すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第230号 談合と天下り

2005-06-30 15:09:32 | Tokyo-k Report
【Tokyo】いよいよ強制捜査を迎えた橋梁談合事件。この手の事件が明るみに出るたびに、「天下り」で肩書きと捨扶持を与えられ、反社会的行為である情報取りなどの行為に走り回るサラリーマン(公務員を含む)のなれの果てに、人間の薄汚れた本性を見る思いになる。私のような世捨て人が、どう思おうと嘆こうと、関係のないことだとは思うのだが、世の中であるいは家庭で、普通のおじさん、そして父親を演じているのであろうこ . . . 本文を読む
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第229号 高松塚古墳

2005-06-28 14:51:12 | Tokyo-k Report
【Tokyo】奈良県明日香村の高松塚古墳が、解体されることに決まったという。石室内の壁画を保存するためだ。「壁画という国宝を守るために、壁画古墳という特別史跡を犠牲にするのか」という学者の叫びが紹介されている。この決断に至るまでの関係者の苦衷は大変なものだったろうと憶測する。その思いを前提にして発言させていただくとすれば、私は「解体保存致し方なし」と考える。 各分野の専門知識を結集したのだろうか . . . 本文を読む
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第228号 ソファーの経済学 

2005-06-25 22:43:17 | Tokyo-k Report
【Tokyo】今日の東京は30度を超え、とても暑い一日だった。暑さは何も東京だけではなく、兵庫県の豊岡市というところでは37度を超えたのだそうだ。6月の梅雨の最中にこの猛暑に襲われたわけで、身体の準備ができていないというか、心の備えがないだけに余計堪える。堪らずにエアコンを作動したら、本体から水滴が落ちてきた。リフォームの際に移設したことで、どこかに支障が生じたらしい。 リフォームもすでに過去の . . . 本文を読む
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第227号 時の流れに身を任せ

2005-06-22 12:00:10 | Tokyo-k Report
【Tokyo】郵政が民営化されたら、過疎の村はいっそう過疎になって、廃村を余儀なくされるのか、そんなことを紙芝居で揶揄し合っていた国会が、本会議に酒気を帯びて出席したとかしないとか、懲罰動議を出して騒いでいる。政治家と称される人たちは、どうしてこんなにくだらないエネルギーに満ちているのだろう。 いつもヘラヘラ笑っているような顔をしている税制調査会長が、「この財政破綻状況を何とかするには、増税しか . . . 本文を読む
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第226号 連載小説「座る男」 6完

2005-06-21 07:21:17 | Tokyo-k Report
翌朝、いつものように駅へ出かけるつもりの源三に、女房は丸干しと好物の小松菜のおひたし、それに豆腐の味噌汁の朝飯を用意していた。納豆も出ていたが、これは女房用である。関西育ちの源三は、いまだに納豆が苦手なのだ。 女房はいつものように無口だったが、いつもとは違って緊張しているのが分かった。 「行ってこいよ」 源三のほうから声を掛けた。 「えっ?」 「孫んところに行ってるんだろ」 「あんた、 . . . 本文を読む
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第225号 連載小説「座る男」 5

2005-06-20 07:01:29 | Tokyo-k Report
確かに女房は「私の孫」と言った。ということは、女房の子供の子、つまり女房に子供がいたってことになる。源三はまだ口を開けたまま、まじまじと女房を見た。 「嫌だよ、あんた、そんなに見ないでよ」 女房はうつむきがちにそういった。娘のような口振りだったが、はにかんでいるわけではなかった。その証拠に顔は真剣で、少し青ざめていた。 「私、子供がいたんです。最初の結婚で生まれて、別れる時に向こうの家に取ら . . . 本文を読む
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第224号 連載小説「座る男」 4

2005-06-19 00:41:15 | Tokyo-k Report
昼風呂がいささか長くなったか、湯船で頭から汗を流しながら、源三は神妙な顔で考え込んでいた。この男には珍しい顔つきである。 「俺はこの先、どうすりゃいいんだ」 源三の目下の関心は、自分の老後の暮らしにある。店をたたむ時に、ずいぶん考えたつもりだった。「暇になるんだから、結構じゃねえか」と自分に言い聞かせた。「仕込みともおさらばできるしな」とも思った。 焼き鳥屋などというのは、かつて渡り歩いた割 . . . 本文を読む
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第223号 連載小説「座る男」 3

2005-06-18 07:33:40 | Tokyo-k Report
「エッ? 何でオレに……」と言いかけて、源三は黙った。突然声を掛けてきたばあさんが死んだ母親に似ていた、などといえば物語りめくが、その時とっさに、源三が母親を思い出したのは確かだった。 「なに? 植物公園? その辺に書いてあるだろうさ」 「分からないのよ、たくさんあって」 「しょうがねえなあ、ええと……」 源三は立ち上がって案内板に近づいた。確かに「こんなにたくさんあるのか」と驚かされるほ . . . 本文を読む
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第222号 連載小説「座る男」 2

2005-06-17 12:43:34 | Tokyo-k Report
空になったビールの缶と、尻の形にしわを作っているパンフレットを屑籠に放り入れ、源三はロータリーへと下るエスカレーターに乗った。商店が開店準備を始める時間で、街は目を覚ましたばかりだった。フライドチキンの店は開いていて、店員の声なのかテープの録音なのか、いつもと同じ声が響いていた。 部屋に戻ると女房は出かけていた。テーブルに簡単な料理が並べてあった。源三の昼飯なのだろう。それよりも、まず風呂である . . . 本文を読む
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第221号 連載小説「座る男」 1

2005-06-16 12:31:16 | Tokyo-k Report
源三は、よほどの雨の日でもない限り、毎朝八時前にそこへやって来る。そして「定位置」に腰を下ろすと、通勤の人の流れを眺め、持参したビールを飲む。ビールはロング缶一本と決めているようで、ちびちびと時間をかけて啜る。 そこは東京都下の、通勤客で混み合う私鉄の駅である。駅前ロータリーの上に架けられたコンコースが駅舎に接続するところ、そこが源三の指定席なのだ。 ベンチがあるわけではない。手すりの柵の下に . . . 本文を読む
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第220号 人生の仇「腰痛」

2005-06-14 12:36:09 | Tokyo-k Report
【Tokyo】私は腰痛持ちである。発症したのは10代の少年期だから、付き合いは40年ほどにもなる。家族より、大方の友人たちより長いお付き合いだ。ここ20年ほどは最悪の状態はやってこないが、腰には常に痺れと鈍痛が張り付いて離れない。この感覚から解放されたら、どんなにか快適な人生になるだろう。そう考えると腰痛は、わが人生の仇である。 少年のころ、バスケットボールに熱中していて腰痛を発症した。医師は「 . . . 本文を読む
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第219号 ジョン・グリシャム

2005-06-13 14:38:24 | Tokyo-k Report
【Tokyo】通勤電車に乗るということは、かつては苦痛だった。しかし「この日常も、もう少しで終わる」と思うと、なかなか味わい深い時間であると感じるようになった。出勤時間を自分で勝手にできるお陰で、空いた時間帯にゆっくり座り、文庫本を読む、これはこれで至福の時である。初めてジョン・グリシャムの弁護士ものの小説を読み、その至福度がいっそう高まった。 最初に読み終えたのは『原告側弁護人』という作品で、 . . . 本文を読む
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第218号 コメンテーター

2005-06-10 10:52:07 | Tokyo-k Report
【Tokyo】Wカップ・ドイツへの出場が決まると、監督・ジーコは途端に「名将」の賞賛が浴びせられた。それまではブーイング一色だったサポーターも、「更迭必至」などと垂れ流していたマスコミも、一夜にして豹変、昨日までの非難はすっかり忘れてしまったようだ。 元大関・貴乃花が死んで、二人の息子の骨肉の争いが再燃すると、ワイドショーやイエロージャーナリズムは、ソレッとばかりに群がる。他家の争いほど面白いも . . . 本文を読む
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第217号 祝 Wカップ本大会出場 

2005-06-09 09:06:14 | Tokyo-k Report
【Tokyo】今朝の日本のマスコミは「祝 Wカップ本大会出場決定」一色で大騒ぎだ。スポーツというのはたいしたものだ。言語習慣風俗地理が全く異なる民族が、ボール1個あれば共通のルールで競い合える。そしてこれほど熱狂を呼ぶ。ちょっと危険なくらいの大騒ぎだ。 大黒という選手はいいね。それまでどこかおとなしく、上品にボールを回しては北朝鮮にカットされていた日本チームが、この野蛮な選手が一人入ってきたら俄 . . . 本文を読む
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第216号 サポーター

2005-06-08 14:23:26 | Tokyo-k Report
【Tokyo】ワールドカップ出場を掛けて、日本チーム(ジーコ・ジャパンと呼ぶのが流行らしい)は今夜、タイで北朝鮮チームと戦う。北朝鮮への制裁で、どちらにとってもホームでもアウエーでもなく、しかも無観客試合。FIFAの裁定だからそれはそれでいいのだが、私はどうもあの「サポーター」という人種が理解できない。 特別なサッカーファンでもない私のようなものが、「理解できない」などと言うのはいささか傲慢な響 . . . 本文を読む
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