連・断・続の部屋  

捨てる過去など何もなく、日々の社会との繫がり、自己の活性化、整理のためにつぶやく。

がん患者の妊娠

2017-06-24 10:59:20 | 健康・病気
 NHKニュースで、”がん治療後の妊娠、出産”妊孕性温存へのガイドラインを癌治療学会がまとめたとの聞き、感慨を覚えます。http://www.j-sfp.org/ped/preserve.html、http://www.j-sfp.org/ped/dl/Cancer_treatment_brochure_M.pdf、http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017061901002079.html

40年前の、第1例目の骨髄移植時には、治癒を目指して、移植技術の取得に始まりで、将来の妊娠出産を思い描くどころではありませんでした。現在は、彼女は仕事をしながら自立した生活ですが、独身であることは、重症疾患既往の影響かなと思うところがあります。

 慢性白血病は、今は、分子標的薬の開発という画期的進歩により骨髄移植適応から除外されましたが、
1980年、1990年、40年~30年前は、慢性骨髄性白血病は、骨髄移植適応でしたので、健康そのものに見えるひとが移植適応になり、男性患者には、生殖関連の説明をして、”精子の凍結保存”を試み、不妊外来にお願いしましたが、保存期間は1年のみという説明に、結婚相手もいないのに、1年では、受精卵提供の相手の目途がたたないと落胆し、でも。1年後に世界が変わっていることを期待してという症例が何人かおりました。残念ながら、精子利用の機会は訪れませんでした。

女性患者は、当時も、人工授精は始まっていましたが、卵子の凍結技術はまだで、不妊を半ば覚悟しながらでも、
完全寛解持続、抗ガン剤治療後に、無事に子を授かると、祝福にあふれました。

妊娠第1期に、出血で白血病が発見された患者は、DICを合併していたので、中絶手技で、絶命の危険高いということで、妊娠を継続し、胎児は無事生育し、妊娠8カ月目に、自然分娩で健児を得、現在まで健康で、何の障害もなく生活していることに安堵しております。
 
妊娠を強く希望し、人工授精も試みていた外来通院治療中の女性には、治療は必要であるが、受精確認出来たら、胎盤形成前までは、内服し継続。ということで、妊娠可能性に注意を払ってといいつつ、日常診療を行い、安産で健児を得て、その後も順調な成長。

 がん治療中である女性の妊娠はさすがに例外的ですが、男性患者は、様々です。
 妻の妊娠を知らされ、患者の治療状態にはハラハラドキドキしながら細心の体制で臨んでいるに加え、出産後の子供の様子にも気になりましたが、幸いに健児で、順調に成人しているようです。
 ですが、がん治療後の不妊は、女性患者に多く、自立した望む生活がおくれているかしらとその後も気がかりです。

一歩一歩、医学が進歩して、情報を提供し、その情報を活用して、
生き生きと苦痛なく生活し、寿命を迎える日まで、自立して人の手を煩わせないで最期の日を迎えられるように!

最先端を切り開いていく医療からは遠ざかりつつある身ですが、身近な人に、食を含めた情報を伝えるということで、医療者としての生涯を送っていきたいなと思っています。

 


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共謀罪の成立

2017-06-18 16:33:18 | 社会・経済
15日朝、自民、公明、日本維新の会の賛成で、テロ等準備罪=共謀罪が、奇策により成立。

思い浮かぶのは、≪人生論ノート≫の著者の、三木清氏の獄中死。

思想犯として拘留されていたところを逃走した旧友の高倉輝訪ね来て、その晩泊め。翌日外套を与えて送り出し、そのことを警察が知るところとなり、逮捕獄中の人となった。敗戦後も釈放されることなく、独房で、獄中で感染した疥癬により苦しさのあまり、寝どころから転がり落ち、絶命した。という、岸見一郎氏の、人生論ノート他二編の解説から。
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