みちのくの山野草

みちのく花巻の野面から発信。

本日の下根子桜(11/13、詩碑に報告)21

2021-11-13 16:00:00 | 「賢治年譜」等に異議あり
 昨日(11/12)は今から97年前のことだが、賢治が初めて千葉恭に出会った日だ。そんなこともあって、藤根研一氏の『ー農業技師「宮沢賢治」ー』を読んでいたならば、その204pにこんなことが書いてあることを知った。
 ……奥羽山系の影響の強い大地ですから、土壌学的にいうと洪積台地といいます。それは酸性土壌で、農作物を作るときに石灰をやらないといい作物ができない。だから、いきおい米単作地帯になりやすい。………………◎
 そこで、本日も下根子桜を訪ねた。藤根氏は農業改良普及員等を務めた農業にとても詳しい方であり、その方がこう言っているわけだからその報告を賢治にせねばならないと。 
《1 》(2021年11月13日撮影)

《2 》(2021年11月13日撮影)

《3 》(2021年11月13日撮影)

《4 》(2021年11月13日撮影)

《5 》(2021年11月13日撮影)

《6 》(2021年11月13日撮影)

《7 》(2021年11月13日撮影)


 私は賢治詩碑に向かって、「やはり、賢治さんは知っていたのですね。稲の最適土壌は中性ではなくて、どちらかというと酸性であることを」と問いかけた。そして、『筑摩書房様へ公開質問状 「賢治年譜」等に異議あり』の16pの下段に掲げた〔教材用絵図 四九〕に関して、
 絵図は賢治が作ったものだから、羅須地人協会時代の賢治がこの石灰施与のリスク〝③〟を知らなかったはずがない、と判断せざるを得ない(もし知らなかったならば、賢治の目は節穴だということになってしまうからだ)。
と述べたのですが、これはやはり間違っていなかったのですね、と。 
 そして改めて、『筑摩書房様へ公開質問状 「賢治年譜」等に異議あり』の14pの次の記述も間違っていなかったと確信した。
 そこで私は、北上市にある『農業科学博物館』を訪ね(令和二年三月二七日)て館員の方に、
 多くの賢治研究家は、稲にとって最適土壌は中性だと思っているようです。ところが実は、それは弱酸性~微酸性、pHが5.5~6.5だと知ったのですが。
と問うたならば、
 かつては皆さんはそう思っていたようですが、最近は、(農業関係者ならば皆)弱酸性~微酸性だということは知っておりますよ。
と教えてくれた。そこで、「もしかすると、知らないのは私たちだけ?」と心の内で思わず声を上げてしまった。そのようなことを指摘していた賢治研究家を私は誰一人見つけられずにいたからだ。続けて私は、
 石灰は撒きすぎると田圃が固くなってよくない、とも聞くのですが。そして、実際にある篤農家に直接訊いてみたならば、「田圃に石灰を撒くことはかつても、今でもない」とも教わったのですが。
と話したならば館員の方は、
 そのとおり固くなります。やり過ぎはよくありません。田圃に石灰を施与する人はあまりいないと思いますよ。畑は別ですが。
ということも教えてくれた。
 畢竟するに、この館員の方が仰ったことと、前掲の〝◎〟の「いきおい米単作地帯になりやすい」は同じことを意味するからだ。

 続きへ。 
前へ 
『筑摩書房様へ公開質問状 「賢治年譜」等に異議あり』の目次”へ。
 ”みちのくの山野草”のトップに戻る。

《ご案内》
 来る12月16日付で、新刊『筑摩書房様へ公開質問状 「賢治年譜」等に異議あり』(鈴木 守著、ツーワンライフ出版、550円(税込み))を発売予定です。

【目次】

【序章 門外漢で非専門家ですが】
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 北上市北上川(11/8、泥岩) | トップ | 出版社が、何とも牽強付会な... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

「賢治年譜」等に異議あり」カテゴリの最新記事