<八重垣神社 やえがきじんじゃ>
紀元前3,000年頃のものとされる
シュメールのレリーフには、
7つの枝がある中央の木を挟むように、
右に牡牛神「ハル」、左に蛇女神「キ」
が描かれているそうです。それらの構図は、
中国の伝説上の帝王・伏羲(ふっき)と、
その妻である女媧(じょか)
のモチーフにも影響を与え、
さらには日本へと伝播し、
出雲神話を代表する神である、
スサノオとクシナダヒメに転写されたと聞きます。
つまり、牡牛神「ハル」がスサノオ、
蛇女神「キ」がクシナダヒメを示し、
二人を巡る物語は「牛族」と「蛇族」
の異類婚姻譚だったというわけなのですね。
ただし、人頭蛇身の姿を取る「伏羲」と「女媧」は、
両者とも蛇神であるという説が一般的であり、
それに倣うならスサノオもクシナダヒメも
「蛇神」である可能性が高くなります。
果たして、「伏羲」と「スサノオ」は、
「牡牛族」なのか「龍蛇族」なのか……、
古代出雲の謎を解くキーワードは、
シュメールの遺物の中にも隠されているようです。