<荒神谷博物館>
2015年に南あわじ市で見つかった、
「松帆銅鐸(まつほどうたく)」
と呼ばれる7つの銅鐸のうちの数点は、
荒神谷および加茂岩倉で出土した銅鐸と
同じ鋳型で造られた兄弟銅鐸であると聞きます。
松帆銅鐸が発見された際、銅鐸本体だけでなく、
「舌(ぜつ)」と呼ばれる青銅器を鳴らす棒や、
銅鐸を吊り下げるための紐なども同時に見つかり、
また「舌」の側面と銅鐸の内側は、
摩擦ですり減っていたことから、
銅鐸の主たる用途は「音を鳴らすこと」
だったのではないかという説が一般的です。
ちなみに以前、銅鐸のレプリカを
叩いたことがあるのですが、
音が鳴った瞬間「強制的に」意識を
切り替えられるような感覚に陥り、
非常に戸惑った経験がございます。
あたかも脳に突き刺さるような鋭い響きと、
めまいを誘発するかのような長い残響音が、
音に敏感なタイプの人間としては心身に堪えました。
恐らく、これらの特徴的な金属音を利用して、
神とのコンタクトを取ったり、
人々の意識をコントロールしたりすることが、
当時のシャーマンの大事な役目だったのでしょう。