すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1341号 雪が思い出させた

2015-01-30 13:33:21 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】東京は雪である。新潟や長野といった豪雪・寒冷地に比べたら、雪といっても子供だましのように水っぽく、弱々しい降雪であるが、それでも珍しく、景色が白くなっている。そのせいか、奇妙な体験をした。以下は、まったく私的なつまらないことではあるが、備忘録代わりに書いておく。 . . . 本文を読む
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第1340号 マドリッド④(Madrid=スペイン)

2015-01-26 22:12:31 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】マドリッドを訪れる旅行者のなかには、ひたすらプラド美術館を目指す美術ファンが多くいるのだろう。私もその機会を楽しみに出かけた一人だ。ベラスケス、ゴヤら、スペインが生んだ天才画家たちの作品群は、確かに世界の絵画芸術の至宝である。ただ私はプラド以上に、国立ソフィア王妃芸術センターに行ってみたかった。ピカソの『ゲルニカ』が収蔵されており、ミロ、ダリらの現代美術が豊富に展示されているというからだ。 . . . 本文を読む
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第1339号 コルドバ(Cordoba=スペイン)

2015-01-23 14:57:56 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】《街は川の畔に生まれる》という、私が発見した(と勝手に思い込んでいる)定理の通り、セビリアはグアダルキビル川の左岸に営まれた。そして流れを東へ50キロほど遡った右岸に、さらに古く栄えた街がコルドバである。アンダルシアの繁栄の中心がセビリアに遷るまで、コルドバの人口は100万人に上ったというから、10世紀前後の世界は《西のコルドバ・東の長安》といった様相ではなかったか。クリスマス当日、その街を歩いた。 . . . 本文を読む
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第1338号 セビリア②(Sevilla=スペイン)

2015-01-23 01:20:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】ローマでも感じたことだが、地中海気候の特徴なのだろうか、アンダルシアの日差しは刺すように強い。ただ単に「明るい」という以上に、光線がより鋭く地上に降り注いでいる感じなのだ。だから空の青さも日本より明らかに濃い。そのせいか日差しの中ではコントラストが強過ぎて、私の写真技術では明暗が調整できないほどくっきり表れてしまう。日本ならどんなに晴れていても、漂う水蒸気がいくらか影を和らげてくれるのだが。 . . . 本文を読む
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第1337号 セビリア①(Sevilla=スペイン)

2015-01-22 11:43:03 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】 日本人には『セビリアの理髪師』で馴染みの街だが、スペイン語読みで表記すれば「セビージャ」とした方が近い。私がこの街で何に感激したかと言えば、いたるところで見かけるオレンジの並木である。季節がちょうど見事に色づくタイミングだったのだろうが、それにしても街のいたるところがオレンジ色と緑に彩られている様子はいかにも平和で美しい。そのうえ空は地中海ブルーである。街をあげて私たちを歓迎してくれている。 . . . 本文を読む
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第1336号 トレド(Toledo=スペイン)

2015-01-21 11:14:58 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】 10日間のスペイン滞在で、1日だけ雲が空を覆った。それがトレドに出かける日だった。街を俯瞰する展望スポットで、陽光を浴びる世界遺産をカメラに収めたかったのだが、叶わなかった。ただここで展開された歴史を想えば、翳っている風景こそがふさわしいのかもしれない。中世の数百年間、この街ではキリスト教徒・イスラム教徒・ユダヤ教徒が共に暮らしていた。しかしその後は征服・奪還・追放の歴史に翻弄されていく。 . . . 本文を読む
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第1335号 マドリッド③(Madrid=スペイン)

2015-01-20 10:08:09 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】マドリッドは、実に多様な人種に出会える街だ。透き通る肌をした金髪の少年が駆けて行ったかと思えば、肌にやや褐色を加えた健康そうなお嬢さんが談笑しながらやって来る。インカの末裔らしき顔立ちや、スカーフで頭部を覆ったイスラム女性も少なくないが、アジア系とブッラックアフリカンはごく少数だ。こうした人種の混在は、かつて世界中に植民地を広げた帝国の名残りか、あるいは近年の積極的な移民受け入れ策の結果なのか。 . . . 本文を読む
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第1334号 マドリッド②(Madrid=スペイン) 

2015-01-17 22:19:57 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】クリスマス休暇の時期にやって来たからだろうか、マドリッドの盛り場はどこもびっくりさせられる混雑ぶりだった。クマがヤマモモを食べているプエルタ・デル・ソルも、クリスマスマーケットがひしめくマイヨール広場も、家族連れやカップルに観光客が入り交じっている。日曜日のラストロ蚤の市に至っては、歩くのもままならない雑踏である。ギリシャに次いでスペインも危ないと伝え聞いていた財政危機は、本当なのだろうか。 . . . 本文を読む
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第1333号 マドリッド①(Madrid=スペイン)

2015-01-16 22:24:15 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】スペインに出かけ、マドリッドとセビリアに滞在しながらトレドやコルドバにも足を延ばした。これでスペインは、3年前に訪れたバルセロナとともに深く記憶に刻まれる国になるはずであった。しかしどうも思惑通りにはいかず、帰国してあれこれ調べたりしているのだが、どの街の残像も、いまひとつはっきりとしたピントを結ばない。主要な街を回って、かえってその国のイメージが曖昧になるとは、スペインとはいったい何か? . . . 本文を読む
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第1332号 160万人とともに

2015-01-13 10:25:54 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】表現の自由を暴力で冒す者に対し、160万人が抗議のデモに集結したパリの映像を観て、テロの絶えない時代に絶望しかけていた世界中の人たちが鼓舞されたのではないか。私もその一人だ。ことのほか「自由」と「平等」に価値を置くフランスの人々が、毅然として立ち上がったのだ。そしてその中に「私たちの教えは、決して暴力を容認するものではありません」と語るイスラムの人たちもいることが紹介され、私は安堵した。 . . . 本文を読む
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第1331号 風刺と寛容

2015-01-09 14:09:13 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】年々回復が遅くなる時差ボケに困惑しながら、ウツラウツラと正月を過ごしていたら、ガツーンと眼を覚まさせられる事件が勃発した。パリの新聞社襲撃テロ事件である。事件は、その本質はいまだ私などの知り得るところではないけれど、宗教が内包する「非寛容」という痼疾が、21世紀になってより硬く、よりグロテスクに膨張しているという現実を、地球の隅々にまで思い知らしめた。 . . . 本文を読む
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