<国立民族学博物館>
中国西南部の少数民族・ミャオ族
に伝わる始祖伝承のひとつに、
蛇神である「伏羲」と「女媧」
を主人公とする物語があります。
ざっくり要約しますと、
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雷神と戦った際に大洪水が発生し、
多くのミャオ族の人々が亡くなる中、
かろうじて逃れた兄(伏羲)と
妹(女媧)が結婚して子供を産み、
その人々が現在のミャオ族となった。
そして、ミャオ族が復興されたのちの、
紀元前2,500年頃に起こった黄帝
(中華民族の始祖)との闘いで、
敗れた「蚩尤」側に味方をしたことから、
「蚩尤」も始祖として崇拝されるようになった。
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とのことです。
何でも、ミャオ族の人々は祖霊への
強い崇敬心を持つため、
祖先特有の図案やマークを衣服に
縫い込むだけでなく、
先祖をお祭りする日は、
した牛を供えたり、
牛の皮で太鼓を作ったりして、
先祖の霊を手厚く弔うのだとか……。
つまり、古代の日本と同様に中国の奥地でも、
「蛇龍」への信仰そばには、
なぜか「牛」への信仰が寄り添う
という図式が見られるわけですね。
このことからも、「二つの生き物」を
トーテムとする人々が、高い割合で
隣り合わせに混在していることがわかるでしょう。