すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1327号 解散の意味が分からない

2014-11-26 08:45:55 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】師走選挙が近づいている。街はしばらく喧噪の度合いを増す。選挙はわれわれ民主主義社会の根幹だから、聴きたくもない街頭演説が耳に入って来ても堪えるしかないが、今度の選挙がどうも腑に落ちないのは「いま解散し、民意を問う理由」がいまひとつ理解できないからだ。 . . . 本文を読む
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第1326号 四万(群馬県)

2014-11-26 06:39:56 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】日本人は、いや日本人に限らず、いやいや人間に限らず、その身を地中から沸く湯に浸すことは大好きなようである。確かに疲れがとれ、肌が奇麗になるような気がするし、周囲の景色が良ければなお結構だ。だから私もその機会があれば喜んで入る。しかし入るためにわざわざ出かけるほど好きというわけではない。その程度だから、日本中のいたるところで温泉場が成り立ち、湯客で賑わう様子が時には不思議に思えることがある。 . . . 本文を読む
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第1325号 酸ヶ湯(青森県) 

2014-11-25 15:33:09 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】地方の街がどんどん消えて行く、というシンクタンクの脅しに仰天して、政府はいまさらながら「地方創成が最重要課題だ」と言い出した。この列島に人間が住みついてからどれほどの時が流れたかは分からないけれど、ここ1万年の間に限れば80%は新石器時代人=縄文人の世界ということになる。そのピーク時でも列島の人口は数十万人に過ぎなかったようで、いずれ1億2000万人がひしめく時代が来るとは誰が予測しただろう。 . . . 本文を読む
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第1324号 上北(青森県)

2014-11-25 08:06:24 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】「下北」は半島の名前だから昔から知っているけれど、青森には「上北」という地域名があることをこの旅で初めて知った。県東南部と、下北半島のマサカリの「柄」の部分にあたる横浜町・六ヶ所村を含めた地域で「上北郡」というのだそうだ。そういえば青森のローカル天気予報では「三八上北」という風変わりな呼び名がアナウンスされる。三は三沢、八は八戸、そして上北ということなのだろう。つまりは昔年の「南部藩領」である。 . . . 本文を読む
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第1323号 青森(青森県)

2014-11-24 10:25:33 | Tokyo-k Report
【Tokuo-k】青森に行くと三内丸山に立ち寄ることになる。私には青森で最も魅力がある場所だから、どうしてもそうなる。そして県立美術館も一通り鑑賞して帰る。このコースはこれで3度目になるだろうか。ニセアカシアが薫っていた初回は遺跡はまだ復元住居もなく、発掘が続いていた。2回目は復元された巨大建て家が雪に埋もれていた。そして今回、すっかり整備が進んだ遺跡地に、むしろ縄文の気配が薄れたと感じた。奇麗になり過ぎたようだ。 . . . 本文を読む
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第1322号 三原田(群馬県)

2014-11-23 09:30:27 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】利根川が上越国境の谷を駆け下り、関東平野を潤い始めるあたりの赤城山西麓に、《三原田》という地域がある。かつては群馬県勢多郡赤城村といったが、現在は合併して渋川市に含まれる。林野と畑地が混在する台地が崖となって利根川に落ちる三原田の段丘上に、閑静な住宅地が広がっている。市街地から遠く利便性に欠けるけれど眺望抜群である。そこは5000年前にも住宅団地が広がっていた。暮らしていたのは三原田縄文人である。 . . . 本文を読む
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第1321号 小野上(群馬県)

2014-11-22 08:52:07 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】新宿から伊香保を経由して草津に向かう高速バスを利用して、月に1、2度、群馬県西北部の山中に通っている。山での陶芸を愉しむためで、もう3年を超える。そのバスが伊香保温泉を通過し、榛名山を下って吾妻川に差し掛かると、「えも言われぬ風景」が車窓をよぎる。対岸の山麓に点在する集落が、南面する小さな扇状地の日溜まりに抱かれている、ただそれだけの眺望なのだが、自然と生活がしっくり溶け合って、実に美しい。 . . . 本文を読む
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第1320号 郷原(群馬県)

2014-11-21 15:53:31 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】大戸から中之条方面への道をとって吾妻川を渡ると、国道145号線の「郷原」分岐点に出る。東吾妻町の小集落に過ぎないこの地名は、私のような考古マニアにとっては大変な重みを持っている。この地から、顔はハート型をして胴は異様にくびれ、腕と股は左右に開いて踏ん張っている、奇妙な土偶が発掘されたからだ。縄文人が遺した造形物のなかで、土偶ほど不可解なものはないけれど、郷原のハート型土偶はその代表格だ。 . . . 本文を読む
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第1319号 大戸(群馬県)

2014-11-21 09:58:27 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】若いころ、群馬で6年間暮らした。その北西部は山間地が占め、南部は関東平野の北端を担う平坦部だ。そして東に細い首を延ばして隣県に接している。中古のマイカーであちこち走り回ったから、ほとんどの街に行き尽くした気分でいた。しかし小さな県といえそうはいかないようで、改めて地図を点検すると未踏の地は残っている。かの国定忠次が破った大戸の関所跡も行っていない。別に忠治に義理立てする必要は無いのだが、行ってみる。 . . . 本文を読む
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第1318号 新潟(新潟県)

2014-11-20 06:39:53 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】何度も書いて来たことだが、新潟市は私の故郷である。そして写真は、私が子供のころは一番の繁華街だった古町通りである。いつも買い物客であふれ、母は私が迷子にならないよう、手を痛いほど強く握って歩くのが常だった。久しぶりに帰郷してみると、商店のいくつかはシャッターで閉ざされ、かつて車で込み合っていた道路の真ん中を、お嬢さんたちが闊歩して行く。専門学校の生徒だろうか。今は「専門学校通り」なのだそうだ。 . . . 本文を読む
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第1317号 にかほ(秋田県)

2014-11-19 17:01:57 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】都市対抗野球で仁賀保町のチームが優勝したことがある。磁気テープなどを製造しているTDKの企業チームを核とした秋田地区代表だった。仁賀保が秋田のどの辺りか知らないまま、TDKの拠点は秋田にあることだけ記憶に残った。鳥海山を廻る旅の途中「にかほ」に一泊することになって、そのことを思い出した。秋田県最南部である。確かに大きな工場があって、そこへの電力供給のためなのだろう、高圧線が鳥海山を横切っている。 . . . 本文を読む
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第1316号 象潟(秋田県)

2014-11-18 23:24:50 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】「奥の細道」をたどっているつもりは無いのだけれど、山寺に始まった旅の2日目は象潟を目指している。それにしても芭蕉は健脚で、山寺へは尾花沢から、象潟には酒田から、それぞれ「一見すべきよし」と聞いて出向いている。もちろん私たちのように車に乗って楽々というわけではない。おそらく「生涯一度の好機」と覚悟を決めて回り道をしたのだろう。そうした思いで見る景色は格別に違いなく、現代人が失ってしまった視線だ。 . . . 本文を読む
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第1315号 山寺(山形県)

2014-11-18 13:35:40 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】蝉の季節はとっくに過ぎたが、山寺・立石寺は静かであった。それでも観光客がそぞろ歩いているし、土産物店が暇を持て余しながらも並んでいるから、芭蕉のころのように「佳景寂寞として心すみ行く」というほどではないけれど、まずは清閑である。そこで一句ひねろうかと心を鎮めた所に、猛烈な轟音を響かせて列車が鉄橋を渡って来た。JR仙山線である。文学的環境破壊も甚だしいが、静かに渡れと言われても運転士は困るであろう。 . . . 本文を読む
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第1314号 西馬音内(秋田県)

2014-11-18 11:12:14 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】各地それぞれに伝統と趣向を凝らした盆踊りは多いけれど、越中・八尾と秋田・西馬音内(にしもない)のそれだけは、いつかは見に行きたいと願っていた。八尾「風の盆」は2年前に念願を果たしたのだが、毎年8月16日から踊り明かされる西馬音内は、いまだ機会に恵まれていない。だが鳥海山を秋田県側から望もうという今回の旅は、そのコースが西馬音内付近を通過する。時期外れではあるけれど、せめて盆の残像だけでも・・・。 . . . 本文を読む
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第1313号 蟹田(青森県)

2014-11-17 21:13:56 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】長閑な風景を問答無用に分断して、高架橋が津軽半島を縦走して行く。1年後にここを北海道新幹線が疾走する。三厩から蟹田へ南下する途中、森の中での大工事が垣間見えた。新幹線「奥津軽いまべつ」の新駅工事らしい。「新幹線が海峡を越えると、青森は単なる通過地になってしまう」と気を揉む声を聞いたけれど、駅ができる今別町民はどんな思いで開業を待っているか。半島大変革の時代を迎え、津軽はどうなるのだろうか。 . . . 本文を読む
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