ぶら下がり――嫌な響きの言葉です。鉄棒にぶら下がっているということなら何も特別の感情は湧かないでしょうが、ここでは「特定の取材対象の人間にぶら下がっている」ことを指すマスコミ業界用語です。私はこの下品な響きの中に、マスコミの堕落、特に「新聞の堕落」を感じてしまうのです。
私は職業柄、新聞記者の生態をごく近くで目撃する機会が多いのですが、最近の若い（といっても私より若いというだけで、組織内では . . . 本文を読む
最近の新聞見出しのヒットといえば、この「引責昇格」であろう。どの新聞であったか忘れたが、自民党の青木参院幹事長が、参議院の自民党議員会長に内定したという記事に付けられた見出しである。青木氏は幹事長として「参院最大の実力者」という枕詞をつけられていたのであるから、幹事長と議員会長のどちらが本当は「上」なのかよくはわからないが、言葉の意味から「会長」はトップのポストに違いなく、人事としてはまさに「昇 . . . 本文を読む
太平洋を南下している（はずの）飛行機が、ようやく高度を下げ始めた。しかしまだ、真っ青な海しか見えない。どこまで行っても太平洋である。
小さな黒い点が見えてきた。周りを波が白く縁取っている。ラグーンだ。機体はどんどん高度を下げ、しっかりと島影が見えてきた。ミクロネシア連邦の中心の島「ポンペイ」だ。
入国するとさっそく島の人に尋ねた。「こんな広い海の中の小さな島で暮らしていて、心細くないか」と。
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