すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1687号 乾いた風が吹き抜ける、アメリカに一番近い街

2021-02-25 06:00:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】電車に乗って奥多摩に向かう際、青梅線は立川から拝島、福生、羽村と走る。かつて「これらの街の名を耳にすると松本清張を思い出す」と書いたことがある。どの作品と結びついて私の記憶が形成されたのかは思い出せないけれど、そんな気分になるのは恐らく『日本の黒い霧』シリーズが関わっているのだろう。米軍占領時代は幼児に過ぎなかった世代とはいえ、私の中で、日本が日本でなかった時代とそれらの街が結びついてしまったようなのだ。 . . . 本文を読む
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第1686号 介山の墓地で大菩薩峠を望む

2021-02-24 09:15:42 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】地図に目を凝らすと、羽村取水堰は多摩川右岸の羽村市「羽」と、左岸の「羽東」という地を結んで架けられている。この辺りの地名は古くから「羽」なのだ。そういえば50キロ下流の多摩川河口には「羽田」がある。「羽」とは何だろう。青梅の渓谷を抜けてようやく平坦部に出た多摩川は、羽村から左岸の武蔵野台地に沿って南下して行く。その流れに縁取られる広大な台地を潤す自然水源は、多摩川を離れればはるか北東の荒川まで無い。 . . . 本文を読む
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第1685号 玉川上水取水堰を歩く

2021-02-22 16:21:44 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】季節外れの陽光が水辺の風景を和らげている。羽村市の多摩川羽村取水堰である。本流中央に設置された「投渡(なげわたし)堰」で堰き止められた流れを取水口に誘導し、玉川上水へと送り込む。その水の一部は再び本流に戻され、快晴の陽を照り返してキラキラ踊っている。まるで春到来のようだが、堰堤に延びる桜並木の蕾は固い。何しろまだ如月なのである。しかしステイホームに飽いた私は陽射しの誘惑に抗しきれず、不要不急の外出をする。 . . . 本文を読む
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第1684号 「多磨」と「多摩」どちらでもいいらしい冬の朝

2021-02-08 09:55:37 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】冬晴れの午前7時半過ぎ。府中市多磨町の武蔵野公園は、気温は零度前後であろうか、鳥さえも沈黙を守っている。福祉作業所に向かう様子の息子に付き添う老母が、細い道を自転車でゆっくりついて行く。林の中で老人が、低い日差しを逆光にして蝋梅を撮影している。そして犬連れの散歩者たち。枯芝に霜が張り付き、公園の北縁を流れる野川はうっすらと靄を立ち上らせている。私は府中市にいるのか、それとも小金井市域に入っているのか。 . . . 本文を読む
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