すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1857号 塩尻でワインの味を夢に見る

2023-04-30 07:54:28 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】この写真は11年前のこの季節に撮ったものだ。並木の緑があまりに美しいのでシャッターを押したところ、可愛いチビちゃんたちが写り込んでくれて、塩尻の記念に保存しておいたのだ。二人はもう中学生だろう。市役所近くの並木道である。今日は中津川から乗った「特急しなの」を降り、乗り継ぐ「あずさ」を2本やり過ごして同じ道を歩いている。塩尻はこうやって、乗り継ぎの短時間を歩くことが多い。この街が鉄道網の要衝である証である。 . . . 本文を読む
コメント

第1856号 リニアと中山道が合流する街・中津川

2023-04-28 17:23:21 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】島崎藤村は『夜明け前』で、主人公・半蔵に「あの山の向こうが中津川だよ。美濃は好い国だねえ」と語らせている。そこは馬籠宿下の「これより北 木曽路」となる十曲峠でのエピソードである。古い街道の本陣を守る定めに縛られ、世の変動に届かないもどかしさと苦悶する半蔵にとって、中津川は峠から遠望する「大きな世」であったのだろう。ここには「街と鄙」の象徴的な対比がある。時代が激しく移ろって行く渦中での「所在の差」である。 . . . 本文を読む
コメント

第1855号 恵那山を遥かに望む馬籠にて

2023-04-27 20:30:30 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】馬籠宿を登り切ると、山肌を均した展望スペースが整備されている。その広場に立つと視界は一気に広がって、気分も晴れ晴れと軽くなる。南は恵那山(2191m)の稜線が緩やかに流れ、西は幾重にも重なる尾根が遠く靄って消えて行く。妻籠からつづら折りの峠道を越えて来た眼には、ふわりと空中に誘われるような爽快な眺めである。西へ東へ、近世の列島を行き交った旅人たちは、この辺りで私と同じ感慨に耽り、一息ついたことだろう。 . . . 本文を読む
コメント

第1854号 売らず貸さず壊さずで今、にぎわう妻籠

2023-04-26 14:14:25 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】全国ニュースで取り上げられるほど、中山道・妻籠(つまご)宿が外国人観光客で賑わっていることは承知していた。しかし実際にやって来て、「こんなにも!」と驚いている私である。英独仏に中国語、さらには東南アジアのどこかの言葉やロシア語らしき会話が「山の中」で交錯している。これでは宿泊予約が取れないのも当然かと納得するのだが、それにしても皆さん、何を求めてわざわざここまでやって来るのだろう。不思議な思いで立ち止まる。 . . . 本文を読む
コメント

第1853号 「木曽路はすべて山の中」を確認する

2023-04-24 18:34:56 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】日本列島で「海から最も遠い地点」は、長野・群馬県境の佐久市田口榊山の山中であることが、国土地理院により特定されているのだそうだが、そこから南西に直線距離で100キロほど離れた「木曽」も、同じくらい太平洋からも日本海からも離れているように思われる。かの文豪が描いた通り、「木曽路はすべて山の中である」のだが、そうした土地はこの山国ではいたるところにある。しかし木曽は、何か特別な匂いがする「山の中」なのである。 . . . 本文を読む
コメント

第1852号 逝く春を大船で観る花吹雪

2023-04-04 16:55:16 | Tokyo-k Report
【Tokyo-k】「今年のお花見は鎌倉で」ということになって、大船駅に近い大船フラワーセンターに集合した。例年になく早い開花で世の中がそわそわしている今春、鎌倉界隈はすでに花吹雪が始まっているようだ。久しぶりの好天に、枝振りの良い樹の下では多くの家族連れがシートと笑顔を広げ、チビッコの駆け回る歓声が響いている。園内は飲酒禁止のようで、花見につきものの喧騒はなく、そろそろお酒を卒業したい私にも相応しい、穏やかな花見である。 . . . 本文を読む
コメント