すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1139号 戦争と平和

2013-01-18 15:26:51 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】アムステルダムは心地よい街だった。わずか2泊しただけだから、何が心地よかったか具体的にあげるほどの材料はないのだけれど、印象を端的に述べよといわれたら、そんな答えが一番ふさわしいように思う。街並みがあまり画一的でないからだろうか? 運河の水面が穏やかで、気持ちを鎮めてくれるからだろうか? パリに始まった10日間の旅の最後になったこの街で、ようやく青空と陽光に出会うことができたからだろうか? . . . 本文を読む
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第1138号 300年の波

2013-01-18 02:52:45 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】ライデンの城塞跡の上から、この街のただならない歴史的眺望を楽しみながら、私は人間の営みに「300年の波」があるように思えてならなかった。およそ300年ごとに歴史は節目を刻む、ということだ。ライデンは1266年に内戦を勝利し、都市としてその後の繁栄の基盤を固めた。そして独立に至るネーデルランドの決起が1568年。ナポレオン帝国崩壊によるオランダ王国憲法の制定が1848年。いずれも「300年の波」である。 . . . 本文を読む
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第1137号 ライデンの歴史的眺望

2013-01-17 17:05:28 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】オランダに行ったらライデン(Leiden)を訪ねようと考えていた。アムステルダムの南西、ハーグとの間にある地方都市で、ライン川が長い旅路を終えるあたりの河畔に営まれた古い街だ。17世紀にアメリカへ渡った清教徒は、ここからも新天地を目指した。そのころこの街でレンブラントが生まれ、19世紀になるとシーボルトが日本から帰って来た。私は何よりも、16世紀のオランダ独立戦争で市民が立て籠ったという《城塞》が見たかった。 . . . 本文を読む
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第1136号 中世の街

2013-01-16 17:44:40 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】世界一美しいと形容される広場、ブリュッセルのグランプラス(Grote Marki/Grand Place)では、明日のクリスマスを待つ市民が列を成し、いま点灯されたのであろうプレゼピオ(イエス誕生の馬小屋の模型)に熱い視線を送っている。昨年のこの日は、これを陽光のローマで眺めたのだったが、この日は冷たい雨の中である。だが日暮れのように暗い土地(アーベントランド)のクリスマスは、かえって深い祈りが感じられるのだった。 . . . 本文を読む
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第1135号 蚤の市という怪し気な楽しさ

2013-01-15 01:32:07 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】大自然の絶景を眺めるのは素晴らしいと思うけれど、どちらかといえば関心は異国の暮らしや歴史に向くものだから、旅の目的地は《街》になることが多い。そして歩いて観て食べることになるのだが、街の匂いを肌で感じるにはマーケットを歩くのが手っ取り早い。従ってしばしば《蚤の市》を探し歩くことになる。ブリュッセルではジュ・ド・バル広場が名高いというので出かけてみる。12月24日だから休みかな、と危惧しながら。 . . . 本文を読む
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第1134号 「ヨーロッパ」的生き方

2013-01-13 09:01:34 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】ユーラシア大陸の西端に位置する、コマゴマと国境が引かれた大地。言葉も違えば顔つきも異なるけれど、そこには「ヨーロッパ」のひと言で括れる何かがある。それをカトリシズムだと説く人がいる。キリスト教を受け入れたローマ帝国が、アルプスを越えて北に版図を広げて以来、信仰と戦いの長い時間が共通の暦(生活リズム)を定着させ、「ヨーロッパ人」である意識を染み込ませた。それは島国とは、かなり異なる国家観である。 . . . 本文を読む
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第1133号 オペラ「フィガロの結婚」

2013-01-12 16:35:21 | Mie Report
【Mie】8日夜、津市で行われたプラハ国立劇場オペラ「フィガロの結婚」を観た。思ったより空席が目立ち、駐車場も空いていたのはどういうわけか。「フィガロ…」があまりにポピュラーすぎたせいか、あるいは景気のせいかよく分からない。私は「フィガロ…」は今度で2回目。 . . . 本文を読む
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第1132号 美しい街とは

2013-01-12 16:27:21 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】パリ(Paris)は都市計画された街だ。ガイドブック的に言えば「セーヌ川の中洲・シテ島に先住民・パリシイ族が住みついたのは紀元前。ローマの支配を経て5世紀ころからフランスの首都として本格的に街が拡大しはじめた」とでもなろうか。19世紀に大改造が行われ、現在の街区が形成された。ルーブル美術館に建つカルーゼル凱旋門から、コンコルド広場・シャンゼリゼ通りを経てエトワール凱旋門に至るラインが、パリの歴史軸だ。 . . . 本文を読む
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第1131号 世界遺産と犬の痕跡

2013-01-12 04:09:38 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】パリではスリに気をつけるよう、息子からも忠告されていた。しかし危険は他にもあった。犬の糞である。石造りの建物が連なる街路を、しっとりとした光沢を湛えて延びて行く石畳の歩道。それは世界遺産の街へと誘う情緒あふれるプロムナード、であるはずだ。しかし点々と犬の痕跡が散らばっているのは何故だ! 形をそのまま残したもの、踏まれて滑った跡を印しているもの、足下に集中していないと、いつ餌食になるかわからない。 . . . 本文を読む
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第1130号 美術館での写真撮影は是は非か

2013-01-11 05:37:14 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】これを目玉にすれば盛況満員は疑いなしだと分かっているけれど、世界中の美術展ビジネスがどうしても借り出せない絵画が2点ある、のだという。レンブラントの『夜警』とピカソの『ゲルニカ』だ。オランダとスペインが法的規制をかけているのかどうかは知らないけれど、人類の至宝はそのくらい大切にしてもらって当然だろう。だからアムステルダムまで観に出かけたわけだが、それほど貴重な『夜警』が撮影OKというのだから驚いた。 . . . 本文を読む
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第1129号 人間はなぜ絵を描くのか?

2013-01-10 16:34:18 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】人間はなぜ、絵を描くのだろう。紙やカンバス、あるいは漆喰の壁や洞窟の岩盤にと、平面に近いものがあれば、そこに見たものを描きたがるのが人間だ。何のためなのか? 描いている本人にもそのことは分からないのかもしれない。ただ描くことで、こみ上げて来る欲求を満たしているのであろう。描くことは苦手でも、観ることに喜びを覚えるのも人間だ。だからわざわざ遠い異国にまで出かけ、1枚の絵に対面して感激できるのだ。 . . . 本文を読む
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第1128号 絵画・彫刻・そして音楽

2013-01-08 20:34:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】人間の創造の最高峰は音楽だ、と言い切る人がいる。本当にそうかな? と思いながらも音楽に疎い私に反論する力はない。確かに「音の組み合わせ」という目に見えないものを操って人間の感情を昂らせ、あるいは鎮める音楽は、魔術的でさえある。それは分かる。でも美術だって・・と言いたくなる。絵画や彫像の前で立ちすくんでしまった経験は、誰にもあるだろう。人の心を金縛りにする「美」こそ、究極の創造ではないか? . . . 本文を読む
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第1127号 エルミタージュの猫たち

2013-01-08 08:29:18 | Mie Report
【Mie】正月のテレビで面白そうな番組を探したが、今年は昨年の「武士道シリーズ」のような興味のある番組が見あたらず諦めていたところ、3日の朝、BSプレミアムの番組が面白くて釘付けとなった。そのタイトルは「エルミタージュの猫たち~女帝と猫と名画の奇妙な物語」。 . . . 本文を読む
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第1126号 NHK「紅白歌合戦」2012

2013-01-05 11:51:08 | Mie Report
【Mie】年末のNHK紅白を観て私の一番印象に残った歌手は、出場歌手の枠外で出演したMISIA。アフリカ・ナミビア共和国の雲ひとつない青空が広がる美しいナミブ砂漠をバックに民族衣装を纏ったMISIAは魅力的で、熱唱した2曲の歌(「Everything」「明日へ」)も良かった。(写真) . . . 本文を読む
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第1125号 あけましておめでとうございます

2013-01-01 08:51:23 | Nagano Report
【Nagano】すずめ通信の皆様、世界に散らばる読者の皆様、あけましておめでとうございます。今年も長野の浅間山山麓にある我が家からの初日の出をお送りします。 . . . 本文を読む
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