すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第974号 琵琶湖周“行”の歌 =17= 国友

2011-08-29 12:03:22 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】早朝の余呉湖を一巡りし、小谷城跡に立ち寄った後に姉川の流れを眺めた私たちは、今は国友の集落を歩いている。湖北をひたすら南下して来たのだ。ここ「国友」は、歴史的響きを有する土地にしては閑散とし、国道沿いに現れては消えるありふれた田園風景に融け込んでいる。しかし集落の内には「天文十三年創業」と、鉄砲商の看板が掲げられていたりして、思考が一瞬、停止した気分になる。天文といえば、戦国真っ盛りではないか。 . . . 本文を読む
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第973号 職人の手わざ

2011-08-29 10:24:16 | Mie Report
【Mie】「美しい手わざに恋して。~手わざを生み出す、人に恋して。」というキャッチコピーのBS日テレ番組「手わざ恋々和美巡り」が面白い。毎週月曜日・夜8時から、女優・檀れいが日本各地の伝統的な名品を扱う老舗を訪れ、その品を生みだす職人の仕事場で、優れた職人の手わざを紹介する。 . . . 本文を読む
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第972号 琴に見る日本人の美意識

2011-08-26 11:07:33 | Mie Report
【Mie】先日のNHKジャーナル(NHKラジオ第1)で、アメリカ人男性が琴の魅力について語った。この男性はアメリカで日本から来た琴の演奏を聴きに行き、その魅力にとり憑かれたという。来日して英語を教える傍ら、琴の先生に弟子入りして琴を習った。 . . . 本文を読む
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第971号 琵琶湖周“行”の歌 =16= 己高山

2011-08-25 10:23:34 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】湖北・木之本の山中に、己高山(こだかみやま)という標高923メートルの峰がある。岐阜や越前の国境まではなお一息ある里寄りの山だが、さらに奥へ峰を伝えば、白山や飛騨高地にまで連なる大山塊の末端であるといえないことはない。そそり立つ高峰というわけでもなく、山容が目に焼き付く特異さを持っているわけでもない。だが古くから仏教者を惹き付ける何かがあったのだろう、中世には多数の伽藍が甍を並べていたという。 . . . 本文を読む
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第970号 映画「ツリー・オブ・ライフ」

2011-08-23 19:27:22 | Mie Report
【Mie】本年度カンヌ国際映画祭・パルムドール賞を受賞した映画「ツリー・オブ・ライフ」(監督:テレンス・マリック)を観た。私がこの作品を理解できないのかもしれないが、結論から先に言うと、こんな訳の分からない退屈でつまらない映画はここ数年で初めて観た。私の評価は★★☆☆☆。 . . . 本文を読む
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第969号 琵琶湖周“行”の歌 =15= 雨森

2011-08-23 13:39:12 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】湖北を走っている。山は近いけれど、湖西に慣れた目で眺めると、それでも広々とした野に出た観がある。私たちは奥琵琶湖パークウェイの葛篭尾崎展望台からの眺めを堪能し、琵琶湖最奥の港・塩津を回って賤ヶ岳のトンネルを抜けて来たのだ。木之本地蔵院を右折し、高月の渡岸寺を目指す。観音の里・湖北でもひときわ美しいとされる十一面観音を、ずっと運転役を勤めていてくれるYさんに見せたいのだ。とりあえず雨森は通過する。 . . . 本文を読む
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第968号 びっくりして映画『スリ』を観る 

2011-08-22 00:06:10 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】びっくりして映画を観に出かけた。映画を見る動機が「びっくりして」というのは、私には初めての経験ではないかと思う。吉祥寺のバウス・シアターで『スリ』が上映されるというのだ。1959年制作のフランス映画だ。 . . . 本文を読む
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第967号 琵琶湖周“行”の歌 =14=菅浦《下》

2011-08-21 11:04:17 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】菅浦文書の中に《菅浦絵図》と呼ばれる古地図がある。葛篭尾崎半島と竹生島を俯瞰していて、細密な竹生島と寂し気な菅浦の入り江が描かれている。国の重要文化財に指定され、現本は滋賀大学経済学部に保管されているそうだが、菅浦の郷土資料館にレプリカが展示してある。須賀神社参道脇にある資料館は、住民が管理しているようで、この日の当番らしきお年寄りは絵図に引かれた1本の朱線を指差し、「これが証拠です」と言った。 . . . 本文を読む
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第966号 この夏の新潟から

2011-08-20 20:13:23 | Mie Report
【Mie】今年もまたお盆に帰省して墓参してきた。昨年暮れ、姪の結婚式で帰省して以来、約8カ月ぶりの新潟である。12、13日はそれほど暑くはなく、三重と比べてしのぎやすかったが、14日は猛暑となり、外を歩くと汗が噴き出して熱中症になりそうなほどだった。 . . . 本文を読む
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第965号 いつ何が起きるかわからない!

2011-08-19 19:16:19 | Mie Report
【Mie】私も60代半ばとなり、いつ何が起きてもおかしくない年になった。この年になると、誰でも持病の1つや2つはあって当たり前。現に私の周りの同世代の人を見ても、どこかしら持病があって、常備薬を欠かせない人が多い。 . . . 本文を読む
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第964号 琵琶湖周“行”の歌 =13= 菅浦《上》

2011-08-16 15:46:40 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】今回の琵琶湖周“行”の旅は、ここを訪ねるために企画したようなところがある。湖北・西浅井の菅浦集落だ。琵琶湖最北部、葛篭尾(つづらお)崎半島の入り江に張り付く孤絶した里で、何とか立ち寄れないかとこれまで何度もプランを練ってみたのだが、あまりの便の悪さに断念させられて来た、私にとって懸案の地なのである。自治意識が強く、他国者の出入りを嫌う気風が近年まで残っていたという話も、旅情をそそるではないか。 . . . 本文を読む
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第963号 琵琶湖周“行”の歌 =12= 海津

2011-08-14 19:51:27 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】日常の暮らしが営まれている何気ない生活空間を「重要文化的景観」に指定する制度がある。文化財保護法によれば「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」を選定するのだといい、指定することで景観の価値を正しく評価し、地域で護り、次世代へと継承する意識を高めようということらしい。全国で24カ所が選定されている。 . . . 本文を読む
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第962号 琵琶湖周“行”の歌 =11= 今津

2011-08-14 11:32:03 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】たまたまそのとき座っていた職員が、ご機嫌斜めだったのかもしれない。しかし街の観光案内所に詰めている以上、たとえ気分は沈んでいたとしても、窓口に「街の地図をいただけますか?」と旅行者が立ったら、睨みつけたうえにアゴでその置き場を指し示したりしない方がいい。地図を欲しがるのは遠来の客であるに決まっている。その一瞬の対応で、せっかくの街の印象が損なわれかねないからだ。近江今津駅の案内所でのことだ。 . . . 本文を読む
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第961号 琵琶湖周“行”の歌 =10= 饗庭

2011-08-12 15:22:55 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】高島市の中ほどに《饗庭》という土地がある。中世以前に遡る古い地名で、昭和30年に2村合併で新旭町となるまでは、饗庭村として長い歴史を刻んで来た。西部の台地は饗庭野と呼ばれ、自衛隊饗庭野演習場にその名を伝えている。かつての近江国高島郷に含まれる新旭町、今津町、安曇川町、高島町、マキノ町、朽木村は平成17年に合併し、高島市となった。饗庭という古風な響きは、ますます時代に埋もれて行くかのようである。 . . . 本文を読む
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第960号 映画『小川の辺』

2011-08-10 14:13:28 | Mie Report
【Mie】藤沢周平の時代劇「小川の辺」を観た。昨年夏に上映された「必死剣鳥刺し」以来の藤沢作品で、これまでに「たそがれ清兵衛」「蝉しぐれ」「隠し剣鬼の爪」「山桜」「花のあと」「武士の一分」の全てを観たが、共通するのは、山形の小藩に仕える一人の侍の凛とした生き様が、東北の美しい自然を背景に描かれる。 . . . 本文を読む
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