【Nagano】帰国後に住む場所は日本のどこでもよかった。転勤族の子供で、東京と北から南までの地方都市との間を行ったり来たりした私にとっては、親のいる所が常に故郷であったが、両親亡き後はアメリカから見れば日本全体が私の故郷である。ただ大都会と、冬暖かい所だけは御免だった。
寒くない冬、雪が一度も降らない冬など、退屈きわまりない。花が咲き乱れる庭を作りたい。好きな時間に回りを気にしないで思いっきり . . . 本文を読む
【Nagano】老後計画の頓挫は、私が担当していた日本向けサービスを、本社が昨年3月をもって終了する事を決めた時に始まった。本社は、私が数ヶ月以内に本社定年の年令に達する事を理由にやめて欲しいと打診してきたのである。アメリカの労働法およびアメリカ子会社との労働契約に照らせば、年令を理由に辞めさせるのは違法であるので、会社は打診という方法をとった。
違法であることは会社も承知していた訳で、私は会社 . . . 本文を読む
【Nagano】昨年3月に始まった、私のワシントンから長野への大移動の完成が近づきつつある。持っているものすべてをはたいての新居の完成が目前であることもそうであるが、何と言っても就職が決まり精神と物質の両面で今後の生活の基盤が確信できることが、移動の「完成」の気持ちにつながっている。しかも、60歳、女性の身での正社員入社で、景気回復、少子化、2007年大量定年退職元年を映す日本の就職環境の急激な変 . . . 本文を読む
【Tokyo】病気で倒れるのも、悪いことばかりではない。私の回復を祝って、思いがけなくミニ同級会が開催されたのだ。脳梗塞の魔境から、悪運強く生還してきた私を寿ぎ、一人は長野から、一人は水戸から、そして一人はカナダから、中学の同級生が駆けつけてくれて、東京・新宿で何十年ぶりかの同級会となったのである。正確に言うとカナダの彼女は、たまたま実家に帰国中だったのであるが。
中学校の2年と3年を、ともに同 . . . 本文を読む
【Mie】先日の毎日新聞「論点」で3名の有識者が「賞味期限と『もったいない』」のテーマで論じていたが、その記事で「賞味期限」と「消費期限」の違いをはっきりと知ることができた。
つまり賞味期限は比較的日持ちする食品(6日間以上~年単位)に表示され、「期限を超えた場合であっても品質が保持されている」ので賞味期限を超えてもすぐに食べられなくなるわけではない。一方、消費期限は傷みやすい食品(5日以内) . . . 本文を読む
【Tokyo】これを老化現象というのだろうか。最近、世の中の不祥事・不正義・不公正に憤ることがいささか面倒になってきた。犬の遠吠えよろしく吼えてはみても、所詮は何にも変わらない、ということくらいはとっくに気づいてはいる。それでも吼え続けることに意味があると考えていたのだが、昨今は余りに腹立たしいことが次から次へと現れて、昨日の不祥事を覚えていることさえ難しいほどだ。気分は、こう言って尻をまくりたい . . . 本文を読む
【Tokyo】私の内に潜在している「花好み」が、このところの陽気に刺激されて目を覚ましたのだろう、おかげで花屋の店先を素通りすることが難しくなっている。昨日の水曜日も、吉祥寺の駅近くで週に1回店を開く花屋が、私の歩いてくるのをニヤニヤ笑って待ち構えていた。腹の中は「来たな、カモさん」であることが、モロに表情に出ている。
私にしたところでそれは十分承知の上で、さて、花屋め、今日は何を仕入れてきたか . . . 本文を読む
【Tokyo】桜の中ではかなり毒々しい緋色で、花弁が垂れ下がって「鈴なり」になっている姿も変わっている。河津桜やヒガン桜はすでにピークを過ぎていて、ソメイヨシノが登場するまでは強い自己主張を続けるらしい。 . . . 本文を読む