すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1729号 文学も音楽もある仙川に行く

2021-08-31 00:00:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】調布市の東端、世田谷区に隣接して仙川という街がある。調布で暮らしていたころ、幼かった子どもたちと武者小路実篤記念館に来たことが、この辺りのわずかな記憶である。縁はそれくらいしかない、ほとんど知らない街なのだが、今回、三鷹の自宅から自転車を漕いでやって来たのは、最近知己を得た若い陶芸家が、仙川のギャラリーで個展を開くと案内をくれたからだ。実篤記念館は隣の若葉町になるのだが、私の中では一帯が「仙川」である。 . . . 本文を読む
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第1728号 命日に母の初任地を訪ねる

2021-08-30 00:00:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】2000年に刊行された「味方村誌」掲載の「白根小学校・昭和12年3月」の卒業写真である。前列左から二人目が私の母親らしい。結婚前だから、当然、私はまだ生まれていない。母は1995年に79歳で亡くなった。葬儀で友人代表のおばあさんが「あなたは長岡女子師範を卒業され、西白根小学校に奉職されました」と弔辞を読んだ。久しぶりに新潟に帰った折り、母の初任地を訪ねてみようと思い立つ。ところがこれがなかなか難航した。 . . . 本文を読む
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第1727号 孫考

2021-08-29 01:00:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】「孫はかわいい」とは誰もが言うが、それは当然であって、子供はみんな可愛いのである。それでもさらに孫が可愛いのは、抱っこできる存在だからかもしれない。ジジは孫がやって来ると、もう触って抱いて頰ずりしたくなる。この感情爆発はどこから来るのだろう。「血の繋がり」などと考えてみても、外見からそんなことはわからない。どこか昔の自分に似ているのではと、面影を追い求めるのかもしれない。だがもうとにかく、可愛いのである。 . . . 本文を読む
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第1726号 富士見町物語

2021-08-28 06:00:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】富士山が見えるエリアに「富士見」という地名はいくつあるだろうか。日本人は富士山が大好きだから、それは数え切れないほどであるに違いない。ここは東京・調布市の富士見町、それも2丁目のことである。甲州街道北側の、電気通信大学が大きなキャンパスを広げる住宅地だ。バス通りに面して新築されたマンションに入居が始まったのは1980年の秋だった。5階建て66戸の中に、三つ子のような子供たちが暮らす賑やかな家があった。 . . . 本文を読む
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第1725号 三鷹阿波踊りで「老い」を考える

2021-08-27 09:30:51 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】三鷹の駅前商店街で、生後80日の赤ちゃんを抱く家族に出会ったのは、3年前のこの季節だった。東京西郊の、鄙びた風情を留める商店街が、年に一度の賑わいを見せる三鷹阿波踊りの夜である。祭りはここ2年、新型コロナの蔓延で中止が続いているけれど、小さな赤ちゃんはすくすく育って3歳を越え、弟もできたという。私は久しぶりに写真を眺め、時間が永遠に待っているに違いない小さな命と、残り少なくなった自分の今を考え合わせる。 . . . 本文を読む
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