すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1810号 「相南」を「湘南」として鴫渡る

2022-08-28 08:57:32 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】夏の終わりの湘南の海は、薄い雲が世界を水色に覆って、季節の移ろいを惜しむ海水浴客に物憂い風を送っている。大磯のこの辺りは、わが国海水浴場発祥の地なのだという。眼前を母子連れが行く。私には、あの児たちの弾む気持ちが手に取るように分かる。70年ほど遡れば、新潟の砂浜で母親に手を引かれ、海と戯れる楽しみに胸高鳴らせる私がいるからだ。遠く江ノ島が霞む、蒸し暑くも穏やかな風景。この平和が、いつまでも続いて欲しい。 . . . 本文を読む
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第1809号 市民が街を磨く湘南・平塚

2022-08-26 15:56:47 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】東海道五十三次は、日本橋を出発すると品川・川崎・神奈川・保土ヶ谷・戸塚・藤沢を経て平塚宿に至り、大磯・小田原・箱根と西を目指す。神奈川宿が幕末生まれの横浜に吸収されたと考えれば、これら宿場の並びは現在の街の連続に重なっている。ただ平塚市博物館によると「平塚宿は県内9宿で2番目に戸数の少ない小規模な宿場でした」ということだから、江戸時代と現在の街の規模は必ずしも一致していないようだ。初めての街・平塚を歩く。 . . . 本文を読む
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第1808号 諏訪にて「スワ」を考える

2022-08-12 23:18:15 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】諏訪の街は一言では表し難いところがある。二日間滞在しただけの他所者が言うのはおこがましいけれど、10代にわたる諏訪氏が城主を続けた高島藩のお膝元ではあるものの、「城下町」と言った趣は薄い。また湯量豊富で大きな旅館が建ち並ぶ上諏訪温泉があるけれど、この街を「温泉郷」と言うのは当たらないような気がする。さらには全国に25000社ある諏訪神社の総本社たる諏訪大社上社の鎮座地であるけれど、「社家街」の印象はない。 . . . 本文を読む
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第1807号 下諏訪の秋宮で「御柱」を見上げる

2022-08-10 15:56:04 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】下諏訪町の「諏訪大社下社秋宮」に来ている。諏訪湖畔から北へ1.2キロほど入った丘陵の麓だ。境内に入ると巨大な注連縄を飾った大社造の神楽殿が建ち、出雲系の神社であると解る。特異なのはその奥の両側に建つ「御柱」であろう。枝を落とされ、皮を剥かれた巨木が屹立している。7年に一度、諏訪地域6市町村の氏子によって山から伐り出され、豪快に曳航される神事で名高い。今年はその神事の年にあたり、御柱は真新しい光を放っている。 . . . 本文を読む
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第1806号 岡谷にて童画の世界を歩いている

2022-08-07 08:07:23 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】諏訪湖の地図には、湖面を3分割する線が引かれているものがある。湖にも岡谷市・下諏訪町・諏訪市の境界線があるらしい。西岸に広がる岡谷市は、広大な市域のほとんどが山地で、諏訪湖に臨む限られた傾斜地に街が営まれている。総面積の85平方キロに「諏訪湖の持分」が含まれているのかは知らない。市章は円を上下に2等分したシンプルなデザインで、「上は岡」「下は谷」を表しているのだそうだが、「上は陸」「下は湖」の方が判り易い。 . . . 本文を読む
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第1805号 打ち上げ花火湖畔にて、縄文人と戯れる

2022-08-05 14:53:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】旅先で、諮らずも打ち上げ花火に遭遇した。諏訪湖の湖上花火大会だ。ポスターには第74回とあるから、この地方の夏の大イベントなのだろう。だが新型コロナの影響で、午後8時半から10分間だけの打ち上げである。例年なら数十万人の人出で埋まる一夜になるようだが、今年は10分間だけが15日間続く。見物客はいささか寂しいけれど、しかし行きずりの他所者にとってはこれで十分な華やぎであって、しばし酷暑を忘れ楽しんだ。 . . . 本文を読む
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