連・断・続の部屋  

捨てる過去など何もなく、日々の社会との繫がり、自己の活性化、整理のためにつぶやく。

新しい物に目を奪われ、ふるきを捨て去る

2006-06-28 10:10:33 | 健康・病気

せんぢ血液疾患センターは血液疾患を専門としているので、古典的形態学を踏襲して、骨髄像、末梢血液像をメイギムザ染色、特殊染色(鉄、ASD-エステラーゼ、α-naphtyl-エステラーゼ、ぺルオキシダーゼ、好中球アルカリフォスファターゼなど)を染色して顕鏡します。白血球数の多い症例は、短時間で終了するのですが、白血球の少ない、骨髄異形成症候群などに要する時間は、1時間ではすみません。時間に見合った検査料ではないなと実感します。しかし、百聞は一見にしかずのたとえ通り、情報量は多いのです。

最近は高額な、白血球表面形質検査とか、遺伝子再構成異常検査などに移行してしまって、特殊染色は他の施設は行っていないなと実感する症例が紹介されてきます。”金にならず時間がかかる”形態学から血液専門医も遠ざかって、診断能力が落ちている施設が急増しているんだと実感させられる機会が多くて!心根寒さを覚えます。

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また!血球貪食症候群再発症例が紹介されてきました

2006-06-26 09:12:20 | 健康・病気

血球貪食症候群は、日本医師会で漫画パンフレットが出されています。

白血病より怖い血球貪食症候群!

熱と言って受診し、風邪と診断され帰宅。症状悪化で、某中核病院受診し、その後急激な変化で、某大学病院へ。救急車に乗るときは、両親に後で病院でと言ってから乗車した患者は、両親がついたときには意識無く、意識を取り戻したら、半身麻痺、記憶力喪失。

半年後の今回は、発熱だけでなく末梢血液検査の異常が出現していたので、紹介されてきました。肝機能もすごい異常値。

この2~3年、急増しています。一体どうしたのでしょう?

微生物の逆襲?人間の劣化?

朝は元気だったのに、夕には床に伏し、明日をも知れない病気がはやり始めてきたようです。桑原、桑原!

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予測外の異常事態が医療行為中に発生したとき、情報を伝達する人員的余裕はあるか?

2006-06-23 13:59:37 | 健康・病気

22日午後7時30分からのNHKクローズアップ現代は、福島県立大野病院産婦人科医師の逮捕をきっかけにした動きをテーマにしていた。”緊急””重労働”に直面する可能性のある診療科敬遠が、さらに加速され閉鎖にいたった状態を、医療の信頼性が揺らいでいる、無責任と、その原因を医療側に押し付けているように受け止められた。

今、切実に求められているのは、病気になる個々人の情報は得られがたく、特に、平均からずれた状態が発生した患者については、医学常識を超えた状態で、生命の危険性が大きくなり、死が目前に迫った状態になるという常識を持ってもらう。

緊急事態に至る症例を、可能なかぎり少なく、避けるためには、医療検査を、精細に行える医療活動の経済的裏づけを保障し(現在の医療費削減は逆行)、説明可能な時間確保をするための人員補充(医療専門家の育成は早急にいかないので、役に立つ人員は補充できないので、医療施設の削減はやむをえないと考えてもらわなければ困る。)。

患者は、今までの家族の生体情報を医療側に伝える。

医療現場は、人員を確保し、説明できる体制をとる。

人員補充可能な、医療経済の整備。

知識亢進可能な、時間的余裕を医療者に与える。

神ではない、医師が見通せない患者の急変状態に対する、医療現場の実態の把握を、報道してほしい。刻々と変化する状態に対して、瞬時に判断し、処置を指示し、実行する、さらなる変化に対応してまた、事態の把握、指示しながら医師としての医療行為を行う。

今の、保障されている医療体制は、常のときであって、緊急事態に対応ではない。緊急事態なんて、めったに起きません。しかし、起きたときの人手は、余計にいるでしょう。この余計な人を常ではどのように確保しておけばよいでしょうか!

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説明書を虚心坦懐に実行してやっと開封!ケイツーN

2006-06-18 22:19:45 | 日記・エッセイ・コラム

月に一度の無菌調剤の日

ケイツーNの調剤は3回目。指示通りに凹凸の無い袋を下方に向かって押し、つまみ、右にひっぱり、破線のしるしから外袋は左右に切り離されました。

”たるみ”が無い外袋と考えた先入観が、

説明どおりに行動しなかった原因でしょうか?       46570001_r1_1

新しいことには虚心坦懐、謙虚に

親切な説明書どおりに行動後に、

問題を提起しなければならないなと反省しきりです。

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日野原重明氏は現役の医師!?

2006-06-16 16:00:17 | インポート

宮城県の地方TVで、日野原重明氏が県内を訪問している映像の紹介で、現役の医師と報じていました。

現役の医師という紹介文言に、医師に求めることは一体なんだろうと考えてしまいました。

日野原氏の近傍にいないので、日常の行動を知りませんので現役医師という立場を否定しているわけではありません。

現役の医師が行わなければならない仕事としての義務の範囲は一体何なのか?元弁護士とか、元教師とかと紹介されますが、医師は、元とはならないのか?医療行為とは一体何を行うことなのか?

新しく導入された医療機器を使いこなすためのストレス、血管確保に悪戦苦闘し、患者側からは、説明が不十分、そんな話は聞いていないとかなじられている、市井のしがない医師の感想です。

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治療の優先順位

2006-06-15 11:55:28 | 健康・病気

他県の大学病院から転院された患者、宮城県の病院からの紹介患者。いずれの方も、経時的に診療を行っていない患者です。

受診時に、血液疾患以外に起因する重篤な合併症が一目診てわかる状態で、対応した専門的処置を早急に要することが判断できました。

非定形的な特殊な状態を、不慣れな疾患に原因を求める

診断可能な疾患にすべての原因を帰結させてしまう

急速に進行する状態からの逃避を図る

ためだったのか、当院の診療に対する信頼が厚かったのか不明ですが、心臓肥大、心不全、下肢壊疽は、専門医による緊急処置で、安定してからの紹介が、ベスト対応だったのではないかと考えたいのですがいかがでしょうか?

いずれの方も、当院での処置範囲ではないことを確定するのに半日を要し、その後連携のある、基礎に血液疾患があっても、受診を拒否しない病院に転院を受け入れていただきました。

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手になじんだ道具、使い慣れた器械

2006-06-14 07:02:13 | 健康・病気

弘法筆を選ばず。

凡人の私は、手になじんだ品が使いやすく、失敗も少ないです。新しい医療機器を使うときは心身ともに消耗します。医療経済が逼迫してきたためだけではなく、新機種導入のときに、入札して安いほうが落札するという制度は、どのような人々が決めたのでしょうか?

使いなれた機種が型を更新したときは、前の制度を踏襲していることが多く、記憶した知識は役に立ちます。まったく別の機種ですと、新たな研修が必要です。医療現場で、この研修時間は、きわめて限られたものです。すなわち、慣れなくても使わざるをえない、泡を食うような急激な変化が起きたときには手間取るということです。”出来なければ困る”と、だから”出来る”とは別物です。ましては”上手に出来る”とは一緒のことではありません。私は、内科医で、日常使うのは、骨髄穿刺針、翼状針、中心静脈穿刺針、超音波機器でしかなく、生命に危険を及ぼす可能性は低いのですが、それさえも、日常使用しているのと違っていると、使い勝手が異なって時間がかかったり、針ですと、失敗して痛い思いをさせたり、危険な目にあわせそうで、ストレスで疲労困憊します。

新庄病院の”談合”といって、新機種導入が世間沙汰になっていますが、使い慣れた機種、トラブル時の対応が早いというのが、理由の第1のようで、医師の私には肯定できることです。”金銭の受け渡しはしていないんです”とのことを真に受けての判断です。

使い勝手が良い、なじんだという、使用者の立場も、考慮した社会になってほしいです。

”お金が動いているんではないの”とか、”選択の公平”とかばかりを問題視して、使用者の技術という個を無視した、不公平な裁定を、”当事者的体験をすることがまったくない人々が、知らないのを最大の武器にして、うがった判断することに同じ医療者として、世間に対して不快感をおぼえます。

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瀕死の状態からの回復を喜びを持って迎えられませんか!

2006-06-11 21:39:30 | 健康・病気

短期間に重篤になって入院された患者の状態を把握するのは、一般の方が考えるほど容易なことではありません。個々に異なる、患者情報が、患者側から入手しがたいことにも一因があります。今可能な、医療検査、特に保健適応になっている検査は、膨大な生体情報の本一部にしか過ぎません。

しかし、患者家族の要望というか、欲望は限りなく肥大しています。

最近も、健康な毎日を送られていた方が、感染症にしか考えられない状態から数日で、悪化し、生命の保証が無い状態にまで悪化して入院された方の家族が、1週間後、やっと快方に向かったと思ったら、この先の方針についてお伺いしたいと来院された。入院当日の詳細な説明を行ったその場に居合わせなかった家族の一員がいて、聞きたいというのが本音のようであった。しかも、これから先の見通し、期間、医療費など、経済的要因が主なのであった。

重篤であろうが無かろうが、マニュアルに沿って医療行為を行えば結果の如何は、マークシート方式で、はずれた度合いに応じて責を負うというのであれば、重篤な患者の場合、医療サイドはどんなにか楽になるのではないでしょうか。

生命保険は、危険因子に応じて保険の掛け金が大きくなるようになってきていますね。

瀕死から回復したことを、患者自身、本人も、今日一日生き延びて、快方に向かったことに対する感謝は、生をいつくしむ気持ちにも通じると思うのですが、感謝(医療者に感謝を要求しているのではありません。宗教にも通じる気持ちとしてです)を願うほうが無理なのでしょうか。

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テーラーメイド医療を希望していますか?

2006-06-10 22:52:26 | 健康・病気

テーラーメイド、衣類で言えば、個人のサイズに合わせた注文服。当然、計測が必要ですね。

医療分野では、遺伝情報の解析がすすみ、悪性腫瘍の個人差に注目した頃から、頻繁に登場し始めた言い方です。

仙台血液疾患センター院長、宇塚善郎先生は、急性白血病の治療に対して、1970年代から、頻回の末梢血検査、骨髄検査のデータに対応した薬剤投与量を提唱してきました。これも、テーラーメイドといえます。

同じ病名だからといって、薬剤投与量が同じで同じような効果が得られると考えるのは”病気になれば、個人差は無くなるのだ"と言い換えてみれば、変なことだと了解出来るのではないでしょうか。期待する側から言えば、これだけのことをしたのだから、結果をだしてもらわなければこまるのだ!とねじ込んでくるのには好都合でしょうがね。

現在の保健医療制度の下で、テーラーメイド医療の提供は可能かと考えると、医療費の高騰につながる、テーラーメイド医療は、不可能ではないでしょうか。今年の4月から、病状の変化著しく、出血傾向が著しく、血小板減少著明な方の血液検査は、10回以上は画一的に、支払いを拒否、電解質は、健常者では一定の狭い範囲内で調整されているのですが、病気なると、調節しにくくなり、検査値に基づいた補充を行わないと、思わぬ別の臓器に生命にかかわる変化がおきてくるので、重篤な状態にならない前に、調節したいと検査するのですが、刻々と半跏する病状に合わせた検査なんかもちろん認められませんし、毎日の検査だって拒否されます。こんな基本的な検査さえ、保健での支払いが拒否されているのに、テーラメイド医療が提供されると考えられます?

テーラーメイド診断さえつけば、その後の変化はすべて判明するほど、人間の毎日の変化はお見通しと考えられるのでしょうか?

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日本は貧しい国

2006-06-01 11:39:32 | 日記・エッセイ・コラム

だから、インド国内での成長できるために資金援助をしてくれる里親になってくれるよう希望されたマザーテレサの言葉を31日昼の宮城学院女子大学での奨励礼拝で、新谷のり子さんが述べられました。

病院に入院した患者は、落伍者としての烙印を押され、社会からの脱落を強制されることを再三ならず実感してきました。義務教育でない高校生である患者が、学校から退学する様にやんわりと要請されるのです。理由は、勉学の遅れでいじめの対象になり、問題を起す要因があるというのです。

家族の元に帰しなさいという一言も身に沁みました。病院に棄民に近い状態の老人が増えてきたのです。

日本は、経済的には富める国ですが、家族の絆、隣近所の人との絆は薄れ、常と異なる人に対する蔑視、排除が強い国です。問題が起きれば、過剰に反応し、分析し方法は提示されますが、機械的、マニュアル的解決法で、人のかかわりは改善されているように見えません。心は無いようではなく、気になるけど実行しない。シャイな日本人だからとは、マスコミに露出したい日本の姿からは思えません。一体どうしてしまったんでしょうか。

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