すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

いじらしい話?切ない話?

2022-05-24 20:48:38 | ひとりごと
 高校生の頃、同級生の家に生まれた柴の子犬を貰ってきていた。名前はラグ。これが、別に障害があったわけでもないのだが、全く吠えない犬だった。感情表現はちゃんとするのだが、鳴かない。もしかしたら、声が出ないのかな?と思っていたら、狂犬病の予防接種の時、初めて一声吠えて、
 「声出るんじゃな。」
とキヨちゃんが驚いたほどだった。
 さて、私が大学生になり単身赴任の父がいないとキヨちゃんが独居になった。まだまだ若いキヨちゃんだったが、犬と二人だけの生活を心配した父が(実際空き巣もあったので)、出稼ぎ先にラグと一緒に連れて行き、週末一緒に帰ると言う生活に変えた。
 そこは土木関係の飯場(今は差別的で使わないらしい。つまり宿泊施設)で、泊るところと食事には事欠かない。肉体労働の男たちの職場なので、毎日必ず魚や肉が出て、残飯もそれらが十分ある。
 なので、そこにいる間ラグはそれはもう贅沢な食生活をしていて、週末帰ると汁かけご飯(これ、今は叱られますよね)で、がっかりするという状態だった。
 さて、このラグに恋人(恋犬?)が出来た。勿論野良犬なので、職場の人からは追い払われていた。しかし、健気にもラグは自分のエサを残して、この犬に貢いでいた。父に見つかって叱られてからは、裏道を通ってせっせとエサを運んだ。
 これには父もやられてしまい、見逃すことになった。懐かしい話だ。

 さて、何故この話を思い出したかと言うと、先日知り合いの家に行くとやたらと懐いてくる野良猫がいた。
 「うちのくーちゃんの彼女なんよ。」
と飼い主。認めているわけではないが、どうにも懐いてしまっている。戸を開けて中に誘い込んでエサを分けてしまうので、飼い主はそうしないように注意していた。 
 さて、このくーちゃんの彼女が、屋根裏で子猫を生んだと言う。
 「くーちゃんって・・・。」
 「うん、去勢してる・・・。」
つまりよその男の子供をくーちゃん家の屋根裏で産んで、その猫にくーちゃんは貢いでいるわけだ。
 何ともいじらしいというか、切ないと言うか・・・。

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3 コメント

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Unknown (山のスズメ)
2022-05-24 23:31:58
ほっこりするような、犬猫物語ですね。
人も優しくて、よその猫のお世話も頑張れ!です。
Unknown (ふくだ)
2022-05-25 11:51:31
人間に限らず、犬や猫の世界にも
知らない方が幸せということがございますね(笑)。
Unknown (すずしろ)
2022-05-26 20:00:51
山のスズメ様
恋するものは、いじらしいですよね。

ふくだ様
あ、それも確かに(;一_一)

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