たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

荒神と牛肉

2020-08-01 09:32:57 | 古代の出雲

<葛城御歳神社 かつらぎみとしじんじゃ)

 

お正月になると、各家のご先祖さまを導いて、

家々へとやってくる「歳徳神/歳神(としがみ)」は、

一説に「幸神」つまりサイノカミだという話があります。

先日ご紹介した津軽の「虫おくり」に関する伝承の中で、

大国主神を叱りつけた「大歳神」とは

歳神のことですから、「動物供犠」をいさめ

「虫(蛇・龍)」のお札を授けたのは、

「塞ノ神」だったとも言い換えられますね。

 

つまり、村の境などに置かれた

「幸神」の祠のご祭神は「蛇」や「龍」であり、

「大歳神」という神様が「海人族」

とのつながりを持つ可能性が出てくるのです。

 

一方で、『古語拾遺』の中には、

「大歳神(御年神)」に関する逸話として、

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大地主神が田を作る日に、
農夫に牛の肉をご馳走した。
しかし、その事を怒った御歳神は、
田にイナゴを放ち苗の葉を喰い枯らした。
そこで大地主神は、白猪・白馬・白鶏を
献上して謝ると、「麻を使った呪文」や
「牛の肉と男茎形の供物」のやり方を教え、
その通りにしたところ豊作になった。

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という話が残っておりました。

 

これもまた「御歳神(荒神)」が「動物供犠」

を嫌った証拠にもなるかと思いますが、

同時に「牛肉」を供物する方法をも教えています。

果たして、荒神という神様は、「蛇や龍」

そして「牛」とどのような関係にあったのか、

さらに出雲・伯耆地方の「荒神」

を探って行くことにしましょう。