すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1724号 海を越えて大崎に根付く老オリーブ 

2021-07-31 06:00:00 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】私が東京に出てきたころ、山手線の駅は28カ所だった。それを覚えたのは、右も左も分からないお上りさんにとって、まずは山手線の駅とおよその位置を覚えることが、東京の地理を理解する早道だったのである。そして西日暮里駅ができ、直近は高輪ゲートウェイ駅が開業し、現在の山手線は30駅で構成されている。もう半世紀を超える付き合いの山手線と私だけれど、この間に駅周辺の街の様相が最も変化したのは「大崎」ではないだろうか。 . . . 本文を読む
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第1723号 天王洲で現代アートを堪能する

2021-07-30 08:56:29 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】羽田に向かうモノレールが、「天王洲アイル」という耳慣れない駅を通過するたびに、どんな街だろうと考える。しかしそうした思いはその時だけで、次に通過するまで忘れている。それほど私の生活圏とは離れているということだろうが、その天王洲に「倉庫を活用した現代アートのギャラリーができた」と耳にした。そして今日、東雲に行こうと「東京臨海高速鉄道」に乗ったら、同じ駅を通ることを知った。これはもう、途中下車するしかあるまい。 . . . 本文を読む
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第1722号 夢の大橋で聖火を見上げる

2021-07-29 09:03:48 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】気分がまるで高揚しないまま、東京オリンピックが始まった。だから開会式には何ら興味はなかったのだが、ただ家族に「聖火の最終ランナーは、テニスの大坂なおみ選手が務めるだろう」と予言した手前、その確認をする責任はあるだろうと、テレビを漫然と観ていた。そして予言通り、大坂選手が聖火台に点火するのを見て、私は目を見張った。聖火台の美しさに、である。初めて五輪を「観たい!」と思った。だから有明の「夢の大橋」にやって来た。 . . . 本文を読む
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第1721号 奥多摩の湖渡る風に吹かれて

2021-07-23 11:25:09 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】都民の水甕・小河内ダムに来ている。東京の子供たちは遠足にやって来るのかもしれないが、成人してから都民になった私には初めての訪問である。この機会に「上水道について考えたい」などと殊勝なことを言ってもみたいけれど、猛暑とはいえ奥多摩湖の湖畔に立てば、広大な湖面を渡る風は爽やかで、甘露でさえある。とりあえず何も考えず、木陰に座る。明々後日にはオリンピックが開幕するらしいけれど、世俗の騒動などどうでもよい気分だ。 . . . 本文を読む
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第1720号 東京で一番広い奥多摩町を歩く

2021-07-22 10:23:34 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】最高気温が34度になると予想されているこの日、私は臆することなく奥多摩散歩を決行する。コロナ・パンデミックは衰えを知らず、東京は4度目の緊急事態宣言下にあるけれど、家に閉じ籠もるのは耐えられない不良老人は、「都県境を越えないから構わないだろう」「ワクチン接種は済んでいる」と勝手な理屈をつけ、不要不急の外出へと飛び出してきたのだ。多摩川をひたすら遡ってやって来た奥多摩町は、「東京で一番広いまち」なのだという。 . . . 本文を読む
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第1719号 花火の街・大曲を散歩する

2021-07-10 08:44:52 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】秋田新幹線は、秋田駅を後ろ向きに出発、大曲で先頭を逆にして盛岡・東京を目指す。横手盆地を北上してくる秋田の大河・雄物川が、ここで田沢湖近くから流れて来る玉川と合流、大きく湾曲した盆地を形成するから、自ずと路線もその制約を受けるのだ。新幹線はなぜ、この不自然なルートを選んだのだろう。新庄まで延びる山形新幹線を延伸し、湯沢・横手・大曲と奥羽本線に沿って北上すれば、ごく素直なコースになったのに。大曲に立ち寄ってみる。 . . . 本文を読む
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第1718号 環日本海文化圏を秋田城跡で考える

2021-07-09 10:25:55 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】秋田を初めて訪れたのは、50歳を過ぎていたと思う。それほど縁の薄い土地だった。青森での会議の後、知らない秋田を回って帰りたいという私を、車で案内してくれたのは同僚のW君だった。秋田育ちだから、当然、秋田には詳しい。八森で白神山地を少し分け入り、能代で一泊したのち南下、そろそろ秋田市街になるというあたりで、W君は「ここが秋田城です」と崖上の緑を指差した。私は佐竹氏の居城跡だと勝手に思い込み、うなづいた。 . . . 本文を読む
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第1717号 6月の秋田は晴れ続き

2021-07-08 16:43:44 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】地元テレビの天気予報が、秋田市の日照時間は全国の県庁所在市で47番目、つまり最も短いのだと紹介している。一番長い甲府市より、年間で700時間ほども少ないのだそうだ。ところが月別の統計では、6月だけは札幌、青森に次いで3位になっているという。7月は再び最下位あたりに戻るというから、梅雨入りが遅いということなのだろう。そんな予報を聞いて空を見上げると、なるほど雲ひとつない快晴である。私は秋田市に来ている。 . . . 本文を読む
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第1716号 人口急減に耐えて幸せな街づくり

2021-07-07 10:00:03 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】横手は駅の東側が城下(旧市街)で、西側が新開地らしい。その新開地の郊外に「秋田ふるさと村」がある。好天の土曜日、県立近代美術館もあるから行ってみると、丘陵地のテーマパークといった様相だ。折りしもこの週末は「クラフトフェア」が開催中ということで、たくさんの家族連れで賑わっている。旧市街ではほとんど見かけなかった横手市民は、ここに集まっていたのだ。アーバンライフを満喫しているような、満ち足りた笑顔が弾けている。 . . . 本文を読む
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第1715号 「かまくら」の街の素晴らしい小学校

2021-07-06 09:48:10 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】下校する小学生に出会った。秋田県横手市の市役所近く、「かまくら館」を見物した後、武家屋敷街へ行こうと横手川の「学校橋」を渡ろうとしている時だ。歩道は余裕があって、これなら子供たちの通学も安心だと思いながらシャッターを押すと、一人が「あー、写真だー」と笑い転げた。私は「ありがとう」と答えて、未来の秋田美人たちと別れる。まもなく公園のような橋を渡って、学校に突き当たる。私はこの横手南小学校にほとほと感心した。 . . . 本文を読む
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第1714号 山車まつりを待つ新庄の街を歩く

2021-07-04 12:50:29 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】小柄なおばあさんが曲がった腰を「よーいしょ」と伸ばし、展示されている賑やかな飾り物を見上げている。「あーまた祭りが来るのー、今年はどんな山車(やたい)が見られるっかねぇ」とつぶやいているのかもしれない。山形新幹線・新庄駅のホール。飾られているのは「新庄山車まつり」の歴史絵巻だ。歴史上の名場面などを題材に、各町内の若連が毎年手作りしているのだとか。8月24日からの3日間、この賑やかな彩りが街を沸き立たせる。 . . . 本文を読む
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第1713号 宝の都をのんびりと、大崎耕土 

2021-07-02 13:53:09 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】東北地方も梅雨に入ったことは、昨日の相馬で遭った驟雨で思い知らされたけれど、仙台経由で古川から陸羽東線に乗り継いだころには空は青く晴れ上がり、白雲の湧き昇る様子はもはや夏である。私は宮城県北部の奥羽山脈を、ひたすら西へ分け入っているのだが、人生古希を過ぎてなお、日本列島で知らない土地は多く、古川から山形県の新庄に向かうこの界隈も初めてである。そもそも通過している「大崎市」という街の名に馴染みがない。 . . . 本文を読む
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第1712号 雨もよし、相馬野馬追の街

2021-07-01 08:39:38 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】浜通り最北に近い相馬駅に降りたときは、雨雲はまだかろうじて滴の落下を堪えていた。しかし相馬中村城跡の妙見中村神社にたどり着いた時には、重要文化財の社殿を覆い隠すかのように大粒のシャワーが降り注いできた。華奢な傘はほとんど役に立たず、慌てて着込んだパーカーはみるみる水浸しである。ズボンも膝から下はぐっしょり濡れ、靴はとっくに水溜り状態だ。これではコロナウィルスも近づけないだろうと、せめて自分を慰める。 . . . 本文を読む
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