すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1940号 ハナウマ・ベイでハワイの魚と戯れる

2024-07-16 09:42:16 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】「ハワイに来るのに、水着を持ってこない人がいるなんて」と呆れられ笑われてしまったけれど、私は「もう、泳ぐ年齢でもあるまい、浜辺で足首を海に漬けていれば結構」と考えていたのである。ところが「すっごく綺麗なビーチがあって、魚がたくさん見られるんですって。やっと予約が取れたんですから」と、引きずられるようにしてやってきたのはオアフ島南東端のハナウマ・ベイだ。海に入るのに予約が必要なビーチとはどんなところなのだろう。 . . . 本文を読む
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第1939号 ワイキキのファーマーズマーケットを楽しむ

2024-07-14 18:44:35 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】ホノルルでは週末になると、あちらこちらでファーマーズマーケットが開催される。地元の人には欠かせない買い物の場らしいが、観光客にも人気らしい。私たちはホテルに近いアラ・モアナ公園に行ってみる。まだ開場前のはずだが、すでに店開きしている店は多く、賑やかな笑顔が溢れている。トラックやバンで乗り付けた農家が、定められたテントに車を横付けして果実や花卉などを並べている。揃いのテントが並ぶ会場は、清潔で涼やかである。 . . . 本文を読む
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第1938号 オアフ島の烈風にたじろぐ

2024-07-12 08:50:59 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】ホノルルに滞在した1週間、連日よく晴れた。暗いうちに降った雨が街を濡らして、毎朝「今日こそ曇るかな」と期待?させられるのだが、雲はたちまち海から山側へ追いやられて青空が広がり始め、午前7時ころにはパラパラと落ちていた雨もすっかり上がって虹が架かるのだ。午前9時にもなれば陽射しは痛いほど強くなって、慌てて部屋のエアコンを点ける。私たちはハワイの乾季(夏)の旅行者なのだ。熱帯の気象変化は単純で新鮮である。 . . . 本文を読む
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第1937号 ハワイの展望台で背伸びする

2024-07-09 15:32:16 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】地球表面の70%は海面であり、最も広い海が太平洋であることは常識だ。ただその太平洋が1億6600万平方キロだと言われてもピンとこないし、地球上の陸地を全て収めても十分なスペースがあり、日本列島なら約440個を並べることができると噛み砕いて聞かされると、余計に掴み所がなくなる。ハワイ・オアフ島西端の「ハロナ・ブローホール展望台」に立って四囲を見渡している私は、精一杯背伸びして見るのだが、視界に限りがある。 . . . 本文を読む
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第1936号 遥かなり南会津に風わたる

2024-06-21 06:00:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】山並みを遠望する時、山上の風景や山麓の暮らしは連想するのだけれど、では「山の向こう側はどんな世界なのだろう」と考えることはあまりない。新幹線で栃木・福島県境あたりを通過する時がそうだ。雄大な那須連山の風景を楽しみながら、思いを馳せるのは那須高原の記憶であり、向こう側のことはと考えた試しがない。そこは奥会津と呼ばれる広大な山地が広がっているらしいのだが、行ったことがないから想像しようがない。地図を開く。 . . . 本文を読む
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第1935号 奥山に「秘境」は秘めて檜枝岐

2024-06-20 06:00:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】緑に埋まる大山塊の、伊南川(檜枝岐川)の谷をわずかに引っ掻いたような平地に営まれる檜枝岐村。集落の中程に架かる前川橋に「オコジョの母子像」が置かれている。オコジョはイタチ科の哺乳類で、尾瀬にも生息しているものの準絶滅危惧種に指定され、尾瀬ビジターセンターは目撃者に発見証明書を発行している。檜枝岐村はロゴマークにこの山の人気者を採用し、大自然と共に生きる暮らしの意気込みを示している。今日も山は快晴である。 . . . 本文を読む
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第1934号 檜枝岐 語ることなし六地蔵

2024-06-19 11:35:58 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】紅い頭巾と涎掛けのお地蔵様が並んでいる。その前を駆けて行く子供たちは村の中学生だろう。揃いのトレーナーには大きく「桧枝岐」の文字が見える。ここは福島県の最南西端、尾瀬の麓の檜枝岐村だ。奥只見・奥利根・奥日光と、奥山に抱かれた「秘境」についにやって来たのである。いったいどんな歴史と暮らしがあるのだろうと興奮を噛み締めながら歩いている私に、子供たちは明るく軽く「こんにちはー」と挨拶を送ってくれるのである。 . . . 本文を読む
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第1933号 尾瀬の口で薫風を楽しむ

2024-06-14 14:52:33 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】湿原の水の溜まりに初夏の白雲が映り込み、濃い緑の中に真っ白な光を放って水芭蕉が群生している。私が撮ったこの写真を観れば、誰もがここは「尾瀬」だと解るであろう。そう、尾瀬なのだ。だからといって「尾瀬に行ってきた」とは、いくら図々しい私でも言いそびれる。福島県側の尾瀬への登山口である「御池」から木道を500メートルほど歩き、「田代」と呼ばれる小さな湿原に分け入っただけなのだから。それでも尾瀬である。空気が芳しい。 . . . 本文を読む
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第1932号 50万年を経て「怒る峰」は漣もなく

2024-06-06 15:10:32 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】群馬の人は東の赤城、西の妙義、そしてその中程に聳える榛名を、親しみを込めて「上毛三山」と呼ぶ。このうち榛名山は、今でこそ最高峰が1449メートルの、さほど高山とは呼べない山容を県域の真ん中に横たえているけれど、50万年前には標高が2500メートルに達する富士山のような火山だったらしい。秀麗な姿はその後の噴火や山体崩壊で、悪い歯並びの見本のような姿に落ち着いてしまった。せめて山頂に登って榛名富士を眺める。 . . . 本文を読む
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第1931号 伊香保にて『すずめ通信』総会

2024-06-05 09:06:01 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】ブログ『すずめ通信』の読者から「このブログが開設されて20年になりますね。こんなに続くとはすごい」とご指摘をいただいた。確かに創刊は2004年7月だから、いつの間にか20年を経たことになる。「すごい」と言われると面はゆいけれど、雀たちに「これを機に20周年総会を開催しようか」と呼びかけた。Nagano雀とChiba雀は即座に「いいね!」の返信。Tokyo-e雀からは「群馬あたりの温泉に浸ってみたい」と提案があった。 . . . 本文を読む
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第1930号 房総の王権を語る芝山はにわ群

2024-05-16 12:53:06 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】「芝山町」の位置が知りたくて、銚子駅と千葉駅・船橋駅をそれぞれ直線で結んでみる。「房総半島の付け根」と言う場合、東端は銚子だろうが、西端がどこになるのか迷ったからだ。すると芝山町は、みごとにその2本のラインの中間位置に収まった。つまり「芝山町は房総半島付け根の真ん中」と言っていいのだろう。北総台地の南端が九十九里平野へと降っていくあたりの半島深部で、北側は成田空港が食い込み、町の中央を「はにわ道」が貫いている。 . . . 本文を読む
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第1929号 銚子の街を思いつつイワシを味わう

2024-05-14 08:49:34 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】千葉駅午前6時30分発の総武本線各駅停車銚子行きは、パラパラと空席が残る程度の混み具合だった。佐倉で隣のボックス席が空になったので移ろうと腰を上げると、前方から小走りにやって来た小柄な女性が、手にした袋をサッと放り投げ、私を押し退けるようにして席を占めた。そして靴を脱ぐや両脚を前の座席にドサッと延ばし、残った席をコートやバッグで塞ぐ。おもむろに汚れた紙の束を取り出し、足元に並べて1枚1枚点検し始めた。 . . . 本文を読む
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第1928号 屏風ヶ浦で地球の歴史を考える

2024-05-12 22:10:48 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】日本中が快晴だというこの日、銚子市の屏風ヶ浦海岸は穏やかな潮風が吹き抜け、散歩者の気分を心地よく弾ませてくれる。剥き出しの地層が巨大な崖を形成し、10キロも太平洋と対峙して続くという屏風ヶ浦の景観を見に来た私は、崖下の遊歩道をゆっくり進みながら地球の歴史に耳を傾けている。だが聞こえてくるのは微かな潮騒くらいで、たまに名も知らぬ野鳥が飛んで来てチチッと鳴いて去って行く。地球の歴史は大きく余りに遠い。 . . . 本文を読む
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第1927号 二本松の城跡で「ほんとの空」の花見をする

2024-04-22 09:12:13 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】「正面の山並みは安達太良連山で、中央の山頂が尖っている峰が安達太良山です」。私は「二本松 春さがし号」という市内循環の臨時バスに乗り、一人だけの乗客であることをいいことに、運転手さんとの会話を楽しんでいる。道路の先を塞ぐお城山を、淡いピンク色に染めているのは満開の桜だ。まるで丘にたなびく霞か雲で、二本松城が霞ヶ城と呼ばれる所以がよくわかる。二本松は「智恵子の街」である。だとすればあの空が「ほんとの空」か。 . . . 本文を読む
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1926 千年を今日も咲かせて滝桜

2024-04-21 09:41:01 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】「樹齢千年以上」という推定が正しければ、芽吹いたのは紫式部が源氏物語を書いていたころになる。福島県三春町の滝桜である。それから150年ほどして、奥州・平泉を目指す西行が近くを歩いて行った。「花の下にて春死なん」と願ったほどの桜好きの西行だから、評判が高まっていれば立ち寄ったかもしれないけれど、そうした記録はない。まだ特段目立つベニシダレザクラではなかったのだろう。そして滝桜は今、私の眼前で咲き誇っている。 . . . 本文を読む
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