すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

とんちんかんちん、一休さん・・・ならぬ、頓珍漢キヨちゃん。

2016-10-25 16:14:19 | うちのキヨちゃん
 3日ほど前、後縦靭帯骨化症の手術痕辺りについて、
 「たまらん痛い。化膿しよるんじゃないかと思うほどじゃ。」
と言い始めた。勿論、術後2年なのだから、今更化膿するという事は無いだろうが、傷口が痛いとか、もしかしたら中の金属が悪さしているのでは・・・と、心配が無いわけでもない。
 すると翌日、
 「手打ち掛け(肩甲骨あたり)が痛い。」
と左の肩甲骨あたりにシップを貼ってくれと訴えがあった。
 手術痕の痛みがなくなったのでとりあえず安心していたら、昨日戻るとくりりんから、
 「お母さん、腰が痛いんやって。今日は畑を上り下りしたらしいから、どこか痛めたかな?とりあえず、温めて寝るようにお風呂は準備したけど、入った形跡がない。」
と言う。
 行ってみるとすでに布団の中、着替えた下着類は放置してあったので洗濯する。声掛けに、
 「母ちゃん弱った。今日はあずった(てこずった)わ。歩けんなった。」
と言う。痛むのは左の腰骨辺り。腰ではないから圧迫骨折などでは無いと思うが、シャープな痛みが急にくるという。なので、歩けないわけではないが、歩いていて足が利かなくなるらしい。
 幸いというべきか、今日私は休みだった。なので、通院する事に決めた。
 朝起きてみると、乾燥機の中の鍋がない。いつもキヨちゃんは夜中目が覚めると、洗い物を乾かしている食器などを片付ける。夕べは辛かろうと、私が片付けたのだが、一度に入りきらなかった鍋だけ乾かしていたのだ。なにも、こんな時にしなくてもいいのに・・・と思いつつ、まあ、歩けるってことやな・・・と一安心。
 病院へ行く時は杖で安定して歩けた。痛みも昨日より断然マシだというので、多分単なる「使い痛め」だろうと思うが、念のために通院。
 当然、予約無しなので時間はめちゃかかり、お昼前にようやく診察。
 「どうされました?」
先生の話に、
 「3日前から背中が痛く・・・」
から順を追って説明した。では、診察台にうつ伏せに寝てくださいと言われ、横になるキヨちゃん。背中の傷を見た医師は、
 「傷は綺麗なあ・・・。」
と一人ごち、
 「痛んだのはこの辺りですか?」
と傷痕を撫でた。するとキヨちゃん。
 「いや、痛いのは腰です。」
と言う。
 「いやいや、腰は今だろう?先に痛かったのは?」
と耳の遠いキヨちゃんにフォローを入れる。しかし、
 「背中の骨の辺りです。」
と肩甲骨の事を言う。
 そこで、
 「だから、それは一昨日だろう?3日前は?」
で初めて、
 「真ん中が膿んだみたいに痛かったんです。」
とキヨちゃん。
 「傷は綺麗ですよ。今は痛くないんですね?」
 「はい。」
 「で、今は腰ですか?」
と腰は腰で腰椎の脊柱管狭窄症の手術をしているので、そのことを心配して診てくれたが、結局痛いのは左だけ(大転子部)。
 「手術痕とは関係ナイみたいですね。どうしますか?レントゲン撮りますか?」
と言うので、
 「10日に受診にはなってるんです。」
と私。
 「でもレントゲンは撮りたい。」
とキヨちゃん。
 で、それじゃあ、レントゲン撮りますか~?となりかけると、
 「ほんでも、レントゲン何べんもはいかんわなあ。様子見ようか。」
とキヨちゃん。
 で、結局痛み止めとシップを貰って終わり。ま、ええんじゃけどな。
 帰り、遅めの昼食を取る。メニューを見ながら、
 「母ちゃんカツ丼がええ。」
とカツどんの定食を頼んだ。食べきれまいと、私はうどんにしたのだが、案の定と言うかそれ以上の出来事が。あろうことかキヨちゃんは、
 「母ちゃん肉要らん。食べてくれ。」
とカツを私に取れと言う。
 え・・・と、カツ丼のカツを抜いたら何のこっちゃである。
 そして、さらに帰って一番に洗濯をする、畑に行こうとするキヨちゃん。
 「大概にしないよ!今日、たった今病院行ってきたんでよ。今日くらい大人しいにしとんない!」
と叱って見たものの、聞くはずも無い。
 そう言えば帰り道、立ち寄った店で近所のおばちゃんに会った。
 「すずちゃんの言う事聞いて、無理したらあかんのでよ。」
とおばちゃんが言えば、
 「聞きっよる。聞きっよる!黙って大人しいしとる。」
と言い切っていたなあ・・・キヨちゃん。
 ほんまにほんまに、もう!である。

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2 コメント

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山のすずめ様 (すずしろ)
2016-10-26 21:32:18
そうだったんですね・・・。
重篤な状態だと、初めのお話から想像する事は出来ましたが、まさか・・・です。
どんな言葉をかけても、多分悲しみが癒えるほどではないでしょうし、かけるべき言葉も見つかりません。
父を送った経験はありますが、夫はまた違うと思います。キヨちゃんが父を失ったときの喪失感は、娘の私とは全然違う物でした。
ただ、「忙しい」ということが、有り難かったことは間違いありません。最初の1年は、本当にすることが多くて、多分、悲しみを忘れさせるためにも、こういう雑事が必要なんだろうと思います。
無理に元気になる必要は無いと思います。悲しんでばかりではいけないと思いますが、辛い物は辛いのだし、悲しい時は悲しいのだもの。
きっと、そのままのすずめさんを、きっと周りの人が支えてくれるんじゃないかと思います。
キヨちゃんも「得心いくまで」悲しみました。思い出にも浸りました。それをご住職は止めませんでした。
ごめんなさい。本当に何のお力にもなれませんが、すずめさんがまた元気になってくれるのを、心待ちにしてます。
ご主人様のご冥福をお祈りいたします。
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さすが きよちゃん (山のすずめ)
2016-10-25 22:40:34
こんばんは すずちゃん、お久しぶりです。
実は 先週 夫が 逝ってしまい 悲しみの どん底まで落ちてしまったので コメントも 遠慮してました。
でもね…
泣いてばかりいても だめなのよね、なんやかんやと せなあかん事 いっぱいあるんよね。

三日行った仕事は 昨日まで休んで、今日からまた行き始めましたよ。又、一から出直しです。

悲しみの中でも、姉の家族、夫の弟、友人に支えられ 励まされ どうにか 歩きだす事ができました。
すずちゃんのブログも ずっと 癒しになってます。
今日は きよちゃんのお話で たまらずに 出てしまいました。

長くなり 申し訳ありません。山の中のお一人様に なってしまったので 楽しい ご家族の 様子を 楽しみにしてます。
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