梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之博多日記25・『もう自炊はできないかも…?』

2006年02月22日 | 芝居
外食は昨日で終わるはずだったんですが、お誘いは断れません! 昨晩は春吉という地区にある韓国料理の『たもん』にお邪魔しました。韓国料理に惚れ込んだ日本人の店長が作り上げた、<日本人向けの韓国料理>ということですが、なかなかどうして辛さも味付けも本格派。キムチの盛り合わせはもちろんのこと、旨味たっぷりの参鶏湯や特製ジャガイモ餅の食感、独自の味付けの手羽先唐揚げに舌鼓を打ち、マッコリを飲み干しました。久しぶりに飲む焼酎以外のお酒でした。福岡ドームに試合に来た野球選手も多数訪れるらしく、お店の壁にはサインが沢山飾られておりましたよ。
今日は川端商店街そばの『金蛸ダイニング』へ。地元の食材を活かした創作料理がメインです。お造り盛り合わせ、三瀬地鶏の岩盤焼き(脂がのっていて、タレとの相性抜群!)、特製がんもどき(魚のすり身や明太子がベースでぷりぷり)などを頂き、芋焼酎は<喜六><純真にごり><かめ壷仕込み 焚(たき)>を味わいました。
両日とも、年の近い仲間との食事でしたが、普段から一緒にいるのに、よくまあ話題に困らないものだと思います。終始しゃべりっ放し(主に私が)のひとときでした。ちなみに昨日の相手は同じウィークリーマンションの同じ階。今日の相手はすぐ近くの別のウィークリーマンションで、帰りにはお宅拝見して間取りチェックしてきました。向こうの方が、ちょっと部屋は広いかな? 二口ガスコンロなのがうらやましかった(なんとも世話場)ですね。

さて今日の写真は『源氏店』の木戸口の光景です。柳の立木に天水桶、そいて師匠がお勤めの与三郎が、しばらく暇つぶしに弄ぶ、石ころが散らばっています。
この石ころ、綿を詰めた布製で、ごくごく軽くつくられております。師匠にとってやりやすい居所に配置しなくてはなりませんので、これは弟子が準備することになっておりまして、今月は私がセットしております。『大津絵道成寺』での出番を終えて、急いで化粧を落として舞台へ向かい、この石ころのセットと、屋台の中の煙草盆の居所を確認してから花道揚幕に向かうと、ちょうど師匠が到着しております。『大津絵道成寺』には、私と、二人の兄弟子が出ておりますので、与三郎の用事は弟弟子がみなやってくれております。
ちなみにこの石ころ、私が入門したばっかりの頃は七つ並べておりましたが、最近はご覧の通り五つになりました。演じる俳優の好みと都合で、こういうものはいくらでも変更がございます。