たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

偉大なる王

2020-08-06 09:55:12 | 古代の出雲

<石宮神社 いしのみやじんじゃ>

 

ここ数日の記事を書いていて思うのは、

各地の伝承で描かれる「大国主神」や

「大地主神」という存在が、どことなく

「弥生系」のニュアンスを纏っているということです。

「大国主神」が「大歳神(御年神)」に、

「牛の供犠」をいさめられる一節などは、

「牛」の伝来とともに弥生時代に来日した

「渡来民」を彷彿させる話ですし、

また『出雲国風土記』での「猪を狩る大国主神」の姿も、

少々視点を変えれれば「猪」が象徴する縄文人を、

大国主神が追い払ったような印象にも受け取れます。

 

どうも「大国主神」という存在は、

「縄文人」とも「弥生人」とも断定できないような、

一筋縄では行かない立場に置かれていたのかもしれません。

以前の記事内で、「縄文」と「弥生」との

境目が曖昧になってきたと記しましたが、

恐らくは「大国主神」のポジションも、

「縄文」と「弥生」との狭間に

位置すると考えたほうが自然なのでしょう。

特に、出雲の地においての「大国主神」とは、

縄文系だけでなく弥生系の人々にとっても、

偉大なる「王」だったという見方もできそうです。