みちのくの山野草

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「運命はこのように扉を叩く」と言った?

2019-01-15 12:00:00 | 賢治関連
《『ベートーヴェン捏造-名プロデューサーは嘘をつく-』(かげはら史帆著、柏書房)》

 ここで一度、『ベートーヴェン捏造-名プロデューサーは嘘をつく-』の最初〝序曲・発覚〟に戻ると、そこには、
 耳の病にかかったが苦しみを乗り越えて『運命』や『第九』を作曲した…(投稿者略)…あまりにもゆるぎない「楽聖」のイメージが、そこにある
と書いてある。もちろんそれはよく知られたベートーヴェンのイメージ……のはずだが、どうやも怪しいということが直ぐにわかる。それは、続けて次のようなことが書かれているからである。
 いまだ多くの人は知らない。
 一九七七年。
 そのイメージがあとかたもなく崩れ去る、とんでもない「嘘」が明らかになったことを。
  …(投稿者略)…
 研究者ら、ベートーヴェンのノートが「捏造」かどうかをめぐって論戦となる
               〈共に、『ベートーヴェン捏造-名プロデューサーは嘘をつく-』9p〉
 ただしここまでであれば、まだその全容が見えてこない。そこでもう少し読み進めよう。
 三日目の午後に行われた小さな研究発表が、この華やかな祝典の場に激震をもたらした。
 壇上に立ったふたりの女性研究者、ダグマール・ベックとグリタ・ヘレ。
 いずれも、「ドイツ国立図書館版・会話帳チーム」の一員である。

 「会話帳」とは、聴覚を失ったベートーヴェンが、家族や友人、仕事仲間とコミュニケーションを取るために使っていた筆談用のノートのことだ。
             〈同10p~〉
と続いている。そして、先の二人の女性研究者は重い口を開いたという。
 会話帳の中に、ベートーヴェンの死後、故意に言葉が書き足されている形跡を発見した。
            〈同11p〉
と。そしてその犯人の名を、
    アントン・フェリックス・シンドラー
と口にしたのだそうだ。。

 それはどういうことかというと、
 たとえば、ベートーヴェンが『交響曲第五番』の「ジャジャジャジャーン」というモチーフについて「このように運命が扉を叩くのだ」というエピソード。
 あるいは、『ピアノ・ソナタ第一七番』について「シェイクスピアの『テンペスト』を読みたまえ」と忠言したという話。
            〈同18p〉
をそのまま信じるわけにはいかなくなったということを意味するのだそうだ。
 つまり、この発表によって従前のベートーヴェン像は崩壊してしまったと言えるし、その捏造はシンドラーによるものだったということが明らかになったというのだ。           

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      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813

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