たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

金属音の効果

2020-08-22 09:14:05 | 古代の出雲

<荒神谷博物館>

 

2015年に南あわじ市で見つかった、

「松帆銅鐸(まつほどうたく)」

と呼ばれる7つの銅鐸のうちの数点は、

荒神谷および加茂岩倉で出土した銅鐸と

同じ鋳型で造られた兄弟銅鐸であると聞きます。

松帆銅鐸が発見された際、銅鐸本体だけでなく、

「舌(ぜつ)」と呼ばれる青銅器を鳴らす棒や、

銅鐸を吊り下げるための紐なども同時に見つかり、

また「舌」の側面と銅鐸の内側は、

摩擦ですり減っていたことから、

銅鐸の主たる用途は「音を鳴らすこと」

だったのではないかという説が一般的です。

 

ちなみに以前、銅鐸のレプリカを

叩いたことがあるのですが、

音が鳴った瞬間「強制的に」意識を

切り替えられるような感覚に陥り、

非常に戸惑った経験がございます。

あたかも脳に突き刺さるような鋭い響きと、

めまいを誘発するかのような長い残響音が、

音に敏感なタイプの人間としては心身に堪えました。

恐らく、これらの特徴的な金属音を利用して、

神とのコンタクトを取ったり、

人々の意識をコントロールしたりすることが、

当時のシャーマンの大事な役目だったのでしょう。