武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

ヒロクニさんから「命の恩人、さほり」と言われることに・・・(作品紹介444)

2017-02-17 18:29:56 | Weblog


ヒロクニさんは、鉛筆でメモ(フォルムもしくは、モチーフ)をたくさん描いていました。
私も時々、製作中におじゃまして、見たことのない形、もしくはメモ描きをたくさん目にしていました。
「この感じいいね!」「これもいい感じ・・」とメモを見せてもらっていました。
あんまり感心が湧かなかったものには、スルーという冷血な妻。
朝から晩まで、アトリエに篭って格闘していたよう。

夕刻、「疲れた・・・」と言っていたことは特に覚えている。
ヒロクニさんは、ストーマを変えてから、夕食が食べたいと言って入浴に。
(※ヒロクニさんは、人工尿路を付けているので、ストーマというものを付けているのです)

私は、ストーマの準備を整え、その間、台所で解いた着物から座布団カバーを作っていた。
チクチクと針で運針をしていたのです。

なんか寒いのに風呂の扉を開けっ放しにして、身体を洗っているので、
「寒くないのかなぁ~」。と横目で見ていた。

私は、運針を続けながら待っていたので、なんかすごく上ってくるのが遅いので、
風呂場を覗くと・・・・。

湯船の中で、溺れそうになっているのだ。
身体が痙攣を起こしているようで、手や足がこわばり、顔が半分湯に浸かっている。
すわ!と思い、靴下を脱ぎ、ヒロクニさんの身体を後ろにひっくり返し、
「ヒロクニさん、大丈夫か?」と大声で言った。
意識を戻させねばと思い、顔を叩いてみるが返事もしない。
痙攣は、以前身体をマッサージすると、戻ることがあったので、
マッサージすることに。

手は、右手は常に動かしていてる。絵を描いているように延々と・・・。
マサージをしながら、これって意識不明状態??と思うようになり、
救急車を呼んだ。

救急車が来てからは、即効にストーマの装具と着替え、保険証、財布などを準備して、
一緒に病院へ。

病院へ処置して貰っている間に、意識は回復して、ホッとしたと言うことです。


しかし、意識が復活したとたん、病院からは安静にということで一日入院を勧められたのですが、
「俺、こんなところで寝るのは嫌だ」。といつものヒロクニさんに・・・・。
看護婦さんは、「大部屋が開いているから、奥さんに泊まってもらって、安静にした方がいいですよ」。と。
「だって、ここには道具(絵を描く道具)もないし、自分の部屋でないと安心できない」と言い張る。

今回は、入院費も気にかかるが、ジルくん(猫)が寒いの帰って来ていないし、家を開けるとジルのご飯も
気になるしと言うことがあり、ジルが病気を持っていなければそう思わなかったと思うが、
今回は、私の方から、「無理させないよう見張っておくので、この人の言うとおりお願いします」。と
頼んだのでした。

点滴している間、ヒロクニさんは芸術家としての心構えや、どこにも属さないで、群れないで
芸術をしてきた俺の人生の話を私に語る。
確かに、ある意味孤高を貫いている。多くの友人はそこから派生している。
松尾芭蕉を読み終えた私は、何故かヒロクニさんのいう反俗の意味が分かりかけているのです。

上の絵は、ただの落書きのように思う人も多いと重いますが、
このデッサンは、実は命がけの作品なのです。
メモの集大成がこの絵なんです。ここまで持っていくのに躍起になっていたらしく、
本当に疲れていたみたい。

今回のことで、狭い家に住んでいるからこそ、発見できたのだなぁ~と思い、
そのことにも感謝しています。
ヒロクニさんからは、「さほりが気が付いてくれなかったら、俺は死んでたのかもしれないのだな」。
「さほり、お前は命の恩人だ」。
「助けてくれてありがとう」。と感謝されています。

意識不明の状態の時の記憶は、まったく覚えていないそうです。
「溺れかけていた時、苦しくはなかったの?」と聞くと、
「気持ち良かった」という返事が・・・・・。
(唖然・・・)


一部始終を見ていた私は、ヒロクニさんのようにケロッと出来ないわ。
脳のMRIの検査だけは、行ってもらうことにしている。





最近、おやつとしてマドレーヌをよく焼きます。
ヒロクニさんは、甘いものが好きで、お菓子を良く食べる。
疲れた時に食べるとホッとするらしいが、消費が早い。
もう作った方が、安上がりなのでバンバン焼いています。







コメント
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