【Tokyo】電車に乗ってぼんやり車内広告を眺めていたら、「もう一つ上へ！」というキャッチコピーが目に付いた。転職情報サイトの広告だった。従って「転職してもう一つ上に行こう」ということらしい。だがしかし、この「上」は何を指しているのだろうか。ただ単に、収入のアップを意味しているのだとしたら、分かりはいい。しかしどうもそれだけではないニオイがする。
「上」とは「もっと大きな会社」「もっと有名な会社 . . . 本文を読む
【Tokyo】平成17年度は明日で終わり、明後日から新年度が始まります。街は新社会人であふれ、そのぎこちない門出が新しい時の始まりを教えてくれるでしょう。というわけで４月のカレンダーを作成してみました。新社会人が門出するということは、私のような旧社会人は退場の時を迎えるわけで、世の中はこうしたサイクルの連関で成り立っている、ということをデザインしたというのは「こじつけ」に過ぎません。 . . . 本文を読む
【Tokyo】久しぶりに銀行の窓口に行く用があって、「三菱東京ＵＦＪ銀行」などと書き込んでいて、「ずいぶん時代が変わったものだ」と、いまさらながら感慨を覚えた。銀行名がしばしば変わることは、利用者としてははなはだ迷惑なことだが、この長ったらしい名前を分解していくと、ここ10年ほどの銀行の合従連衡ぶりを思い出す縁（よすが）にはなる。そしてそのことは、おのずから自分がいわゆる「第一線」で走り回っていた . . . 本文を読む
【Tokyo】一般会計総額が79兆円を超える06年度予算が成立した。立法府において政府案のどこがどう議論され、国会議員の叡智（あればだが）がどう生かされたのか、さっぱり分からないまま衆院、参院を通過し、年度内に静かに成立していった。野党の抵抗で国会が空転し、刑務所の受刑者たちの官弁（つまりは食事代）費用がなくなるなどと騒いで暫定予算が組まれたことなど、遠い昔話のようになってしまった。この国は成熟に . . . 本文を読む
【Tokyo】音楽に疎い私は、特にクラシックの題名や作曲者名の知識が乏しい。ただ、何かの拍子で耳に留まった曲は、iTunes の「お気に入り」にストックするようにしている。その日、私は一人、上越新幹線に乗り、iPod shuffle で「お気に入り」の曲々を楽しみながら旅をしていた。車窓にはやがて荒涼とした平野が広がって、車内の温度まで下がってきたようである。長く積もっていた雪は消えたものの、大地 . . . 本文を読む
【Tokyo】閉めている店の多い市場の片隅に、「支那そば」という古風な暖簾を下げたラーメン屋があった。カウンターに椅子が10脚足らず。中年夫婦が「へい、支那そば普通盛りね、ありがとうございます」と注文を受けている。特別愛想がいいわけではないが、ラーメン作りは真剣で、煮干をベースにした薄いしょうゆ味の細麺ラーメンは実にうまかった。この町は札幌や博多、あるいは喜多方や尾道のように名高いラーメンタウンで . . . 本文を読む
【Washington】美術の好きな人がワシントンに住む幸運は、世界の超一級品がいつもどこかの美術館で展示されていて、その殆どを無料で鑑賞できるということだろう。日本ではなかなか見ることのできない、世界に散逸している日本美術をまとめて見られる幸運も巡ってくる。その一つが、現在、国立スミソニアン協会に属するサックラー美術館で開催中の「HOKUSAI」展（3月４日―５月１４日）である。
このスミソニ . . . 本文を読む
【Tokyo】散歩をしていて、初めて知る木を見つけた。「変わった名前の木があるものだ」と驚いていたら、その夜読んだ小説にまたその木が登場していて、初めて知る木が一日に二度も現れた偶然に驚かされた。あくまでも偶然とはいえ、平凡な一日の中で重なった偶然に驚いた――のである。ただそれだけのことなので、「通信」などという看板を掲げたブログに掲載することはまことにもって気恥ずかしいのだが、それでもやはり私は . . . 本文を読む
【Tokyo】豪雪と寒波の冬だったとはいえ、春は確実にやってくるもので、まだかまだかと待たされた井の頭公園のカワヅザクラも、見事に花を咲かせ始めました（写真）。暖かな陽気に誘われてか、今日の公園は春を待ちわびる人たちで大賑わいでした。そこで私は人生の真実を発見しました。【花を見上げているときの人の表情は、例外なく幸せそうな微笑を浮かべている】ということです。
公園はどんどんどんどん花と新芽の緑が . . . 本文を読む
【Tokyo】世の中には不思議なことを考える人がいるもので、『経県』というページを知って驚いた。日本国内を自分がどれだけ「経験」しているかを、都道府県別に色分けし、その関わりの深さを数値化しているのだ。地理音痴のわが愚息に教えてもらったのだが、「経県値」は当然、人生経験が豊かな私の方が高く、息子111に対し、私は176であった。
「グリグリさん」という方がオーナーのページで、その説明によると【「 . . . 本文を読む
【Washington】今、ワシントンではパンダの坊やが町の人気を独り占めにしている。このところ支持率が低下しっ放しのブッシュ大統領はうらやましいに違いない。この坊やの名前はタイシャン（泰山）。去年の７月にワシントンの国立動物園で生まれた。パンダは一年に数日しか「その気」にならないそうで、自然にはうまくいかなかったため、人工授精で生まれた子である。最近は、パンダの人工授精技術が確立され、中国でもパ . . . 本文を読む
【Tokyo】国会は、全く空疎な「ライブドア・メール問題」に明け暮れ、そのドサクサの中で議論が何も見えてこないまま「平成１８年度予算政府案」が衆院を通過してしまった。この国の政治はいったい、どうなっているのだろう。税の徴収を決め、その使途を決め、その遣われ方を監視する。国民生活の根源に関わっている政治が、肝心な議論はそっちのけでワイドショーの材料提供に堕している。国民は、そうした政治しか持てないこ . . . 本文を読む
