<葛城御歳神社 かつらぎみとしじんじゃ)
お正月になると、各家のご先祖さまを導いて、
家々へとやってくる「歳徳神/歳神(としがみ)」は、
一説に「幸神」つまりサイノカミだという話があります。
先日ご紹介した津軽の「虫おくり」に関する伝承の中で、
大国主神を叱りつけた「大歳神」とは
歳神のことですから、「動物供犠」をいさめ
「虫(蛇・龍)」のお札を授けたのは、
「塞ノ神」だったとも言い換えられますね。
つまり、村の境などに置かれた
「幸神」の祠のご祭神は「蛇」や「龍」であり、
「大歳神」という神様が「海人族」
とのつながりを持つ可能性が出てくるのです。
一方で、『古語拾遺』の中には、
「大歳神(御年神)」に関する逸話として、
==========================
大地主神が田を作る日に、
農夫に牛の肉をご馳走した。
しかし、その事を怒った御歳神は、
田にイナゴを放ち苗の葉を喰い枯らした。
そこで大地主神は、白猪・白馬・白鶏を
献上して謝ると、「麻を使った呪文」や
「牛の肉と男茎形の供物」のやり方を教え、
その通りにしたところ豊作になった。
==========================
という話が残っておりました。
これもまた「御歳神(荒神)」が「動物供犠」
を嫌った証拠にもなるかと思いますが、
同時に「牛肉」を供物する方法をも教えています。
果たして、荒神という神様は、「蛇や龍」
そして「牛」とどのような関係にあったのか、
さらに出雲・伯耆地方の「荒神」
を探って行くことにしましょう。