ、本気で日本には入ってきてないようだ。
日本語のサイト、ブログ、ネット通販、ひとつも引っかからない。
ドイツ、イギリスなどのヨーロッパ圏にはあるのに。
というわけで謎は深まり、また返信。

…さて、子猫山さんのおっしゃるとおり、日本向けのアソートから外されているということは
有機溶剤系の可能性が十分ありますね。
私もwebでいろいろ調べては見たんですが、このデカフェTBに関してはメソッドの情報がなく
セイロン・ライト・アンド・レイトははっきりとCO2法と書かれている状況ですよね。
ただ、ドイツは(コーヒーのデカフェのケースですが)有機溶剤はジクロメではなく酢酸エチルが主流みたいですので
味がイギリスのデカフェと違うんでしょうか。CO2法のデカフェに似てるんですが。
これも想像ですので、ことの真偽はロンネフェルトに訊かないとわからないようですね。
もう、すっかり「ロンネのデカフェは全部CO2」という先入観が…いつものことですが自分が恐ろしい!
ツッコミいただき、感謝です。
最近ニュースでよく報道されている、印刷会社の換気不足で胆管がんになったという訴訟の原因物質が
実はイギリスのデカフェの溶剤のジクロメだったりするんで。
ジクロメは低温で完全に揮発するから濃度が全然違うんで問題ない(by英国紅茶メーカー)…らしいですが、
毎日飲むとするとあまりよろしくないのでは?という昨今です。
せめて酢酸エチルのに変えたいです。けっこう切実。

今回子猫山さんのメールで知ったセイロン・ライト・アンド・レイトは、CO2法でしかもリーフのデカフェという、
私の探し求めていた理想のデカフェだということがわかったんですが
お値段高~い(笑)
しかも日本のサイトはなにをどうこじらせたのか
「酸素でカフェインを抽出」とか「真空で抽出」とかあって
あまり超臨界二酸化炭素抽出法という記述が見られないのはなぜでしょうねぇ(笑)
酸素では抽出してないし、真空はプロセス的にCO2を注入するまではチェンバーの中は真空ですが
二酸化炭素入れた時点でもうそれ真空じゃないし(笑)
子猫山さんのおかげで、いろいろとネタ的にも面白いことになってます。
“真空”の件は調べたんです。勉強になりました。ありがとうございます


だが、ここから怒涛の子猫山准教授の追撃が始まる。
以下、その序章である。

CO2メソッドにつきまして、私ももやもやしているので(笑)、
思い切ってティーバッグを購入したドイツに問い合わせてみることにしました。
ロンネフェルトは、環境や添加物に配慮した企業で、情報開示もはっきりしています。
そのあたりの事情は、ゴールドマイスターを持つ店には、あきらかにしていると思うんです。
ドイツから返事が来次第お知らせしますので、しばらくお待ちください。


なんという勇者! あのレオパルト2を率いるドイツ連邦軍と一戦交えてくださるとっ!
外国語音痴で、読み解きこそすれ、コミュニケーションは勘弁して下さいという私のようなヘタレを
子猫山氏が援護射撃ではなく最前線突入してくれるという…なんという特攻野郎Tea-TEAM!
みかんさん、無謀な人が一人増えちゃったよ…(え? 仕方ないですか。ではあとで役どころを確認しましょう)
こうしてドイツ戦線の火蓋は切って落とされた。

そうこう言ってるうちに、その最前線から電報が送られてくる。

先ほどドイツから電信受信。

Unfortunately we can not answer your request promptly.
We will inform us in the coming week and you will promptly reply to your question.
(不運にも、私たちはあなたのリクエストに速やかに答えることができません。
私たちは次週に私たちに通知するでしょう。また、速やかに質問に答えるでしょう。←エキサイト翻訳)

今週内に結論は出ず。
先方も調査中。待たれよ。


子猫山大尉(やはりここはH・M・マードック大尉だろう。俺ハンニバルだし)、
見事、夜戦にて先制攻撃に成功! しかも暗号文で作戦が漏れないようになっている。
きょうび、暗号文もエキサイト暗号翻訳という素敵なサイトのおかげで解読は自由自在。
ドイツの店ならドイツのロンネフェルト事情にも詳しいだろう。

と、その日の作戦行動は予定以上の成果で終了。
だが翌日、事態は急展開を迎える!

ドイツ軍急襲だ。
予想を越える速さで、子猫山大尉からの急電が入ってきた。

急告。ドイツから返答アリ。

Today we would like an answer to your question.
The Teavelope Decaffeinated tea is made with the CO2 method.
(今日は、あなたの質問への答えをしたいと思います。
Teavelopeカフェイン抜きお茶は、CO2排出の方法で作られています。←グーグル翻訳)

ロンネフェルトのティーベロップは超臨界二酸化炭素抽出法にてカフェイン除去が確定。
これにてドイツ戦線においての作戦行動を終了する。


キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!

やはり、CO2法だった! こんなに早く情報が入手できるとは!
メール画面を何度も読み返しながら、子猫山大尉の狙撃の手腕にしばし感慨にふけった。
さながら海を越える紅茶ストーカー。私の上を行くこの執念の追撃にはかすかな敗北感さえ覚える。
そして、防戦から一転して速攻に転じるその速さはさすが合理的なゲルマン人。
敵ながら天晴れな応酬だった。ドイツ軍ならではの統制の取れた命令系統。
暗号解読機をエキサイトからグーグル翻訳に変えての俺様の英断も見逃せない。

そしてやはり、この独特の風味は思ったとおりCO2メソッドだった。

そして、あることに思い至る。
もしやこれ、1面スクープなんじゃね?
だってありとあらゆる思いつく限りの検索掛けて(たぶん私だけじゃなく子猫山准教授もweb調査してくれたと思う)、
日本語サイト・海外サイト、どこ見てもこのTBのカフェイン抽出法の明確な説明が一切ない。
つまり見た限りではこれってお初の情報なんだよね。
ああ~! とうとう世界初、来たかも~!?
するってーと、もしかして海外からの調査でこのブログがヒットするってこともあるんだよね?
ここにしか無い情報じゃんそれってば。

ここに至り、そんなことを考えて、これはぜひ英語で検索に引っかかるようにしておかねば…
というわけで以下、このTBが手に入る諸外国の皆さんのために英語で記載する。

Ronnefeldt Teavelope Decaffeinated tea is made with the CO2 method.
Ronnefeldt Teavelope Decaffeinated tea is made with the supercritical carbon dioxide extraction method.

ヒャッハー!!

…とかなんとか浮かれてる場合かよ。
これって子猫山准教授のお手柄だよね?
これ横取りしていいんですか、いいんですか、ほんとにいいんですか? という私に、
「この記事を書き上げ、そして本土に拡散するのが君の役目ではないのか?」
というお言葉を私に投げ、そしてゴシッパーが唯一勇者になれる舞台を用意して去っていくって…
子猫山准教授~!! どんだけ男前なんすか~!

だが、その発揚のお言葉も虚しく、運命のいたずらかはたまた紅茶業界の陰謀か、
このやり取りをしていたそのまさに7月のとある日に、新たなミッションへと向かわねばならなくなったのだった。


監禁か、隔離病棟でも入れられたか、月日は流れ…
4月じゃん。なう。


というわけで、このたび草稿のままずぅぅぅぅぅぅっと気になってたこの記事を完成させようと思い立つ。
なぜかというと、ヒマができたから。という単純明快な理由。
つまり、ノーブルで繊細な僕の心に、このプロジェクトを完成させようという余裕が出来たのだ。
これも神の采配と言えよう。

とにかく、完成が遅れたことは快く戦果を譲って頂いた子猫山氏には平謝りせねばなるまい。
あれだけ浮かれまくってこのザマかよ…まあ、確実に俺様クオリティではあるんだが。

…ごめんなさい。早く完走しますorz。



だがこのあと、われわれを第二次ドイツ戦線が待ち受けているとは、
この時点で誰一人予想だにしなかったのである!

つづく~っ!?



P.S.
日本には一切輸入されていないと思ってたこのロンネフェルトデカフェTB。
実は今回のリサーチで、まるふ商店という通販サイトで唯一扱ってたことを発見。
でも“只今品切れ中”。1458円也。










近況…っていってもひたすら安いアッサムのレビューに終始してるだけなんだが…

2013年08月25日 | 紅茶・アッサム
暑すぎて、まとまった記事を書く気力もなくなったいつものNirvana・cafeですこんにちは。
なぜか真心ブラザースのSUMMER NUDEを山Pがカヴァーしてる今年の酷夏。
せっかくなんで桜井さんじゃない山下くんのをYoutubeで聴いたりしてます。
最初は「うう…下手過ぎて可愛いくらいだね」とか思ってたんですが
もともと好きなCHOKKAKUのすげぇ編曲とかのせいか、だんだん「これもアリか…」とか洗脳されてます。
いや、どうせ桜井さんも上手いタイプのボーカルじゃないしな。
この曲の入ってるアルバム買ったのってもう15年も前の事だっつーのが驚く。
『I will Survive』っていうんですけどね。いいアルバムなんだこれが。
一番好きなのは『メトロノーム』っていう曲なんすけどね。
私には大いなる存在に呼ばれて独り道(タオ)を行く前にいままでありがとうな歌に聞こえてならない(←イミフ)。
泣けるね。
歌詞なんか載せたらじゃすらくさんが来ちゃうんで載せません。

さて15年前って何してたっけ?って思うんですが、1998年の私はモスクワに行ったりしてましたな。
んで、ロモノーソフの茶器セットとかモスクワから東京に運んでましたな。
このころなんの紅茶飲んでたかもうすでに覚えてません。
これより前のことはおぼえてるんだがなぁ…


さて、近況といえば、デカフェしか飲んでるわけではなく、フツーの紅茶を飲んでるんですが
最近、本気で安いもんしか飲まなくなってきてて。
もうね、気持ち的に「普通飲みは100g/400円以下の茶葉で十分」
…っていう。
去年1年かけて、UKのご庶民ティーに突っ込んで飲んできて思った。

イギリスの茶っぱは本当に安い。クソ安い。

庶民の紅茶はグラム1~2円が妥当なんだと思い知る。
オレ様は生まれつきノーブルでも現在掃き溜めの鶴庶民だし。
やっすい茶葉でも上手くブレンドすれば、欠点をカヴァーして有り余る美味しさになるわけで。
掃き溜めに降臨したおかげでブレンドの技術が向上。捨てたもんじゃねーな。
それからイングランド地元では激安のUKご庶民ティーを有難がって4倍の値段で飲むのも飽きた。
正味その値段で飲む価値のある紅茶ではない。飲んでわかった。
だってクソ安い茶葉でも適当に自分でブレンドして飲めば、UK紅茶並みに安くて自分好みで美味いもん飲めるし。
山Pのサマーヌードに慣れてしまうオレ様のいい加減な感性はここでも健在。

そんな昨今のアッサム・ジプシーの軌跡を暑いから適当にご紹介するっていう適当な企画です。
でも情報量は案外詰め込んでるぜ。


▼成城石井PBアッサムOP
そうそう、今年の夏はゆえあって成城石井のPB紅茶買ってます。
阪急夙川駅で乗り換えるのが敗因だろうと思われる。ホームに店舗作るなよ。迷惑だ。
アッサムがわりと良かった。店頭値段は130g/629円=100g/483円…いいお値段だ。でもうちでは上級茶葉の部類(笑)
通販ではこれを725円で販売。特価でも525円送料で持ってかれる。これでは元は取れんのう。店頭価格が勝利!

撚りが固くて、茶葉が重い。フルリーフのOP。故に抽出は必ず長めの5分がおすすめ。
3gで160mlではストレートはまあいいが、ミルクでは残念ながらちょっと薄目なので、ミルクにするなら4gが良いだろう。
香りは多少垢抜けないが、アッサムらしいわずかな紫蘇風味と今流行りのモルティーぽい感じが折衷している。
ミルクにしても香りがヘタらないからこの値段にしては上出来。
味は甘みもコクもあって、クセがない。喉越しもいい。普段飲みの値段の割に、軽いおもてなしも出来る頑張りを見せてる。
成城石井PBならではのコスパを感じるね。


▼バナスパティー茶園 アッサムOP


そう言えば、ずいぶん前に飲んだえいこく屋のバナスパティ茶園のレビューが原稿のメモの中から出てきた。
バナスパティ茶園はマカイバリと同じでバイオダイナミック農法を採用している。有機紅茶の中では安い。
80gで630円。以前のコスパだったらこれで十分だと思った。あの頃が懐かしいぜ。
まとめる気合がないから、ここに貼っとくわ。
では以下レビュー。

香りはカカオに似たマッタリとした香り。中に赤シソの香りがまぎれてる。
ほんのりタバコのトルコ葉の香りがする…多少スモーキー。ゴロワーズ系
フルーティというよりチーク材を思わせる重めのウッディな香り。

香りに比べてすっきりした味。少し酸味、渋みは少ない
ほんのり甘く、しっかりしている。喉越しがよく、ストレートでもイケる。
ミルクを入れるとカカオ風味がチョコレートキャラメルっぽくなる
甘さが出てくる。わずかにリキュールが香るような揮発性の香り
ミルクは入れすぎない方がいい。コスパの良い、個性のある良品。


▼フルーティヤ アッサムFOP&CTC
アッサムの安い奴はなんだかかれこれレビューもせずにけっこう飲んでる。
フルーティヤっつードライフルーツの会社。ドライフルーツが好きすぎてお茶はおまけで購入したら、それなりに飲めた。
100g/300円のアッサムFOPは値段以上だと思う。
アッサムってわかるし。それ…大事ですよね。
巷には、け…けにや? とか、せっ…セイロン?この野郎! というアッサムはかなりある。
フルーティヤのCTCはケニヤ寄りのアッサムだったね。青臭いやつ。安いのにありがちな。
で、くそ真面目にはるか昔にレビュー書いてたのをまたしても発見。
以下レビュー(ここは古代遺跡の発掘現場かよ)。

・アッサムCTC

香り
グリニッシュ 。モルティでも赤シソでもない
ケニアに近い。

渋み→酸味→渋み。かすかに甘くボディはストロング。
冷めれば冷めるほど渋みが増す。
ストレートには向かない。

ミルクを入れる。
ボディのあるミルクティー香りはあまりないがイギリス庶民紅茶みたい
青くささ。渋みがまるごとコクに。コッテリした脂肪の多いミルクティーに感じる。
甘味も香りもそれほどないわりにミルクが異常に映える。
ジャージー乳入れたみたい。
茶殻にかすかにシソの香りを感じるのでアッサムではある。
が、立ち位置はケニアにかなり近い。

せっかくなんで、FOPもレビューすっか。こっちのほうがお勧めです。
普段飲みのアッサムとしては大変いいコスパ。

・アッサムTGFOP1…!!→Tippy Golden Flowery Orange Pekoeだぜ!!!

香り
モルティーな重い木調の香りの中に、華やかさのあるかすかな赤紫蘇っぽい香りがブレンドされ
100g/300円とは思えない香りではある。全体的にそれらが劣化した感じである。
そこが100g/300円なんだろうが、それはそれでいいと思える。
場末のスナックに、え~まさかの割とイケてる色っぽいねーちゃんがいた…の感じ。
(なんつー比喩だよ。)

ストレートで飲んでも華やかさがあるアッサムの味がする、もう満足だ、君は頑張った。
100g/300円でこれはないというほどの頑張りだ。ゴールデンはやはりゴールデンだ。
渋味があるが、気になる程ではない。ミルク用に3gで160ml、5分置いたからだろう。まったりくる。
ストレートで飲みたかったら4分にすればいい。
だが、3分は足りない。値段通りのアッサムに似た茶葉になるので負け。

ミルクを入れると、コクの中にやはり香りの華やかさが残る。
渋味がマッタリに変わって水っぽさは欠片もない。
甘みまで感じる。モルティーな感じはカルアミルク的な風味を若干添加。
だからといって上品な華やかさじゃなくて、庶民的なやつね。
クラシックじゃなくてジャズとか。能じゃなくて歌舞伎とか梅沢富美男(←ねーちゃんですらないが)。
絶対君を100g800円のとかと比べたりしないから安心して。
でも、成城石井のと比べても、それなりに不味いわけじゃない。雰囲気の違い。


日東紅茶 ロイヤルミルクティーブレンド


さて、来たよ。日東の謎のCTCアッサム。
間違っちゃいけない。例の粉末インスタント紅茶風飲料じゃないからね。袋が違うでしょ?
なにが謎かって、公式のHPに商品の影も形もない。
そして初めて見たその店は関西スーパー。略して関スー。
またしてもスーパーの紅茶買っちまったぜ。
っつーか、これが誕生日のプレゼントだった…って以前アーマッドのデカフェの記事で書いた。
値段は150g/398円というお値打ち品。

これがさ…最初に購入したロットはお値段以上に美味かったんだけどね。
リピートしたらお値段通りになってた。
賞味期限が違うので、違うロットなんだろうが、初めて買った時のが大変おいしかったので
「あーもーめんどーだから、これでアッサムジプシーやめよーかなー」とか思ったんだが、
さっくり無くなって、いそいそとリピしたら最新ロット→「え…中身違うくね?」という(笑)

茶葉の新鮮さも違うし、CTCのカールも少し違うような?(←がっかりした勢いで見た目も違って見える)
低級アッサムにありがちな若干の古びた埃臭さ&ケニア様の匂い。
あのフルーティーで新鮮で甘い系の香りはいずこに?
円安でランク落としたのか日東。最初に買った時の感動を返せ。
淹れた時のパンチは「ロイヤルミルクティーブレンド」って言ってるだけにそんなに変わらないが、
でももっと香りが良かったんだよ。へぇ~ってくらい。

まあそれでも不味いっていうアッサムでも無いので、普段飲みにはこれで十分です。
フルーティヤのCTCよりは美味しい。まあ、好みがあるでしょうが。

この紅茶、袋の横に「美味しい淹れ方」が書いてあるんだが、
珍しく、4g・160ml・4分…という日東のスタッフの気合の入れよう。
これでかなり濃厚になる。ロイヤルミルクティーブレンドだから当たり前だが。

その通りにいれると、酸味、甘み、渋味がバランス良く、ミルクで頂くと濃厚でコクのある風味になる。
いま流行の「モルティでキャラメル風」の路線。煮出してチャイにしたら申し分ないだろう。
香りに青臭さが無いので飽きないで飲めるし、気負いがない。
濃く入れてもモタっとしないのが舌が飽きないのかな。

まあ、関スーに行ったら見てやって下さい。関東の人ごめん。
ちなみにググっても、ほとんど情報は出て来ません。
前はセブンネット系やイトーヨーカドーの通販サイトでも見かけたのに、
今はリンクのモグナビのクチコミサイト及び、ブログ記事1件、以上2件で終わりです。
俺様が記事アップしたので、これが一番詳しい記事になること請け合い。
またマイナーな茶葉をレビューしてしまった…(こう、五右ェ門が斬鉄剣でヘリコプター切ったみたいな感じでヨロ)
だがこのアッサム記事いったい誰得!?





ノンフレーバーは魚港ならぬプールサイドで! 超臨界二酸化炭素法《ディルマ・カフェインレスティーTB》

2013年07月10日 | 紅茶・デカフェ
いつのまにか梅雨も明けちゃった最近の神戸です。
前回も書きましたが、6月はいろいろありまして、すっかりご無沙汰しておりました。
パトラッシュに「疲れたよ」とか言いたかった6月。
替わりに旦那に「疲れたよ…眠いんだ」とか言ってました。
そういう時、うちの旦那は「寝ればいいじゃないか?」とか言います。
まあ、冬山でもないので、さすがに「寝るな! 眠ったら死ぬぞ!」なんてことは言われません。
幸せなことです。
誤算は、紅茶を買うはずの資金が、医療費に消えていってしまったことでして…
まあ、そんな業病に罹っているわけでもないのですが、季節の変わり目はアレですな。
その上、夫婦で6月末から7月8日まで風邪引いてました。
漢方とハウスのマカでなんとかフィニッシュ。小柴胡湯効いたね。
夏風邪は治りにくいっていいますが、ホントですね。
皆様もくれぐれもお気をつけ下さいませ。


さて、話は本題へ。
以前デカフェの、カフェイン除去方法についてwikiコピペ&デカフェ紅茶通販サイトの記事で怠慢なレポートをしましたが
怠慢なレポートはやはり怠慢さが災いして、そのあとガッツリ調査しなければならない破目になりました。
どんな情報も鵜呑にしたりせず、無意識にやらかす希望的観測とか妄想とかをしっかり排除して
明るいネット情報生活を満喫したいものですな。

ジクロメ問題もさることながら、
その怠慢なレポートの中でもうひとつ、気になることがあってですね、
それはなにかっていうと、この件なんですが…

『この超臨界二酸化炭素抽出法によるカフェイン除去は、風味も落ちにくく安全性が最も高い方法と言われています。』
『紅茶の味、香り、茶葉の形状にあたえる影響が少ない。』
『この超臨界二酸化炭素抽出法でカフェインを抽出した紅茶は、紅茶の香りや味が損なわれにくいのが特徴です。』

というデカフェ紅茶販売各店の謳い文句なのです。

超臨界二酸化炭素抽出法…つまりCO2メソッドって言われるアレです。
ワタクシこのCO2メソッドのデカフェ紅茶を過去4種類飲んだことがあるのですが
3つは記事にしてます。
「クスミティー・アールグレイデテイン」と
「クリッパー・オーガニックデカフェ・アッサム」
「アーマッド・アールグレイ・デカフェ」

クスミティーのデカフェはアールグレイで美味しかったです。
これが私をデカフェに開眼させたエポックなデカフェでした。
クリッパーのデカフェはCO2メソッドではお初のノン・フレーバーでした。
無漂白のティーバッグの紙にやられて、あえなくギブアップ。
そして、前回奇跡の7月復活を遂げた懸案のアーマッド。
まあ、詳しくはそれぞれ記事で書いてあるんで、よろしければお読み下さい。

実はもうひとつ、けっこうマイナーな美味しいデカフェを貰ってまして。
それはなんと《セントクリストファーガーデン》のデカフェ・アールグレイ
「高品質のダージリンの風味を生かし、天然ベルガモットオイルで香り付けしたノンカフェインのフレーバーティー。
超臨界二酸化炭素抽出法でカフェインを除去しております。ノンカフェインとは思えない驚きのおいしさ」

いや、これは本気で美味しかった。フルリーフで繊細な風味。ばかうま。
貰い物だったので値段は不明だが、くれた人曰く「美味しいけど高くて日常には使えません!」

いや、待てよ?
美味しいのはわかるんです。
でも、美味しいCO2法デカフェって、みんなアールグレイだよな。
なぜフレーバーティーなんだろうね?ってとこですね。問題は。
前回のクロージングにも書きましたが、ノンフレーバーで紙の匂いのしないデカフェを飲んでみないことには
CO2法の真価がわからない、ということです。

クリッパーのデカフェを飲んだときの、魚港臭の裏にあるなにやら腰の抜けたアッサムがアヤシかったのは事実。
「デカフェ後もちゃんと十分な風味が残っている」というが、ほんとに残ってるのかいね。
ウィキペディアも通販サイトもいい加減な未検証なコピペ貼ってるのも多いし、
悪いけどそれを「はいそうですか」と信じるほどこっちはウブじゃねーんだよ。

というわけで、お高いCO2法のノンフレーバーのデカフェを
「どいつもこいつもコスパ悪すぎるわ!」とかいつものように罵りながら渉猟していると…
ある日三宮のイカリスーパーでそれは発見されたのです。
つーか、スーパーの紅茶しか最近買ってねぇだろ(笑)

さて、それはどこの紅茶かというとなにを隠そう《ディルマ・カフェインレスティー》でございます。
これがティーバッグ10個入りで300円くらいで売ってたんですが、お試しとしては買いやすい価格と量。
(ワタクシとしたことが売値を忘れた。ウェブショップでは367円(税込)でした)
さすがにディルマのティーバッグはふつーの紙でしょう。
初めてCO2法のデカフェ紅茶を魚港以外の場所で飲めるぜ!
というわけで、いそいそお持ち帰り。

ディルマ《Dilma》…昔から知ってるのに、どうしても食指の動かないセイロン紅茶会社。
けっこう安いし、それなりに有名だし、なぜ買わないんでしょう?
多分何回かは飲んでるはず…思い出せない(笑)
ああ、またオリジナルを飲まずに外道なデカフェ・レビューをすることになるんですかね。
すみません。
近くの業務用スーパーで安いの売ってるんで、いずれフォローします。
以前コメントにも「ディルマのレビュー希望」というありがたいお言葉も頂いたんで、
フツーのセイロン切れてるし。きっと無銘のセイロンにものすごい近いものを掴まされるに違いない。
無銘のセイロンハンター旦那カモン!
旦那「無銘じゃないから狩らない」
私「あ…そう。けっこう厳密なんだね」
旦那「オーラがないし」
私「それは知ってますって…!」

まあ、ともかく初のCO2法非魚港デカフェTBに多少浮かれ気味。
『カフェインが気になる方におすすめの紅茶です。この紅茶は環境に優しい自然な製法を使用して、
紅茶に欠かせない新鮮な茶葉特有の成分を損なうことなく、カフェインを抜いてあります。』
と、パックの裏に書いてある。
CO2を超臨界させることがどう自然なのかはこの際置いといて、
(まあ、つまりは健康に影響のあるかも知れない有機溶剤を使ってないと言いたいんでしょう)
早速試飲してみた。

パックは1個2g。
1つづつ丁寧にアルミパックに入っている。

  

2~3分を目安に抽出して下さい、とのこと。
熱湯150ml、3分で淹れてみた。

 

水色はかなり濃い目のブラウンレッド。
香りは…え…塩素…?

なんだか不穏な匂いがする。
紅茶の香りはほぼしない。
塩素…つまりキッチンハイター
夏だプールだサマーランドだ!(ええと…サマーランドの人見てるかなぁ? 招待券2枚で手を打とうか)

慌てて飲んでみた。
ええええ~っ?
紅茶の味がしねぇ。わずかな渋みに塩素の風味だけが香ばしい。
なんじゃこりゃ?
甘みもない。さっぱりとした、浄水器掛けてない夏の塩素たっぷりの水道水のお湯だ。
お湯にしては多少渋いな。どういうことだ。のどごし…良いっていうか、スルーしてくって言うか(笑)
ほうじ茶の出がらしってこんな味がしたような気がする…いや、ほうじ茶の出がらしの方が美味しい。

クリッパーですらさすがに塩素の風味はなかったぞ。
クリッパーはあの紙さえ使ってなければ、香りはまあまああったのだ。
だが、ここでCO2法共通の風味を見出してしまう。
味が無い。この独特の味の無さ…クリッパーでも味わったような…

この抜け感。何がって何もかもが抜けてる。
マジか? マジでこれはないよな。なにか間違ったのか?
賞味期限切れてるとか? いや、BEST BEFORE 2015.10/26…
誰だよ、CO2法は紅茶の香りや味が損なわれにくいのが特徴、とか言った奴は!
味と香りが抜けてんじゃねーか!

これは、どうなんだ?
ディルマが悪いのか?
それともCO2法が悪いのか?
これは、どっちも悪いような気がする。
クリッパーのほうが(紙の凶悪さを除けば)まだ香気が残っていた。
それはオーガニックで最高級のアッサムを使っていたからなのか。
だがこのディルマの茶葉には、なんとも質の良さというものを感じない。
しかし、これはないわ。
塩素の匂いって、どっから来るんだよ。
だが、しかし、待てよ?

結局、CO2のデカフェにアールグレーが多いのは、これをカバーするためじゃなかろうか。

というわけで、紅茶ストーカーと言われるほどのしつこさで有名なNirvana・cafeは
ここで、このディルマに、手持ちの天然ベルガモット精油を添加して実験を敢行した。
(食用じゃないので、良い子の皆さんは真似しない様に。または自己責任でねっ♪) 
 


ベルガモット1滴は多すぎるので、ティーバッグににじむ程度になすりつけておく。
先ほどと同じ条件で、待つこと3分。
蓋を開けるとベルガモットの香りがふわっとしてくる。
量はヨロシイようだ。
飲んでみる…うわ…ベルガモットの下から塩素がまだ顔を出してるんですけど。
しつこいなあああ! なんでこの匂いするんだよ。
少しすると、馴染んできたのか塩素が控えめになってくる。
いいかんじと思うが、それでもふいにプールサイドでアールグレー飲んでる風味になる。
だが、全体的には、アールグレー風味にすると、水っぽさが消えて、フレーバーでヌケ感が誤魔化される。
各社この効果を狙ってるんだな。フレーバーばんざーい!だ。
アーマッドに近い。だが、アーマッドのデカフェに塩素の匂いはしないぞ。
これはこうして消費していくしか無さそうだ。
たった10Pを消費するのが苦痛になりそうなデカフェだ。クソ。
だったら麦茶飲むわ、麦茶。(←すべてを済し崩しにする暴言)


というわけで、魚港から解放された私は、プールに連行されて突き落とされるはめに。
どちらも水際だが、これをある意味「水難」とかいうのか?
塩素臭の出どころをぜひ知りたい。
CO2法ではチェンバーに茶葉を入れる前に、蒸気で蒸して茶葉を柔らかくしてからカフェインを抽出するらしい。
そのときに浄水でなく、塩素殺菌された水道水を使ったのか?
それで果たして塩素臭がこんなふうに残留するものなんだろうか?
そして、この前評判の嘘っぷりはなんなんだ。
CO2法ってこんなもんなのか?
謎は深まるばかりである。

この現象が他でも起きているかどうか、またしても検証を続けなければならないな。
塩素臭・風味の抜けっぷり、の検証てか。なんか食指が動かねー。
美味さの検証じゃねーのな。不味さの検証って、もうやだなぁ。
しかもCO2法のデカフェはコスパ悪いんだよ。
痛いな。この時期、非常に痛いぞ。
イギリス人がジクロメのデカフェを飲む理由がよくわかるぜ。
紅茶のためなら「高い、不味い、身体に良い」でなく「安い、美味い、身体に悪い」を取る!

ああ…PGのデカフェ飲みてぇ…


実は近所のスーパーで売ってたんです 懸案のアーマッド・アールグレイ・デカフェをゲットする!

2013年07月01日 | 紅茶・デカフェ
気づいてみれば6月は記事を上げずに終わった。
皆さんこんにちは。生活苦と病苦と多忙で出家するかもしれないNirvana・Cafeです。

先日、頂いたコメントにお答えするという形で記事を書いた
『急告! 頂いたコメントの回答…アーマッド アールグレイ デカフェのカフェイン除去方法について』
なんですが、あるように見えてなかなか売ってないんですなこれが。
三宮には実はアーマッドの日本唯一の直営店『アーマッドティー&グロサリーショップ』があり、三宮にはよく行くのでそこで買えばいいじゃない?
とは言うものの、直営店はきっと定価でしか売らんだろう…なんていう気もあって、まだ行ってないし。

とりあえず、通常運転で盛り上がってきたところで、
そんな中、この前…といってももう4月のことになるが、旦那と二人で近所を散歩中に、
いつも入らない関西スーパーに入ったときのこと。

『関西スーパー』というのは、名前の通り関西のスーパーなんですが、関東出身の私は知りませんでして。
関東の皆さん、関西には「ライフ」はあるのに「いなげや」がないんですよ。
まあ、もともとライフは関西の資本だったんで(1号店は豊中だった)当たり前ですが。
だが、関西スーパーは、東京には進出せず、本社は兵庫県の伊丹。展開は兵庫・大阪・奈良っていう地元密着。

さて、この関西スーパー、近所とはいっても、このスーパーは我が家からは微妙に離れていて、
いつも毎日買い物に行くという感じの距離ではない。
コスパ至上主義のうちの旦那は、神戸出身だが関西スーパーは比較的割高なので、あまり利用しない。
というわけで、ここの紅茶売り場をあまりチェックしてはいなかったのだが、
散歩の途中に喉が渇いたので、飲み物を買おうと立ち寄って、しばしスーパーウォッチング。

そこになんとあったじゃないですか!
アーマッドデカフェ・アールグレイ20TB・40gが!

しかも嬉しいことに定価568円のところ、スーパー価格は298円のお値打ち価格!
40gで298円なら、100gで745円。日本で買えるCO2法のデカフェとしては、かなりコスパは良いですね。
直営店に行かず待ってた甲斐がありました。
産地はケニア・スリランカ・インド。
アールグレーなら中国茶、ということではなく、デカフェでもヘタらないようにボディを作ったと見た。
誕生日が近かったので、生活苦の我が家では今年のプレゼントは、これ。でも欲しかったので満足だ。
(あと、売り場に日東のロイヤルミルクティ・ブレンド(アッサム)150g¥398という見たこと無いのがあって、これももらった)


というわけで、さっそく試飲。

アーマッドの普通のアールグレーは2種類ある。
クラシックシリーズと、高級で高いキャッスルコレクションシリーズ
クラシックは以前飲んだことあるがほぼ忘れた。すっきりしてて、すごくオーソドックスな風味だった印象がある。
ベースの茶葉はスリランカ・ケニアというミルクでもイケそうなブレンド。

キャッスルコレクションは、エディンバラ・アールグレイという。ベースはダージリンとアッサム。
こっちは一年前くらいに職場の先輩が休憩用にと寄付してくれたので飲んだ。軽い感じで、さすがに品のいい風味。
ベルガモットも香料臭くない、わりと自然な精油の香りだった気がする。

いままでの経験的に、アーマッドのアールグレイには不満はない
さて、この2つに比べてデカフェは如何だろうか?

開封すると、アルミ蒸着のパックに1個づつ入っている日本でもお馴染みのパッケージ。

  

TBも、魚港臭なしの、普通のひも付き紙TB。
アルミパックの裏に入れ方が書いてあり、浸出時間は3~5分とある。
では160ml・5分で行ってみよう。



けっこう水色は濃く出る。ブレンドがケニア・セイロン・インドなんで、当たり前か。
香りはそんなに香料臭くない、わりと自然な上品ベルガモット。
手持ちの精油のベルガモットに近いので、変な匂いはしない。

では味見。

すっきりしたボディで、渋みはほとんどなし。
デカフェなので茶葉の甘みはないが、スムーズなのどごしだ。
ミルクに耐えるようなボディはないが、ストレートで問題なく楽しめる。
ベルガモットがデカフェの癖を中和していて、デカフェっぽくなく仕上げてある。
飲んでいるうちに、茶葉の渋みが舌に少し残ってくるが、気になる程ではない。
5分も出さなければ、これも出ないだろう。でも、これくらいの渋みの片鱗がないと、紅茶を飲んでいる気がしないし。
デカフェでこのレベルなら問題ないんじゃないか?

ミルクには合わないと書いてあるが、敢えてミルクを入れてみる。
濃い目に淹れたのが良かったのか、ミルクの量を入れすぎなければ、それなりに飲める。
もちろん軽めのミルクティーだが。シャバシャバ水っぽいというミルクティーではなかった。
想像以上に飲めた。私はね。

▼総評
問題なく美味しく飲めた。安定感があって、気にせず飲めるのが良い。
デカフェ臭さもないし、ベルガモットもケミカル臭くない。
コスパもいい。そして安全。アーマッドやるじゃん。

というわけで、気になってたものが味見できてよかった。リピートありだな。これは。
職場の休憩用に持って行こうとおもう。


しかし、だ。
CO2法のデカフェはアールグレーは美味しいが、ノンフレーバーはどうなんだろう?
ノンフレーバーのCO2デカフェは、クリッパーしか飲んでいない。
でもなぁ…あれって圧倒的に漁港フレーバーだったからな。真価がわからない気もする。
どこのHPにも書いてあるが、CO2法のデカフェは風味が温存されてて美味しいと。
でもいままではアールグレイしか口に入ってないし。
とにかく、ノンフレーバーのCO2デカフェを手に入れなければなるまい。
そのままでもCO2デカフェは美味しいのか、否か?
探求は続く~っ!










続・R様ご依頼の件・その2 《リントンズ・デカフェ》 軟水地方のデカフェティーを飲んでみる

2013年05月24日 | 紅茶・デカフェ
前回のいい加減な(←いつもの)予告で申し上げた
「次回のレビューはRingtonsのデカフェの予定。あくまでも予定ですがね(笑)」
という予定は未定な責任逃れ発言を乗り越えて
今回はなんとリントンズで連投、というまさかの展開!
克己という言葉が爽やかに脳裏をかすめる初夏の候…
紅茶好きの皆様いかがお過ごしでしょうか(←たぶん紅茶をお飲みのことと思います)
いや~この私にこんなに気力があるとはね。
さすが立夏を過ぎると陽気の伸びが違うぜ
きっと昨日食った大量の空豆が効を奏したのか(救援物資送ってくれた叔母様ありがとう)

 

死ぬ気で100粒くらい塩ゆでして皮剥いただけのことはあったね
可食部20粒で100gだから、夫婦で500gの空豆を食ったことになる
お手製の中ぐらいの莢の空豆1本が平均30gで、平均3粒くらい入ってるから
莢にして1kgくらい食ったんだな。通販で空豆はだいたい莢付き1kg1000円が相場みたいだから
うちにはもし買ったら2000円くらいの空豆が届いたことになる。しかも叔母様が育てた無農薬。
貰わなかったらこんな贅沢はできません。一年に1回の超ごちそう。
ちなみに空豆は、亜鉛・マグネシウム・鉄・カリウムが豊富。
ビタミンB群も多く、高タンパクなので、貧血には大変良い食品である。
空豆とベーコンをにんにく塩味で炒めて食ったけど、これがバカ美味い。
旬は5月。疲労回復に空豆を食べよう!(←この空豆ステマに対して鹿児島県は私に報いるべきではないか?)

…はっ。
なぜ私は紅茶ブログで空豆を熱く語っているのだろうか?
これで力尽きるかも知れないってのに…おまえは甘い…甘すぎるっ。
ものを書くってのは、大変なんだ。俺わかってんのか?
豆を語るに豆の栄養を以って語る(←間違ってる。曹植ごめん)。

              

気を取り直して本題に入ろう
前回の記事を見ていただければお分かりの通り、空豆ではなく《続・R様のご依頼その2》である
ええ、今回は外道はしませんできません!
R様に退路を絶たれ正道に逃げ込んだNirvana・Cafe(←めったに見れないね)
リントンズの売れ筋TBを頂いてからの、デカフェのレビューとなったのだ
なぜ分けたかって言うと、デカフェだからだ。
カテゴリーの混乱を避けるためでもあるが、今回は軟水用のデカフェ。貴重なサンプルとなる。

さて、このリントンズのデカフェ。
公式代理店で扱ってくれないところを見ると、多分ジクロメor酢酸エチルを使った溶剤抽出法だと思われる。

  ※ジクロメ:ジクロロメタン、またの名を塩化メチレン、メチレンクロライドという。
        最近のニュースでご存知の方も急増中♪


もちろん公式にもどちらのHPにもデカフェのメソッドは明記されていない。
誰かデカフェの抽出メソッドを明記するような法律でも作ってくれないかな?

さて、リントンズの紹介は前回やったので、今回はいきなりレビューに入ろう
(空豆でかなり本題から遠ざかってしまった←遭難寸前)
前回と同じく匿名デカフェ紅茶だったんで、こちらも先入観なしでいった。

こちらがTBの全景である

 

同じくスクエアのTB。さて、ルーチンの魚港チェック!
臭いを嗅いでみる。これが紙の臭いがけっこうあります。
ヨークシャーティまではいかないが、M&Sくらいはある。
絶対外して飲みたくなるレヴェル。
くそっ…超臨炭酸水素ナトリウム法とか名前付けてやる!
EXTRAはそうでもなかったのに。いつもこのパターンだなぁ、最近。
でもヨークシャーティーのは、普通のTBもデカフェのTBも臭いがキツイ。
最近普通の赤ヨークシャーティーのTBを三宮のサンジルシで売ってるんだな。
それでけっこうコスパがいいから40P買ってみた。美味しいけどやっぱりTBは臭う。
リーフも売ってくれないかな。

さて、中を見ると

 

けっこう赤い。これはケニアが優勢なデカフェの色ですな。
茶葉の匂いはデカフェ独特の匂い。
むむ…これはなんかヨークシャー・デカフェを彷彿とさせるね。  

ではいつもの条件でTB付きで淹れてみる。
出来上がったのがこれ。

 

●ストレート
おぉ…ケニアっぽいからか、これはブラックだ。
EXTRA FRESHと比べたら、濃い黒に近い。
匂いを嗅いでみる。
TBの匂いとデカフェ特有のなんともいえない匂い。
その後ろから紅茶の香りがしてくる。
いい茶葉使ってるのが分かるだけになんともはや。
一口飲むと、デカフェ特有の味とTBの生臭さが前面に出る。
うう…その後に甘みが来るんだよなぁ。
きっとデカフェ臭さがなければ美味しいんだろうな。
でもこれはTBとデカフェ臭が邪魔過ぎて、何も考えずに飲むというわけにはいかない。
うーん…とりあえずミルク入れてみようか

●ミルクティ

 

甘さがあるし、濃さは普通。PGより濃く、ヨークシャーよりは軽い。
テトレー、M&Sのデカフェと同じくらい…またはやや軽い濃さ。
だがデカフェぽさがミルクティでも緩和されないのが残念。
この匂いの向こうに、いい香りがあるのはわかるんだが、
このデカフェと紙の匂いが付いて回るので、いい香りはあまり楽しめない。
味も同じく、ケニアの酸味とそれなりふくよかなボディが手放しで…楽しめない(笑)
この風味はヨークシャー・デカフェに似ている。
不思議なことに、冷めてくるとこの独特のデカフェの癖というのはだんだん消えてくる。
冷え切った頃には気にならなくなっている。茶葉の香りもなくなるけど。

もしかしてこのデカフェ臭はジクロメの臭いだったりするのかなぁ。
でも、どう調べても「強くて甘い臭い」としか記述がない。
そして、PGもテトレーもデカフェはジクロメのはず。
だれかジクロメの臭い教えてくれぇ!

さて、TBの紙を外して淹れても、デカフェぽさが邪魔をする。
M&SはTBを外せば美味しく飲めたのに。二重苦だ。
でも、塩を少し入れると、デカフェ臭さがいくぶん落ち着き、飲めるかな…程度にはなる。

●後日の追加レポート。
水の硬度をカルシウムで高くすると、デカフェの癖が割と抜けて
本来の甘さと濃さが引き立ち、かなり美味しく飲めることが判明。
塩にプラス、DHCのカルシウム・マグネシウムのカプセルを分解して耳かき一杯くらい添加。
ドロマイト=白化珊瑚なので、水も美味しくなるような(気が…)(笑)
うわぁぁぁ!せっかく、せっかく軟水用なのにぃぃぃ!
わざわざTBを外し、わざわざ塩とドロマイトをひとつまみ入れて硬水に、だと?…ええい、クソ面倒な!
なぜ英国人はデカフェのリーフティを作らんのだ!

●総評

普通に飲んだ場合、デカフェ臭に高品質茶葉が敗退した残念な展開。
言うなれば…(かなり考えて)荒川アンダーグラウンドのニノさんのようだ。
可愛いのに至近距離では生魚と荒川の臭いが(きっと)するっていう…(でもあの漫画でニノさんだけが好き♪)
EXTRA FRESHで期待した分、がっかりした感は否めない。
一番最初に飲んだデカフェ、ヨークシャーデカフェがこうだった。
その後すぐ飲んだPGデカフェがマジ天使に見えたし。
だけど、ヨークシャーは月日が経つと、このデカフェ風味が少しずつ消えていったんだよね。
なにかが揮発とかしてるのか、開封時は匂いがこもってるのか、なんなんでしょうね?
リントンズ・デカフェも少し放っておこう。臭いが消えてくるかも知れん。
UKのケミカル法デカフェもずいぶん飲んだので、この風味には慣れたと思ったんだけどな。
クソめんどくさい回避方法は編み出しては見たが…
何が悲しゅうて軟水用のデカフェを硬水作ってまで淹れにゃならんのか…

でもこの風味…なぜ劣化するんだろう。揮発なのかな。
本気でジクロメの風味なら、かなり残留してるってことだよな。
この程度のジクロメで癌になることは無いと言われてますけどね。
でもなぁ…日本では法律で食品添加物としてジクロロメタンが使用された食品は
製造することも輸入することも禁止されてるからな
胆管癌…うう…カフェインで目が回ってるほうがマシなのか否か?
本気でジクロメの臭いを確かめたい割と本気で
そうだR様…今度ジクロロメタン送って下さい。草々。


                ★


さて、このたびふとした行きがけの駄賃的にHälssen&Lyonというドイツの老舗紅茶会社のHPを見てたら、
デカフェの面白い資料が見つかったので載せる。
(最近ニュースで「紅茶の葉っぱで日めくりを作り、使い終わった日めくりを  
カップに入れてお湯を注ぐと紅茶になる」という珍品の販促品を作った会社)
      
                               

デカフェについてメソッドを書いている企業側のUK紅茶サイトはあまりないが
ドイツ人だけのことはあって、この会社は一応全部記載している。

・CO2(二酸化炭素):有機含むすべてのグレードや紅茶に適し優しい高圧法。
・E/A:ここで使用される溶媒は酢酸エチルである。緑と黒茶ファニングスと同様、黒Pekoesとブロークンがご利用いただけます。
・M/C:塩化メチレンを使用するプロセス。強いカップ用紅茶ファニングために特に適しています。


グーグルのステキな翻訳なんで、各自脳内で超訳されたし。
「E/A」はエチルアセテート、「M/C」はメチルクロライド(ジクロロメタン・塩化メチレン)の略

これをみれば分かるとおり、ジクロメがなんでUKで多用されているかって言うと
“強いカップ用ファニングス”に適してるからなのだ、ということがわかる。
原文は「black tea fannings for a strong cup」
つまり“TBに入ったイングリッシュ・ブレックファスト用の細かすぎる紅茶葉”みたいなやつね。
もしこれが禁止されたら、美味しいミルクティ用デカフェは作れない。英国人涙目。

ちなみにドイツでは、デカフェは「ENTKOFFEINIERTE TEES」っていうらしいぜ。
KOFFEINをENT(外に)出したってか(entfernen=取り除く。ドイツ語のEnt-は英語のEx-にあたるんだとさ)。



これでめでたくR様のミッション2は終了した。
魚港での壮絶な撃ち合いはUKシリーズには欠かせない見せ場という事を再認識。
R様はクライマックスのツボを心得ていらっしゃる。
と海辺の白いカフェで銃創を癒すNirvana・Cafeだった…

さて、今回もいい加減な予告をしちゃうぞ♪
このあとついに怒涛の超臨界二酸化炭素抽出法デカフェ紅茶ターンに突入するっ!
なぜかは次回を待て!(←大した理由は無くても引きは大事!)



R様ご依頼の件・その2:UKはロンドンだけでは無くてよ…《リントンズ・ティ EXTRA FLESH》

2013年05月20日 | 紅茶・ブレンド
GWのある日のことであった。
某乾物屋で100g・300円で購入したクソ安いニルギリをストレートで飲んで
“これは紙か?紙にしては美味い”とかマッタリ思っていると、我が家に郵便局から荷物が届いた。
開けてみるとそれは紅茶、紅茶、紅茶…。
差出人は…なんとあのR様である!

「前略、おいしい紅茶をお飲みでいらっしゃいますかしら?
クソ安い茶葉も、ブレンドの研究には欠かせないとは思いますが
今回はいろいろある中で、一つミッションを依頼致します。
先入観を無くすためにメーカーは敢えて伏せておきますが、
ほとんど日本では扱っていないものです。一応公式販売店はありますが。
これの〈EXTRA〉と〈デカフェ〉を今回UKから取り寄せましたので
思い切り誰憚ること無くこの無名のUKティをレビューして貰いたいのです。
外道な貴方の退路を断つために普通の紅茶とデカフェを両方用意しました。
がんばれ。なお、この手紙は1分後に消滅します♪【R】」

 ※R様すみません。頂いた手紙を正確にトレースする前に爆発してしまったので
  多少私の誇張的な表現が含まれ、正確さを欠いていると思って下さいませ。


華麗な謎をはらみつつ、R様のミッションは始まった。
いつもの「デカフェだけレビューしてあとはお茶を濁す…お茶だけに」が使えない
今回は絶たれた退路を遡上すべく、普通に正道を行くしかあるまい。
まずは“EXTRA”と書かれたTBのレビューにかかるか。
そしてなぜかクソ安いニルギリを飲んでいることがバレている
…超能力の類だろうか?(←“クソ安い”と頭に付けとけば大概透視と同じになる我が家の茶葉実態)


知らないものは「見て、嗅ぐ」ことから始まる。つまり野生動物の基本です。
目視では、このティーバッグはどう見てもスクエア…つまり四角形。

 

流行りのラウンド型ではないところが、クラシカルな感じを示している。
私が飲んだUK紅茶はほぼ丸型。しかし例外がヨークシャーティーとドーセットティーである。
この二社はスクエアTB…偶然かな? どっちも会社名に地名がついている。
双方ロンドンではないイングランドの1地方。
ということは、この紅茶もロンドンではない、どこかの田舎町のローカルティーである可能性がある。

さて、スクエアだろうがラウンドだろうが、会社の方針でしか避け得ない、TBの紙の「魚臭」はどうか。
これまでは四角いTBは漁港行きの片道切符だった。ではこの匿名紅茶はいかがだろうか?
うむ。少しその気はあるが、テトレーくらいの臭い。それほど魚臭さは気にならないようだ。

それでは、目視その2。
ティーバッグ破いて中身を出してみよう。

 

こっこれは細かい。この細かさは歴代3本の指に入るくらい細かい。
実物は写真より色が濃いし、黒い。白っぽいのは光の加減。赤みはこれほどではない。
艶があって、新鮮さがある。茶葉の香りは甘くグリニッシュなところも。
それほどケニアくさい感じはしない。
なぜか抹茶の香りに似ている。全体的に好印象。

さて、目視終わり。実際に淹れてみますかね。
いつもの通りのマグ・熱湯200ml・4分、TB付きで。

さて、蓋を開けると、少し赤みがかった水色。真っ黒ブラックティではない。

 

香りを嗅いでみると、おや? いい香り。UK紅茶らしからぬ。
これはケニアは半分、インド(アッサムかな)すこしセイロンぽい香りもあるような。
青臭さはさほどなく、少し甘目の花のような香りもわずかにする。いい感じ。
では飲んでみよう。

●ストレート

これは珍しく繊細な味がする。風味のバランスいいな。ものすごい濃さはないけれど、
ストレートでも飲めるような香りと濃さのバランス。
熱いとスルスルと良いのどごしだが、少し冷めると渋みが強くなってくる。
甘さはさほど無いが、キレがいい。ボディはミディアム。水っぽさはない。
これはPGtipsをほんの少し超えたか。

●ミルクティー

 

やはりミルクが美味しい。
ミディアムなのに、薄さを感じないキレはミルクで映えます。
わずかにグリニッシュさが出て、それが多少ヌワラエリアのミルクティに通じるものがある。
つまり、ボディーはそれほど強くないのに、香りと渋みでミルクを支えてなおかつ繊細さがあるってこと。
いいケニアを使ってるんじゃないかなぁ。このセイロンに似てるけどちょっと違う香り。
そして酸味が強くない。これはバランスのいい紅茶。あくまで私的な嗜好で。
多分私が飲んだご庶民UK紅茶の中で、香りと濃さが最もバランスが良いのでは?
値段がわからないので、これがご庶民向けかどうかは、R様の種明かし待ちですが!

●総評

とにかく茶葉の質が良い。新鮮でかび臭さが微塵もないのが良いね。
ミルクティーが美味しいのはもちろんのことだが、
ストレートで飲んだ時の風味は、PGを首の差抜いてトップ。
PGは味が軽い。赤ヨークシャーは濃いけど香りがいまいち。これの中間が欲しいと思っていた。
でも、中間のテトレーは個性がなくてケニアっぽいし、普通過ぎて案外パンチが無い。
セインズベリーはケニア過ぎて、好み的に普段飲みにはならない。
それに比べこのEXTRAはアッサム系の香りと味が強いので、
ケニアの酸味と土臭さがちょい苦手な私には好感度が高い。
ケニアは裏方に回っていて、甘みもあって、大変トラディショナルな安定感のある風味。
それと、紙の味があまりしないんで、それも良い。
がっつり濃いのが好みだったらヨークシャーを薦めるが。

とりあえずレビューをまとめてR様に送り、ミッションは終了。
あぁそう、デカフェのレビューもまとめて送りましたが、そちらは記事は後日。
一体どこの紅茶なんだろう? と答えを待つことに。


さてその後再び、R様から返信が届いた。

「前略、先日の名前を伏せた紅茶のメーカーを伝えます。
感想をお願いした例の紅茶は、UKの「Ringtons」のEXTRA FRESH&デカフェです。
今はメーカーの本拠地のニューキャッスル付近では
スーパーなどでも販売はしている様ですが、イギリス北部限定みたいで
Britstoreみたいなところには卸していないようです。
私もリントン社から直接ネットで購入しました。
そのリントンは日本でも福岡で扱ってる販売店がある様ですが
デカフェは扱ってないし、メーカーから取り寄せたのです…(後略)」


リントンズ…これはいままでまったく聞いたことのないメーカーですな…
これだけUK紅茶飲み漁ってたのに、おいらは一度も引っかからなかった
R様…どんな情報網持ってるんだ(笑)

というわけで早速リントンズを調べてみる。
アッサムとおとなし目のケニアっていう分析が合ってるのか、間違ってるのか…
うわぁ。やだなぁ~。答え合わせ!
だが、無慈悲に検索にヒットした福岡のリントンズ代理店。
《【英国RINGTONS社】公式 紅茶専門店 リントンズジャパン》
はああ…逃げ場はないぜ。
では仕方ない。EXTRA FRESHを見てみるか。

『リントンズのティーバッグ紅茶はブレンド紅茶が主流です。
100年以上の歴史の中で培ったレシピを基に、熟練の職人が妥協無くブレンドしています。
EXTRA FRESHはインド産のアッサム茶葉とケニア産のナンディヒルズの茶葉をブレンドしています。
茶葉についても通常ティーバッグには使われない様な、一番良いアッパーの部分だけを
贅沢に使用している非常にクオリティの高いティーバッグ紅茶です。』

おっと…なんとか首の皮一枚つながった感(笑)
詳しくは、EXTRA FRESHのリンク見ていただきたいんだが、やっぱり茶葉新鮮。
フレッシュいうだけのことあんねん。
お値段は、リントンズジャパン価格:300g/2000円…100gで666円だから日本価格にしてはコスパは良い。
では、現地のRINGTONS.UKのHPを見てみよう。100P(300g)/£3.09=482.15 円…100g/160円(←紛れもないご庶民ティ価格)
しかし、海外はデリバリーがかなり代金かかるんで、£3.09+£8.50(送料)=£11.59=1,808円
それでも、200円弱安いな。

創業は1907年。100年続く老舗パッカー。
ロンドンでもめったに見ないローカルティー。
ニューカッスル周辺以外の地域は、オンラインショップじゃないと買えないそうで。
しかもいまだにリントンズバンで紅茶を販売する伝統の宅配紅茶。昔は馬車だったとか。
日本には2011年に導入。「英国以外では世界初!弊社のみの取り扱い」だそうだ。
福岡の社長、頑張ったね。


そして、なおかつ調査は続く。なぜかというと、このニューカッスル(正しくはニューカッスル・アポン・タイン・Newcastle upon Tyne)、
北東イングランドに位置する人口30万の街だが(どおりでスクエアTB)、どうやら軟水の地域らしいのだ
裏を取るべくいろいろ漁り、見つけたのがこちらのブログ。
『英国人とのLovely生活 in Nanjing』 2012-01-14 「リントンティー」
こちらのご家族がニューカッスルに住んでいらっしゃるとのこと。
そして、どうやらイングランド北部は軟水地帯があるという。
「イングランドで、軟水用のブレンドとして代表的なのは、ニューカッスル生まれのRington(リントン)。」
ということが書いてあります。
スコットランドは軟水だっていうのは知ってたけど、イングランドにもあるというのは初めて知り、
これは日本で飲むには赤ヨークシャーティーとスコットランド以外にもリントンがイケルという新発見
すんばらしいですR様! 塩入れなくてもいいですよこれなら!

…といいつつも、知らずにレビューしてるさなかに
「やはりUK紅茶には塩入れて硬水にしよう」と塩入りにしてミルク入れると、ボディは安定するんですよね
香りは弱くなるんですが。ミルクティーは若干の硬度は必要かな…と。
塩入れなくても美味しいんですけどね。
でも、このリントンをロンドンで飲んでもやっぱり美味しくないと、上記のブログには書いてありました。
ほんの少しだけ硬度を上げると良いかもですな。
スコットランドよりは、若干硬度は高めのようです。

調査中、良い資料を発見したので貼っておく。
テイラーズオブハロゲイトのUKのHPにあった画像
「Water’s always been important

 

知らないつーのは恐ろしいことだが、なんだよ…硬水の地域のほうが狭いじゃんUK!
ただし、ロンドンは圧倒的な人口があるんで(UK総人口6203万人に対して、ロンドン人口約817万人)
住んでいる人は硬水地帯の方が多いんでしょうかね。
ちなみにアイルランドも軟水だそうですので、アイリッシュティは日本でも美味しく飲めます。
実際ビューリーズはとても美味しい。


さて、リントンは私の想像上のUK紅茶のイメージ通りの紅茶だった。
どのUKのブランドよりも、私の歪んだヴァーチャルなはずのUK紅茶イメージ通りで多少驚いている。
明るくて陰影のない王道の風味。安心して何も考えずに飲める。これは大事。
こんなUK紅茶が欲しかった、と思わせるブレンド。リピートありかもな。
他のラインナップも飲んでみたいと思わせる今回の試飲だった。
リーフもあるので、そちらに興味津々です。
しかし今回のミッションには「UKの水質について理解を深めろ」
というR様の仕組んだ隠されたテーマがあったのかも知れない…違うかも知れない…

次回のレビューはここのデカフェの予定。
あくまでも予定ですがね(笑)



懸案のマグカップ、決定打がとうとう出現! NARUMIの兵庫県立美術館オリジナルマグ

2013年05月13日 | 茶器
久々に茶器の話ですこんにちは♪
お茶のレビューもせずに入れ物かよ…と仰りたいのもわかりますが
実は、普段飲みのお気に入りのマグカップが今年の1月にバーストしまして。
もう、かれこれ7~8年以上使ってたんじゃないですかね?
物持ちが良いほうなんで、気づいてみればそんな長い付き合いだったという…
たしか、東京に居るときにグランデュオの立川中華街の中にある「悟空」で買ったんだが
蓋付き、陶製の深い茶こし付き、白無地のシンプルな作りで800円くらいだった

ちなみに悟空は横浜中華街の中国茶の店です。
けっこう有名なんでお茶好きならご存知でしょう。
横浜中華街行ったら、ここと天仁(テンレン)は必ず行きます

おお…いつの間にか立川中華街閉店してる(笑) 2年前かぁ
悟空もグランデュオ撤退してるし…無常じゃのぉ

これがその悟空のバーストしたマグ。茶こしの深いのが気に入ってた
茶こしはもうかなり前からヒビがいってたけど、
さすがに本体のヒビから茶が滴るのはちょっとね
茶が漏るようになるまで、ヒビいっても飲んでましたがね
 


蓋だけ生き残っている。エラい。まだ頑張ってもらいますよ



…というわけで、お茶が漏るようになりましたんで、新しいのを探してたんですが
どれも決定打に欠ける。決まらない。
ローソン&たらみのコラボレーションで出ていた「ミッフィーマグ&ミックスゼリー」398円を使って凌いでいたが
 
これがデカすぎて使いづらい(←驚きの420ml)
やはりマグは300~350くらいが適当だよね…と容量欲求不満のまま(ミッフィーはかわええ)5月に突入

そんで昨日、ふとしたことで何故か近所に、これ↓を観に行った

 

いや~兵庫県立美術館、いつかは行こうと思ってたんだがね…
兵庫県立美術館とは『安藤忠雄氏設計により平成14年HAT神戸に開館した西日本最大級の美術館。
魅力ある特別展はもちろん、兵庫ゆかりの作家を中心とした8,000点以上に及ぶ所蔵作品も順次常設展示。
無料で楽しめる多彩なイベントも開催』というデカいインフラです
しかし、まさかお初がこのチケット貰っちゃうとはね…

『超・大河原邦男展-レジェンド・オブ・メカデザイン展』!!

大河原邦男(おおかわら・くにお) 昭和22(1947)年、東京都生まれ、65歳。
東京造形大学卒業後、大手アパレルメーカーを経て47年、タツノコプロに入社。
「科学忍者隊ガッチャマン」で初めてメカのデザインを担当し以後、メカデザイン専門に。
昭和53(1978)年、フリーとなり、「機動戦士ガンダム」で手掛けたガンダムやザクなどの
モビルスーツは空前の人気を集めるとともに、プラモデルなど商品化されて大ヒット。
メカニカルデザイナーという職業を確立した。その業績が「前人未到の偉業」と評価され、
昨年12月、文化庁メディア芸術祭功労賞を受賞。
本人曰く「頭の中にCADソフトがある」。平面図を見ると瞬時に脳内で立体図に変換されるらしい。

でも、アニメ世代ではあるんで、懐かしいのから新しいのまでけっこう面白かったですよ
ダイターン3懐かしかったな…これも大河原先生だったなんて知りませんでした
会期終了が迫ってたせいか、人がものすごい出てた。順路に並んだ列が動かねぇ(笑)
チケット売り場に人が列になって並んでるし!上野の国立美術館の正倉院展かっ!
後日ネットで情報収集したら、5月初めで来場者5万人ですと。すごいな。
図録が完売してた。オリジナルのガンプラも売り切れ。マニアの購買力ぱねぇ

特別展のチケットは、常設展の会場も入場できるから、お得です
もちろん常設展行きましたよ。人がいなくてゆっくり見れた
ミロのブロンズがあったな。上村松園の掛け軸が一枚。小磯良平も見れた。
コレクション展の池田治三郎という明治の神戸の画家の薔薇の絵が良かった…欲しい



さて、美術館にはミュージアムショップというのがありまして
美術館好きにはたまらないスポットなんですが
ここのショップにもオリジナルグッズがあり、いろいろ魅力的なんですけど
そうそう、わたしの狂愛するヒエロニムス・ボスの『快楽の園』の不気味キャラのフィギュアが!



これ、オランダのサイトで見て、強烈に欲しかったんだよね
人食ってるカエルだか鳥だかの化物(両足が口から出てる)、有名な卵の殻男…その他たくさん
なんせ小学生時代からの熱狂的なファンですからね
まさか徒歩圏内のご近所で売ってるなんて…マジ興奮したわ~

そのなかにあった、そうです県立美術館オリジナル・マグカップ!
(長い前置きでした。ようやく辿り着きました。一時は辿りつけないかと…)
一目見て「こ・れ・だ!」と購入決定を心に誓うNirvana・cafe
シンプルな寸胴の白い地に、美術館のマークが入っていて、このマークが結構おしゃれ
裏には、設計者の安藤忠雄御大直筆の県立美術館のラフ・スケッチがサイン入りでプリントされ
なんと、OEMはナルミじゃないかっ!

サンプルを手にしてみると、日に透けるくらいの薄さで軽い。とにかく軽い
持ち手は大きく指が入れやすい。縁は軽く反っていて、口当たりも良さげ
定価580円だが、値下げしてて525円。特別展の半券を見せれば、そこから5%引き!
ということでお会計税込499円のワンコイン以下で購入。ラッキー♪

で、お持ち帰りしたのがこちら。ナルミです間違いないぞ

   

このマーク…昭和30~40年代のレトロ・アンティーク系の旧NARUMIマークなんだが
素敵です。裏のスケッチはこれ。せっかくなんでバルコニーで撮影会

  

右下に“Ando”とサインの入ってるのが見えるでしょうか?

思ったとおり飲みくちは当たりがいい
薄いので、保温性は低いが、猫舌の私にはいい

では、お茶注いだ感じをお披露目

  

身が薄いので、光に透けるとお茶の入ってるラインがマグの外側からでも見えてます

中身は久々に友人から分けてもらったハロッズNo.14
今、改めて飲むと、ミルク入れるとダージリンの風味がどーんと全面に出るなこれ
UKスタディ後初めてのNo.14…あんがいあっさりしてるがこの香りは高いだけのことはある
塩入れるとボディがしっかりするね。渋みも抑えられるし
やっぱり硬水のお茶だな…当たり前なんだけどね


その後、このマグカップの他のブログなんかの記事をつらつらググっていたら
開店当初はどうやら800円だったらしい
その後、680円という時代があり、今は525円
これはいまが買い時だよ
ヘタすると廃盤になるかもな(笑)
いまのうちに買い占めるか…







UKスタディ後、トワイニングの赤缶を再評価してみる TWINING並行輸入イングリッシュ・ブレックファスト

2013年04月29日 | 紅茶・ブレンド
ロンドン五輪…だったからというわけじゃないが、去年1年かけてやってきたUK紅茶研究。
デカフェという新たな分野の開拓も含めて、今までの紅茶観の、あるエポックとまで感じた経験だった。

UK紅茶はミルクティーのために存在する…およそ95%くらい。

…というわけで、Nirvana・cafeは過去に犯したひとつの間違いに気づく。
それは、神戸に来る前に飲んでいた並行輸入のトワイニングの赤缶、
つまりイングリッシュ・ブレックファストを間違った認識で飲んでいたことだ。

それはまったくもって日本人の紅茶飲みらしい誤謬である。
香りを重視し、ストレートを評価することが紅茶の良し悪しと思っていたあの頃。
そんなんじゃない、そうじゃないんだ!UK紅茶、しかもE.B.Fはミルク以外の選択はない!
こんなに大人になれるなんて…ある意味感動。
同じ並行輸入のオレンジ・ペコにあの日負けたと決めつけたイングリッシュ・ブレックファストを
悔しいが、ここで過ちを正し、新たな視点から再評価しなおすことにした。

僕が未熟だったんだ。待たせてごめん。今から行くから…(←きゃー!やめてー!背中がゾクゾクするー!)

と、UK紅茶のティーバッグのような臭いセリフで、一路安い赤缶を買い求めに走った(←ガチの徒歩です)。
某輸入食料品店、価格は200gで598円。なんとその日はそこから10%オフ!ラッキー!
で、539円なりの取引を終え、100g/269円という、もう納得のコスパ過ぎて、神々しささえ感じる価格。
もうこれでいいじゃん、PGとか通販する必要がどこにある?
そう、美味しければこれでいいじゃん。歩いて買いにいけることが至上なんだよ、結局!
コスパを維持する戦いは、常に送料との戦いなのだ。550円…650円…もういやだ。
パトラッシュ… 疲れたろ…僕も疲れたんだ。歩いて…買いに行こうよ…

ええ…言いたい放題弱音を吐かせていただいたので、さっそくレビューに移る。
以下、茶葉の画像



茶葉はセイロン&インド。
あれ、ケニアって入ってなかったっけ?
確かに茶葉の匂いを嗅ぐと、あの酸味と日向で焦げたようなケニヤっぽい香りはしない。
そういう意味では、今どきないクラシックなブレンドかもしれない。
(TWアイリッシュ・ブレックファストはインド・ケニア)
細かいBOP。CTCはかけらも入っていない。
黒い茶葉の間にチラホラと少し撚りの浅い茶色の茶葉が見える。
香りはある方だ。まあまあ新しいが、ほんのり埃っぽい香りもしないわけではない。
ああ、だが、この値段なら、分相応。

さあ、再評価の時は来た。淹れてみよう。
いつもの通り、3g・熱湯160ml・4分、でいく。



さて、久々の再会。印象は変わっているか?

●ストレート

香りはセイロン主導。
以前より香りを感じるのはご庶民UK紅茶をたくさん飲んだからだ。
つまり、ミルクを入れないと発動しない風味のご庶民UK紅茶。
だが、地元民からはPOSHと言われるだけのことはある。
ストレートのうちからまあまあ香りがある…前は気づかなかった。
つーか、これ程度で“香りがある”という評価なんか下さなかった。
PG並には香りがある。PGより香るくらいである。
でも、リプトンのブリスクでも、これくらいは香るよな…
さて、味はどうか?
熱いうちから渋味がある。多少喉に来る。
案外濃くない。そこもPGに似てる。
そんなに上品さは感じない。
ブリスクみたいな低級品さの中のバランスを感じる。
茶葉自体の甘味はない。
多少青臭く、ニルギリぽさがほんのり。

●ミルクティー



ミルクを入れると渋味がコクに変身。
香りが残るのでパンチより繊細さが映える。
ミルクの甘味でカバー。若干の酸味。
他のUK紅茶に比べると案外軽い感じである。
ケニアがないからだろう。
3gでは物足りないかも知れないから茶葉は少し多めで…
うん、茶葉多めじゃないと、意味がない。
だってこれイングリッシュブレックファストだろ?
ミルクに負けないのは4gくらいじゃないかな?

●総評

再会して思った。それなりに印象は変わっていた。
だがやっぱり同じ値段でトワイニング買うなら、オレンジペコ薦める(笑)
赤缶は値段通りの味。不味くはないが、オレンジペコのほうが、風味全てにわたってコスパの良さを感じる。
赤缶、ブリスクの感じに似てるなぁ~。ちょっと紙の味がするんだよね。
でも、頑張って通販で送料払ってPGとかテトレーとかのUKご庶民紅茶を買うなら、
赤缶でなにも問題はないような気がする。だって100gあたりならPGの半額前後で買えるんだぜ?
もういいじゃん、これで(笑)

せっかくなので、最大限に美味しさを引き出そうと試みた。
粗塩をほんのひとつまみ入れて硬水にして150mlでミルクティー淹れてみる。
うん、これは美味しい。香りは多少なくなるが、渋みが減り、コクが出て甘みが増す。
口に入れた時の香りの立体感が増す。
硬水用の茶葉。ガチで硬水じゃなきゃこれは真価が現れない。
まあ、それはどのイングランドの紅茶でもそうなんですが。
粗塩は必須です。入れすぎると塩味がうるさくなるので、量は加減して下さいね。

でも、オレンジペコのほうが美味しいと思う。


再会してみて、印象はそれなりに変わっていた。
それでもやっぱりリピはない。塩入れて美味しいと言っても、きっとリピートしないんだろな。
それはいま、もっとコスパのいい日東のブレンドを見つけたからなんですけどね。
日東は日本の水に合ってるんですよ。当たり前だけど。いずれレビューします。
いちいち塩添加するのもめんどーなんで、毎日のことなんで。
でも、トワイニングの並行輸入オレンジペコはリピートすると思う。これは軟水でもいけるんだな。

それでは最後に、Amazonのトワイニング赤缶の通販に寄せられた、身も蓋もない素敵なレビューがあったんで
これをコピペして筆を置くこととしよう。
この人はわかってるな(笑) 罵倒するツボが同じ気がする。

ではまた!


▼問われる存在意義
『値段を考えたら文句言うのもなんなんだけどもこのEBFは日本的な使い方では茶葉として同社のセイロンOPに優る点が
ほぼ皆無である。じゃあ何がEBFなのかと言えば、ドサドサ茶葉入れて呑気に蒸らして濃厚な汁にミルクを大量投入する
英国庶民イズム。この局面においてのみこの茶葉はセイロンOPに初めて雑味のなさで優るのではないか。そんな飲み方を
する方だけにお勧めの香り低い凡庸な雑味の出なさだけが光る茶葉、でも安いから★4つ。』