桑の海 光る雲

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仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳

2019-08-03 19:39:12 | 旅行記
今まで何度か企画して実現できなかった仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳に登ってきました。

7/31は、仙流荘まで車で向かい、そこからバスで登山口の北沢峠に行き、そこにあるこもれび山荘に前泊しました。これによって翌朝早朝からの行動が可能になるのです。こもれび山荘の一階は一人一人の寝床がカーテンで仕切られているのが珍しく、寝付きの悪い私には、遅くまで回りを気にせず本が読めるのでありがたかったです。

8/1は、仙丈ヶ岳に登りました。ヘッドライトを持って来ていないので、周囲が明るくなってきた5時に出発しましたが、ルートははっきりしていたので、あと30分早く出ていれば山の上での眺めをもっと堪能できたのにと、ちょっと後悔しました。
大滝頭までは樹林帯を徐々に詰めていく感じで、さほど苦なく登れましたが、大滝の頭から小仙丈ヶ岳までは斜度もきつくなり、稜線をほとんど直登していくのでかなりバテました。途中で森林限界を超えるので、日中の日差しのきつい時間帯はかなり消耗すると思われます。
小仙丈ヶ岳からの眺望は、ガスは出始めていたものの素晴らしかったです。南には富士山・北岳・間ノ岳の“標高ベスト3”が並んで眺められ、さらにその西遠くには、未踏の塩見岳が見えます。東から北にかけては鳳凰三山と甲斐駒ヶ岳、その奥には八ヶ岳が見えます。北から西にかけては北アルプスと中央アルプスが見えるはずなのですが、残念ながら雲が出始めてあまり見えません。しかし、遙か遠くにはっきりと、かつて縦走した槍穂連峰を認めることができ、中でも槍ヶ岳の“穂”と大キレットの形は明確に見てとることができました。
山頂にはガスがかからないうちに到着することができました。居合わせた人たちとの話も弾み、のんびりとひとときを過ごせました。意外と高山植物も咲いていました。そのうちにガスがどんどん出てきて、南と東に見えた山々は見えなくなってしまいました。
下りは一般的には藪沢方面へのルートをとるようですが、小仙丈ヶ岳からの眺望を再度楽しみたいと思い、来た道をそのまま引き返しました。小仙丈ヶ岳まで来ると、遠くの山々は見えなくなったものの、カールの向こうに聳える仙丈ヶ岳の姿はもう一度目に焼き付けました。後は淡々と下って北沢峠に到着したのですが、なんと往復で6時間かかりませんでした。ランチにスープカレーをいただき、本を読んだり昼寝をしたりして、夕食までの時間を過ごしました。

8/2は、甲斐駒ヶ岳に登りました。こちらの山こそ青空の下登頂したかったのと、仙丈ヶ岳よりも時間がかかるため、4時半に登り始めました。北沢から仙水峠に登るルートを取ったのは、眺めが良いのと、ガスがかからないうちに摩利支天と山頂部分を眺めたいと思ったからですが、これは結果的に正解でした。
北沢沿いのルートは淡々と登るだけでしたが、仙水峠から駒津峰への登りは実にきつかった!下山する人がいなかったので、ペースを崩さず登れたのは良かったのですが、今回の山行で一番きつい登りでした。途中からは北岳・間ノ岳・仙丈ヶ岳がきれいに眺められました。
駒津峰の山頂からの眺望も素晴らしかったのですが、仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳には早くもガスがかかり始めました。ここから六方石までの稜線歩き、巻き道の最初の部分あたりは、大きな岩を登ったり下りたりと、三点支持の連続で、朝露で岩が濡れていたこともあり、ちょっとヒヤヒヤしました。そこを過ぎると、甲斐駒ヶ岳の特徴である白い砂の登りの連続です。途中標識が見えにくいところがあり、ルートを間違ってしまうことが2,3度ありました(下山時もそうでした)。黒戸尾根からのルートとの合流点から見ると、尾根を登ってくる人が何人もいるのに驚きました。
山頂は広々としており、あちこちに巨岩が転がっています。朝早いため、私以外には人は1人しかいませんでした。一服していたのを無理を言って写真を写してもらいました。10分ほど静かな山頂で過ごしているうちに、次々に人が登ってきました。前夜の宿で一緒だった人も2人やって来たので、いろんな話をして、これまた楽しいひとときを過ごせました。
小1時間ほどして人がどんどん増えてきたので、下山することにしました。駒津峰からは、仙水峠へ下ると途中かなり多くの人とすれ違うことが予想されたので、行きとは別ルートの双児山へのルートを取りました。結果的にこれは正解で、途中10人ほどの人としかすれ違いませんでした。なお、途中でオコジョがまるまる太った大きなネズミをくわえて運んでいくのを見ました。昨年の雲ノ平周遊の時もオコジョを見かけましたが、南アルプスにも生息しているんですね。
予定通りお昼前には下山できたので、こもれび山荘名物の、今日はタコライスを頂きました。同じテーブルになった方と話していると、なんと礼文島・星観荘宿泊経験者とのことで、思いがけないところで星観荘ネタで盛り上がれて楽しかったです。それ以外にも、山小屋や山頂で一緒になった方々といろいろ話をすることができたのは良かったです。
仙流荘にバスで戻り、バスを降りるとものすごい暑さでした。すぐに仙流荘で風呂に入って汗を流しました。風呂から上がって車に乗ろうとすると、突然雷が鳴りました。早く下山できて良かったと思うと同時に、まだ山にいる人たちは雷雨に遭うのではないかと心配になりました。また、ここ三日間冷房のないところで過ごしていたので、帰りのバスの中の冷房のために頭痛がしてしまいました。

今回の山行も、まずまず楽しめましたが、やはり快晴の空の下、両方の山に再度登りたいと思いました。


小仙丈ヶ岳からの仙丈ヶ岳

仙丈ヶ岳

藪沢カールの向こうの仙丈ヶ岳山頂

仙丈ヶ岳山頂標

小仙丈ヶ岳から見た北岳と間ノ岳

小仙丈ヶ岳から見た甲斐駒ヶ岳

小仙丈ヶ岳から見た甲斐駒ヶ岳山頂部分

ミヤママンネングサ

チシマギキョウ

仙水峠からの摩利支天と甲斐駒ヶ岳

駒津峰からの甲斐駒ヶ岳

六方石からの甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ヶ岳山頂標

駒津峰への稜線からの北岳・間ノ岳・塩見岳

駒津峰への稜線からの仙丈ヶ岳

駒津峰への稜線からの鳳凰三山
コメント
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