すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

味付け

2008-06-23 22:27:41 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんは料理上手な方だと思う。決してご馳走が作れるとか、店が出せる腕前だとかではない。我が家の「おふくろの味」だから、美味しいと感じるだけかも知れない。子供としての欲目はあるが、味付けは上手だと思う。
 ところが、最近は年のせいもあるのか時々びっくりするほど濃い味付けの日がある。キヨちゃんはもともと鹿児島なので、味付けは「しっかり」している方だ。ただ私も父も「薄味」なので、合わせて薄味の味付けにしているのだ。
 そこへ持ってきて、キヨちゃん独自の天然がマックスになると、料理上手味付け上手の母はなりを潜める。
 うっかり私の鰻丼だけうなぎのたれと間違えて「焼き肉のたれ」を塗る。うっかりカレーのルーにクリームシチューのルーを混ぜる。うっかり・・・。
 そんなキヨちゃんだが、私が料理を作ると必ず味見をしてもらう。その少しのアドバイスで味が決まるからである。しかし、今朝ちょっと信念を揺るがす事があった。
 食後のコーヒーを飲もうとした私だが、カフェオレにしたくなった。よりあっさりと「豆乳」を使うのが私流だ。そこへ「食いしん坊」のキヨちゃんが現れて
 「何飲んみょん?」
と欲しそうにした。
 「飲む?」
と私は飲みかけのカップを手渡す。
 「おいしい?」
そう聞いた私に、味付け上手のキヨちゃんは少し考えてからこう答えた。
 「う・・・ん。塩が効いてない。」


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コメント (5)
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