たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

異類婚姻譚

2020-08-07 09:58:33 | 古代の出雲

<八重垣神社 やえがきじんじゃ>

 

紀元前3,000年頃のものとされる

シュメールのレリーフには、

7つの枝がある中央の木を挟むように、

右に牡牛神「ハル」、左に蛇女神「キ」

が描かれているそうです。それらの構図は、

中国の伝説上の帝王・伏羲(ふっき)と、

その妻である女媧(じょか)

のモチーフにも影響を与え、

さらには日本へと伝播し、

出雲神話を代表する神である、

スサノオとクシナダヒメに転写されたと聞きます。

 

つまり、牡牛神「ハル」がスサノオ、

蛇女神「キ」がクシナダヒメを示し、

二人を巡る物語は「牛族」と「蛇族」

の異類婚姻譚だったというわけなのですね。

 

ただし、人頭蛇身の姿を取る「伏羲」と「女媧」は、

両者とも蛇神であるという説が一般的であり、

それに倣うならスサノオもクシナダヒメも

「蛇神」である可能性が高くなります。

果たして、「伏羲」と「スサノオ」は、

「牡牛族」なのか「龍蛇族」なのか……、

古代出雲の謎を解くキーワードは、

シュメールの遺物の中にも隠されているようです。