今日で8月は終わる。ということは明日は9月1日。つまり関東大震災の日である。この日と1月17日の2度、日本中が地震について考える。盆と正月ではないが、神様は不思議なバランスを取るものだ。夏と冬、日本の東と西にそれぞれ1ヶ所ずつ、地震の記憶をしっかり刻み込んでいる。さて、南関東直下型地震の再来は?
関東大震災から今年で81年になる。天災は忘れたころにやって来る――といわれるが、地震のインターバ . . . 本文を読む
アテネ・オリンピックが終わって、本当に夏が行ってしまったような気分だ。人間の肉体の可能性と、ドーピングに走る心の弱さの両方を思い知らされたような17日間だった。今年も残す所あと4ヶ月。多分、こんな具合に過ぎていくのだろう。
オリンピックが終わってメディアの関心は再びイラク。そして「9・11」がやってくる。気分の落ち込んだところに自民党の役員人事と内閣改造。いっそう気分をめいらせている間に、郵 . . . 本文を読む
「三位一体改革」なる国と地方の政府間バトルがにぎやかだ。小泉改革の一つとされているこの作業、だれが思いついたか「三位一体」などという宗教用語を冠したものだから何のことかわかりにくくなっているが、そのまま日本語にすれば「地方財政自立改革」といったところか。
国と地方の関係は、国税と地方税の規模は6対4程度なのに、事務量は4対6と地方の方が多い。そのままでは地方財政は当然、歳入が不足するわけだか . . . 本文を読む
アテネで世界のトップアスリートたちが見事な人間美を競っているその時に、ロシアの空では2機の旅客機がほぼ同時に墜落し、イラクでは反米サドル派のたてこもるモスク周辺を米軍が攻撃し、台湾では台風豪雨で町が水没し、沖縄では大学の構内に墜落した訓練ヘリを米軍が日本の司法に触らせないで回収し、東京では郵政改革だ三位一体改革だと役人たちが走り回る。人間は、どうして地球をこんなに騒々しくしてしまったのだろう。
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死者が出なかったことが不思議なくらいだった沖縄・米軍普天間基地のヘリ墜落事故。日米安保の現実をまざまざと見せてくれた。基地外の大学敷地に墜落したのに、日本の司法による現場検証が行なわれる前に米軍がさっさと残骸を引き上げた。日本の警察は「捜査妨害」として逮捕もできない。そうした国が、国連の常任理事国に立候補して、笑われないかな?
日米安保条約の細かい内容は知らないが、きっとこういう事態でも日本 . . . 本文を読む
アテネ五輪女子マラソンの野口みずき選手の金メダルは素晴らしかった。マラソンという最も過酷な、世界トップの女性アスリートが競っているレースの先頭を、日本の、ごく普通に町で見かけそうな女性が走っている、その姿をテレビで観ながら「立派だなあ」「けなげだなあ」と感動していた私は、終盤、追いすがるケニアのヌデレバ選手を引き離しにかかる野口選手のアップの映像に、不謹慎にも「美しい!」と叫んでしまった。
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話題の映画「華氏911」を観た。面白かったが気分は醒めた。「よくこんな映像を見つけ出してきたなあ」と感心させられる一方で、主張に対する検証・反論がないから醒めてしまうのである。映画館は通常よりはるかに混んでいた。こういう映画を見ようという人がたくさんいることは結構なことだが、これを観て「感動しました」と涙を流すようではむしろ危険である。
同時多発テロ勃発時に、随行員から耳打ちされたブッシュ大 . . . 本文を読む
昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」が、義務教育費の国庫負担金問題を取り上げていた。新潟市で開かれた全国知事会議が、三位一体改革の一環でこの負担金を地方財源化候補に入れるか入れないかで紛糾したので、急遽、特集を組んだらしい。こんな堅い話をよく取り上げたと感心して眺めていたのだが、「ひょっとして」と思い当たる節があり、慄然としてしまった。
義務教育の教員給与の半額を国庫から支出している現行の負 . . . 本文を読む
映画「スパイダーマン2」を観た。途中、少し眠くなってしまった。その程度の映画だった。まったくつまらなかった、というわけではない。スピード感のあるCG?技術は期待通り満足させられたし、ムキムキのヒーローでないあたりも笑わせた。でもね、「マトリックス」とか中国の「グリーン・ディスティニー(間違ってる?)」とか、この種の「作りもの映画」はそろそろ限界ではないかな。
人間が人間らしさを演じていた、古 . . . 本文を読む
お盆休みの暇をもてあましてのことなので、いささか閑話でお許し願いたい。公務員の人たちって、どうして職場でサンダル履きなのだろう、ということ。もちろん公務員すべてがそうだとは言わないけれど、お役所めいたところで見かけることが多いように思う。パタパタと気の抜けた音を響かせながら、トイレにでも行く様子を見かけると、「このおじさん、自分の仕事をどう思っているんだろう」って、つい考えてしまう。
どこか . . . 本文を読む
オリンピック体操男子団体戦で、日本は28年ぶりに「金」を射止めた。金を失って6大会ぶり、メダルから全く遠ざかって2大会を経ている。体操ニッポン復活である。東欧、米国、中国などに、全く置き去りにされた感のあった日本が、なぜ復活できたのだろう。それはジュニア時代からの、息の長い計画的な強化が花開いたという一面があるらしい。
水泳も陸上も、日本は世界の水準に遠く及ばない時代を耐えてきた。そして地道 . . . 本文を読む
アテネから、日本選手の感動的活躍ぶりが伝えられる中、プロ野球「読売巨人軍」の渡辺恒雄オーナーが辞任というニュースが飛び込んできた。大学球界の金の卵に、巨人軍スカウトが現金を渡していた、その道義的責任をとってという理由だった。五輪選手たちの爽やかさに比べ、「野球業界」のいかに汚れていることか。そのことを見せ付ける事件だが、私が瞬間的に覚えたのは「あっ、渡辺オーナーは逃げたな」という感覚だった。
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今日が帰省ラッシュのピークだと、テレビは高速道路下り線の長い長い渋滞を映し出している。今日8月13日は「迎え盆」の日。日本人はなぜ、お盆になるとこうやって、帰巣本能に目覚めたかのように郷里を目指すのか。
正月と共に日本人に特別な感情を呼び起こすお盆は、お坊さんにお経を上げてもらい、迎え火をたいて墓参りしたりするから、てっきり仏教伝来によってもたらされた宗教的行事だと思っていた。ところが、お盆 . . . 本文を読む
アテネ・オリンピック開幕! いやぁ、開幕前に女子サッカー1次リーグ第1戦で、日本女子チーム「なでしこジャパン」が勝った! 素晴らしい! 女子サッカーというマイナースポーツでの快挙、これがなおさら素晴らしい。手放しで賞賛を送りたい。
埼玉県妻沼(めぬま)町。話は突然飛ぶようであるが、この埼玉最北端の小さな町で、何年か前から「全国高校女子サッカー大会」というイベントが開催されている。高体連の公式 . . . 本文を読む
これまで私が出合えた最も美しい風景は、どこだったろう。けだるい夏だからだろうか、そんなことがしきりに思いやられる。
ミクロネシア連邦共和国ポナペ。現在はポンペイと名を変えたようだが、赤道近くの太平洋に浮かぶ島嶼国の中心の島だ。クルマで一周すれば2時間余で回れる小さな島で、コロニアの町といくつかの村がある。
コロニアから最も離れた、島の南西のはずれのあたりだったと思う。国で一つか二つしかな . . . 本文を読む