たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

多彩な龍

2020-08-10 09:08:08 | 古代の出雲

 

<国立民族学博物館>

 

中国西南部の少数民族・ミャオ族が、

「蛇(龍)」および「牛」への信仰を持つことを、

ここ数日の記事でご紹介しておりますが、

ミャオ族の崇める「龍」とは、

いわゆる中華民族(漢族)の崇拝する

「龍」とは一線を画す存在であり、

牛龍、ムカデ龍、魚龍……など、

多彩なバリエーションが見られるといいます。

 

つまり、ミャオ族の人々にとって

「龍」という生き物は、唯一神のように

「絶対視」する対象ではなく、

常に「他の生き物と混交しながら」

柔軟に姿を変えて行く対象なのでしょう。

 

言うなれば、「牛」を信仰する人々や

「ムカデ」を信仰する人々、

あるいは「魚」を信仰する人々など、

様々な信仰形態を持つ人々と入り混じることで、

民族を形成・維持してきた歴史が

イメージできるのですね。

 

さらに、ミャオ族の「創世神話」に関する物語の中には、

==========================

太古の時代に「蝶」が12個の卵を産み、
山では虎が、川では龍が生まれ、
最後の2つからミャオ族の人間が生まれた。
龍や虎は彼らの同族である。

==========================

楓(ふう/フ)の木から生まれた
蝶のメイパン・メイリュウが、
水の泡と結婚して12個の卵を産んだ。
そのうちのひとつから人間(ミャオ族)が生まれ、
他の卵から生まれた「龍」や「水牛」とは兄弟である。

==========================

などの話も残っておりました。