すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1799号 富山の路面電車は撫子ロード

2022-06-12 07:45:26 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】富山の街をゆっくり歩くのは17年ぶりになる。北陸新幹線はまだ開業していなかった。バスの運転手さんが「こんなに暮らし良い街はないよ」と話しかけてきたけれど、そんな会話が聞き取れないほど、繁華街の路面電車が騒音をまき散らして行き来していた。その繁華街では、集客を諦めたような老朽ビルで百貨店が営業を続けていて、一緒に旅していた東京の女子大生が「さっきから考えているんです、この寂しさは何だろうって」と言った。 . . . 本文を読む
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第1798号 幻影に神秘と浪漫米騒動 魚津

2022-06-11 09:38:02 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】富山湾は「世界で最も美しい湾クラブ」のメンバーなのだそうだ。水深の深さと魚種の豊富さ、それに蜃気楼が発生することが選定の決め手だったらしい。湾は神通川が流れ込む富山市を中心に東と西に分けられそうで、東側へは滑川、魚津、黒部と似たような規模の街が続く。今回は「米騒動発祥の地」に興味があって魚津へ行ってみる。駅には「蜃気楼の幻影」「ホタルイカの神秘」「埋没林の浪漫」と、「魚津の三大奇観」のポスターが掲げられている。 . . . 本文を読む
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第1797号 『三津七湊』岩瀬湊を歩く

2022-06-09 22:36:22 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】街の小さな公園で、ワンパクたちが駆け回っている。そこに下校途中の女の子が通りかかった。目ざとく見つけたワンパクの一人が駆け寄って来て、手にしたおもちゃの鉄砲で女の子を狙い始める。私はとっさに「こらっ、女の子をいじめちゃいかん」と声を発している。「証拠写真を撮ったからな」と怖い顔をしてみせると、わんぱく坊主もなかなかのもので、「いいもーん」と言ってマスクの上からアカンベエだ。まだこんな元気な坊主が残っている。 . . . 本文を読む
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第1796号 金沢の工芸館で陶芸の名品に溺れる

2022-06-07 17:31:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】金沢に行くと、この人の作品を観ることになる。九谷焼作家・武腰潤である。焼き物好きの私だから、どこの街でも陶芸展を観たり工芸品店を巡る機会が多くなるのはいつものことで、意識してこの作家を探し歩いているわけではない。ただ観た作品のほとんどは忘れてしまうのに、武腰氏の「鴇」を描いたシリーズだけは、いつまでも記憶に残るのである。だから「金沢に行くと、この人の作品を観ることになる」と気付くわけで、今回もそうなった。 . . . 本文を読む
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第1795号 朝倉の夢も緑の一乗谷

2022-06-05 17:12:45 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】校外学習の中学生だろうか、一乗谷の朝倉館跡の広場で、遺跡の歴史を学んでいる。中世の城塞都市の遺構がそっくり残る国の特別史跡を、授業の一環として見学にやって来られる子供たちは恵まれているけれど、聞かされている生徒たちはさほど嬉しそうでもない。私は彼らに60年前の自分を重ね、「緑と言っても、実にいろんな色を含んでいるんだよ」と教えてくれた先生は誰だったろうと考えている。それほどに谷は萌え、輝いているのだ。 . . . 本文を読む
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第1794号 恐竜王国で地球2億年を考える

2022-06-02 09:54:52 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】福井は「恐竜王国」を名乗るだけあって、いろんなところで恐竜に出くわす。福井駅前で全長10メートルの巨体を曝している「フクイティタン」は映像によく映し出されるけれど、それだけではない。駅のベンチで辞書を片手に骨格標本を見つめている仲間や、人影の薄い観光地のバス停でじっと佇んでいる名も知らぬ姿を見かけ、ドキッとさせられたりする。街の人は見慣れているのだろう、ほとんど無視して通り過ぎて行くのも恐竜王国らしい。 . . . 本文を読む
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